松下電工と東京電力、集合住宅全体の電気使用量を制御し使い過ぎを防ぐシステムを開発
集合住宅全体の電気の使用量を制御し、使い過ぎを防ぐ
『幹線パワナビシステム』の開発・販売について
~既築集合住宅で共用電気幹線を改修せずに、全住戸の電化リフォームが可能に!~
松下電工株式会社(本社:大阪府門真市、社長:畑中浩一)と東京電力株式会社(本社:東京都千代田区 社長:勝俣恒久)は、集合住宅全体の電気の使用量を制御し、使い過ぎを防ぐ『幹線パワナビシステム』を共同開発いたしました。これにより、既築集合住宅において、共用電気幹線の改修をせずに、低コストかつ短期間で、全戸にIHクッキングヒーターやエアコンなどを追加導入する電化リフォームが可能となります。4月から両社で提案活動を開始し、10月から松下電工が販売を開始する予定です。
『幹線パワナビシステム』は、集合住宅全体の共用電気幹線の使用量と各住戸の電気使用量を同時に監視し、各住戸の電気使用量の合計が共用電気幹線の容量を超えそうな場合には、電気の使用量が多い住戸から順番に、あらかじめ指定された家電製品を自動的に停止させて、集合住宅全体の使用量を制御します。また、各住戸において、電気の使用量が契約容量を超えそうな場合にも、同様に家電製品を自動的に停止させ、ブレーカの動作を未然に防止します。本システムの導入により、共用電気幹線の改修が不要となることに加え、制御するデータのやりとりに低速電力線搬送通信(低速PLC)(注1)を活用し、各住戸への通信線の敷設を不要とすることにより、施工コストの低減と工期の短縮を図っています。
両社は、このたび開発した『幹線パワナビシステム』を、既築の集合住宅で電化リフォームをご希望のお客さまに積極的にお勧めするとともに、今後、エアコンなどの電化機器を無線で制御したり、電気の使用状況等を表示するなど、より利便性の高い機能を充実させていく予定です。
なお、本システムは、1月31日から開催される「ENEX2007」(注2)で紹介いたします。
■主な特長
(1)既築集合住宅で共用電気幹線を改修せずに、全住戸の電化リフォームが低コスト・短期間で可能
(2)共用電気幹線の電気使用量の制御に低速PLCを活用
(3)各住戸では、電気の使い過ぎを音声でお知らせし(オプション)、自動的にエアコン等の電源を制御
■開発背景
現在、既築の戸建住宅における電化リフォームが進む中、既築の集合住宅においても、利便性や資産価値の向上などの面から電化リフォームが注目されつつあります。その一方で、共用電気幹線の容量の増強が必要となる事例が多く、特に分譲集合住宅の場合には、当該のコスト負担に対する入居者全体の合意が得られにくいなどの課題があります。
こうした中、松下電工と東京電力は、お客さまが既築集合住宅における電化リフォームを推進しやすいよう、集合住宅全体の電気の使用量を制御して使い過ぎを防ぎ、共用電気幹線を改修せずに低コストかつ短期間での電化リフォームを可能とする『幹線パワナビシステム』を新たに共同開発いたしました。
[注1]電力線搬送通信(PLC Power Line Communication):
電力線搬送通信(PLC)とは、家庭の電力線を通信回線として使用する通信方式。通信機器を電力線につなぐだけで簡単に通信ができ、新たな通信線の施設工事を行う必要がなく、安価な費用で導入できるメリットがある。PLCには低周波帯(10kHz~450kHz)を利用する低速PLCと、高周波帯(2MHz~30MHz)を利用する高速PLCとの2種類がある。
[注2]ENEX2007:
名称
第31回地球環境とエネルギーの調和展 ENEX2007
目的
・省エネルギー・新エネルギーの最新技術の紹介と、導入促進・機器普及のための最新情報や導入事例情報の提供
・生活者に対する省エネルギー意識の醸成と実践行動の動機付け
主催
財団法人 省エネルギーセンター
期間
平成19年1月31日(水)~2月2日(金)
東京会場
東京ビッグサイト 西展示場
<参考> 開発者
松下電工株式会社
所在地: 大阪府門真市大字門真1048番地
代表者: 代表取締役社長 畑中浩一
設立: 昭和10年12月
資本金: 1,485億円
東京電力株式会社
所在地: 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
代表者: 取締役社長 勝俣恒久
設 立: 昭和26年5月
資本金: 6,764億円
※以下、詳細は添付資料を参照