日本HP、データセンターのコスト削減・安定運用を支援する新サービスを提供
データセンタの電力、空調コストを削減し、安定運用を支援する
「HPスマート・クーリング・ソリューション」を発表
- データ分析とシミュレーションに基づく、ラック、空調設備配置の最適化により空調電力の抑制を提案 -
日本ヒューレット・パッカード株式会社(略称:日本HP、本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:小田 晋吾)は、企業のIT部門やサービスプロバイダの持つデータセンタで深刻化する電力消費と空調コストを削減し、オーバーヒートによるシステムダウンのリスク低減を可能にする新サービス「HPスマート・クーリング・ソリューション」を本日から提供開始します。
「HPスマート・クーリング・ソリューション」は、既存データセンタ向けの「サーマル・アセスメント・サービス」と、新規データセンタ向けの「サーマル・プランニング・サービス」により構成されます。現地調査、データ分析とシミュレーションに基づき、適切なラックと空調設備の配置による冷却効率改善の提案を行い、電力コスト削減とデータセンタの安定稼働を支援します。
<HPの電源&冷却問題への取り組み>
日本HPは、24時間365日完全自動化された次世代のデータセンタの構築実現に向けた「HPアダプティブ・インフラストラクチャ」戦略に基づいて、さまざまな施策に取り組んでいます。ITにとって増加する電源と冷却コストの問題は今後ますます大きくなることが予想され、それを解決するパワー&クーリング(電源、冷却)技術は、アダプティブ・インフラストラクチャを効率的に実現するのに必要な要素のひとつに位置づけられています。
日本HPは、これまで、省電力性に優れたブレードサーバの販売や、性能を落とさずに電力消費を抑制するパワーレギュレータ、消費電力の上限を設定、遠隔管理可能なパワーモニタリングPDUなど、チップからハード、ソフト、設備に至るまで広範なパワー&クーリングの技術を投入してきました。
今回発表した「HPスマート・クーリング・ソリューション」は、企業のIT部門やサービスプロバイダの持つデータセンタ向け冷却ソリューションです。
HPのパワー&クーリングへの取り組みの一環として、データセンタで深刻な問題となっている消費電力総量と単位面積当たりの電源密度の急激な増大、それによる排熱と冷却コストの増加やオーバーヒートによるシステムダウンのリスクを解決し、効率的なデータセンタ運用を提案します。
このようなソリューションの提供は、国内コンピュータベンダとしては初の取り組みであり、日本HPは今後もデータセンタの電源&冷却問題に、より積極的に取り組んでいきます。
<「HPスマート・クーリング・ソリューション」のメリット>
従来のデータセンタの電力コストのうち63%が空調に占められ、IT機器が占めるのはわずか33%に過ぎません。(*1)しかし、適切なラック配置と空調設備の配置による冷却効率改善を行うことにより、空調が占める電力コストを30%程度(*2)削減し、IT機器の電力コストと同程度に抑えることが可能です。
ITコストの観点でみれば、これにより電力コストの削減あるいは、余力のできた電力をサーバへの供給に回すことで、処理能力の高いサーバを導入したり、サーバ台数を増やしたりといった、データセンタの効率運用が可能になります。
また、大量の排熱によるサーバ障害の可能性を減少させ、安定的なサーバ運用を実現します。
また、環境問題の観点では、IT機器の効率的な利用と、消費電力の削減を通じた二酸化炭素削減の両立が可能になります。
*1 出典:Preliminary assessment from Uptime Institute
*2:HP研究所調べ
<「HPスマート・クーリング・ソリューション」のサービス内容>
「HPスマート・クーリング・ソリューション」は、既存データセンタ向けの「サーマル・アセスメント・サービス」と、新規データセンタ向けの「サーマル・プランニング・サービス」により構成されます。それぞれのサービスの概要は、以下のとおり。
・「サーマル・アセスメント・サービス」
「サーマル・アセスメント・サービス」は、既存データセンタの効果的なラック配置、空調機配置を提案することにより、効率的な冷却を実現し、空調が占める電力コストを削減する施策を提案します。
エンジニアによる現地調査、お客様へのインタビュー、データ分析、そしてシミュレーションソフトによるエアフロー分析、温度分布シミュレーションを通して、最適なラック配置、空調設備の配置を提案します。
また、空調設備の故障や定期メンテナンスといったさまざまなケースを想定しシミュレーションを行うことで、その影響度を提示します。
・「サーマル・プランニング・サービス」
「サーマル・プランニング・サービス」は、今後開設・拡張するデータセンタのフロアに効果的なラック配置、空調機配置をご提案することにより、効率的な冷却が実現可能です。
お客様へのインタビューを元に、データセンタのフロアに収納予定のラック数、排熱量からシミュレーションソフトによるエアフロー分析、温度分布シミュレーションを行い、最適なラック配置、空調設備の配置をご提案します。
空調設備の故障や定期メンテナンスなどのケースを想定しシミュレーションを行うことで、その影響度を提示します。
・サービス提供期間
アセスメント開始から調査レポートの提出までは1~2ヶ月程度
・提供概算価格
アセスメント対象範囲によって異なるため、個別見積となります。
参考価格例として、500平米程度のセンタを対象にした
「サーマル・アセスメント・サービス」で400万円~となっています。
<将来展望:「ダイナミック・スマート・クーリング」>
昨年11月に米国で発表された「ダイナミック・スマート・クーリング」は、業界初の高機能な空調管理システムです。各ラックに複数の温度センサーを取り付けて温度センサーネットワークを構築し、これらの収集データを基に流体解析ソフトウェアを使って複数の空調装置の風量をリアルタイムに制御します。
研究所のデータによると、このシステムにより最大40%程度の空調の電力コストを削減できます。
「ダイナミック・スマート・クーリング」は米国で夏以降に出荷可能となる予定で、日本でも将来的に提供予定です。
<NTTファシリティーズとの業務提携のさらなる拡大>
日本HPとNTTファシリティーズは2004年8月から、パワー&クーリングの分野で業務提携を行っており、今回の発表により提携範囲のさらなる拡大を図ります。今回の日本HPのソリューションの提供によって、お客様は、コンピュータベンダならではの視点と、電力のみならず、空調や建築に関する経験が豊富なファシリティインテグレータならではの視点を得ることが可能となります。これにより、最新のIT機器に最適なデータセンタの構築、運用を実現します。
■株式会社NTTファシリティーズからの賛同コメント
NTTファシリティーズ 常務取締役 池辺 裕昭 様
「HPスマート・クーリング・ソリューション」の御発表、おめでとうございます。
NTTファシリティーズは、積極的にパワー&クーリング対策に取り組んでいる日本HPのポリシーに心から賛同致します。
IT機器の電力消費が上昇の一途をたどるデータセンタにおいて、弊社は日本HPと益々協調を深め、今後も高信頼でグリーンなデータセンタ環境をサポートしてまいります。
■「HP スマート・クーリング・ソリューション」に関する製品情報は以下のURLを参照してください。
http://www.hp.com/jp/pandc/
文中の社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
■お客様からのお問い合わせ先
カスタマー・インフォメーションセンター TEL:03-6416-6660
ホームページ:http://www.hp.com/jp/