JSRと近畿大学、研究施設「機能材料リサーチセンター」を建設
JSRと近畿大学、研究施設「機能材料リサーチセンター」を建設
-先端材料の開発に向け基礎研究を充実-
JSR株式会社(社長:吉田淑則、本社:東京都中央区)と近畿大学(理事長:世耕弘昭、本部:大阪府東大阪市)は、産学協同の研究機関「近畿大学分子工学研究所-JSR機能材料リサーチセンター」を同大学産業理工学部キャンパス(福岡県飯塚市)内に建設し、共同で運営していくことになりました。同大学分子工学研究所の遠藤剛所長・教授(東京工業大学名誉教授)をセンター長として、JSRの先端材料の開発に向けて基礎研究の充実を目指します。
同リサーチセンターは本年3月末に竣工予定で、4月から本格的に稼働する計画です。
1.背 景
JSRは、先進材料を創造する高分子化学メーカーです。高分子材料技術をベースとして、合成ゴムなどの石油化学系事業から、半導体や液晶ディスプレイ等に使用される最先端の情報電子材料事業までグローバルに事業展開しています。2007年12月に創立50周年を迎えることを機に、高分子材料技術をベースとした新規材料開発のための基礎研究および次世代事業の核となる技術シーズ探索の強化・拡充を目指し、近畿大学との産学連携事業を運営することにしました。
近畿大学は、学問・実際一如の有機的教育の徹底を建学の精神として掲げ、社会に役立つ学問を教授する実学志向を貫いてまいりました。11学部のうち7学部が理系、そのうち4学部が理工学系の学部を設置しています。このため産業界との協力は不可欠で、国内はもとより世界的な化学企業・JSRとのリサーチセンター建設は近畿大学の研究・教育の進展に大いに期待できるところです。2000年にはドイツの化学メーカー・ヘンケル社とのリサーチセンターも分子工学研究所に開設しています。
2.意 義
JSRは、機能材料リサーチセンターが設置されることにより、高度な高分子材料の基礎研究を継続して推進できる環境が整います。また、JSRの製品開発につながる研究テーマを設定し、研究成果を事業に活用することができます。さらに同センターを通じて、JSRの研究者と国内外の研究者、研究機関との交流を進めることで、世界最先端の技術動向を把握することができます。
近畿大学は、最先端分野での産学協同により研究成果を迅速かつ効率的に新製品に結びつけるという目標によって学内の研究・教育が活性化することを期待しています。特に学外からの客員研究者および研究員を招聘することは、研究活動のレベルを高めることに繋がり、実業界に深く関連した実践的な研究・教育の機会を提供することが可能になります。
3.近畿大学分子工学研究所-JSR機能材料リサーチセンターの概要
名称 : 近畿大学分子工学研究所―JSR機能材料リサーチセンター
所在地 : 福岡県飯塚市柏の森11-6
近畿大学産業理工学部キャンパス内
センター長 : 遠藤剛(近畿大学分子工学研究所長・教授、東京工業大学名誉教授)
規模 : 地上4階建て(延床面積1,720m2)
実験室9室、テレビ会議室等
稼動開始 : 2007年4月(予定)
4.運営方法
(1) 運営方法
JSRは、建物の建設費、運営費を負担し、本リサーチセンターのプロジェクトに深く関与していきます。
JSRと近畿大学は、JSRの技術シーズの探索を目的に効率的な研究開発を実現するという共通の目標をもって、リサーチセンターを運営します。
当初は数名の博士研究員で研究活動を開始し、将来的には数十人レベルに増員する予定です。
<研究テーマ>
JSRが成長事業と位置づけている「エレクトロニクス」、「環境・エネルギー」及び「メディカル」などの事業領域での製品開発につながる基礎研究に取り組む予定です。
(2)運営費用
・建設費等 :約6億円
・研究運営費 :将来的には、年間数億円のレベルになる見込です。
JSR株式会社
合成ゴムなどの石油化学系事業から半導体用材料、液晶ディスプレイ用材料などの情報電子材料まで幅広い事業を、グローバルに展開している高分子化学メーカー。(本社:東京都中央区)。
2005年度連結売上高:3,381億円、連結従業員数4,576人、1957年創業、東証大証一部。
近畿大学
80年を超える歴史を持つ全国有数の私立総合大学。(本部:大阪府東大阪市)。現在、西日本を中心に11の学部、11の大学院研究科、3つの医学部附属病院、17の附属研究所などを擁する。2004年からは、法科大学院も設置している。学生数(学部、大学院生)30,659人、1925年創立。