J.D.パワー、「2006年インドネシア自動車初期品質調査」結果を発表
インドネシアの自動車初期品質、全てのセグメントでトヨタ車がトップ
2006年インドネシア自動車初期品質調査(IQS)
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワーアジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D.パワー)は、2006年インドネシア自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)の結果を発表した。
当調査は、新車購入時から2~6ヶ月間経過した車の所有者を対象に、インドネシアにおける自動車の初期品質を調べるものである。車両性能別に9つのカテゴリーに分類した135項目に関するユーザー不満を、100台当たりの不具合指摘件数として算出する(単位はPP100:Problems per 100 Vehicles、数値が小さいほど不具合指摘が少なく、品質が良いことを示す)。
9つのカテゴリーは「走行性能分野」、「装備品分野」、「シート分野」、「空調関係分野」、「オーディオシステム分野」、「外装分野」、「内装分野」、「トランスミッション分野」、「エンジン分野」である。4回目となる今回の調査は、2006年6月から9月にかけて面接調査を実施し、2005年12月から2006年7月までに新車を購入した2,321人から回答を得た。調査対象となった車両は13メーカーの39モデルである。
◆インドネシアの業界全体で初期品質が低下◆
今回はランキングを実施した4セグメント全てでトヨタのモデルが第1位となった。
プレミアム・コンパクトカー・セグメントでは、新たに市場投入されたトヨタ・ヤリスが82PP100のスコアで第1位となった。第2位はホンダ・ジャズ(134PP100)だった。また第3位には、ヤリスと同様、市場に新投入のスズキ・スイフト(155PP100)が入った。
エントリー・ミッドサイズ/ミッドサイズカーセグメントでは、トヨタ・ヴィオスが103PP100で第1位となった。ヴィオスは前年からスコアを36PP100減らし、今回の調査でランキングの対象となった全モデル中最も大きな改善を見せた。第2位にはモデルチェンジを行った8世代目のホンダ・シビックが入った。スコアはヴィオスと僅差の107PP100だった。第3位はホンダ・シティ(148PP100)だった。
SUVセグメントでは、トヨタ・フォーチュナー(105PP100)が、前回まで2年連続1位だった日産・エクストレイルを抜き、第1位となった。フォーチュナーは今回初めて調査対象となった。一方、エクストレイルは113PP100で第2位に入った。第3位はホンダ・CR-V(120PP100)で、この3モデルが業界平均(128PP100)より不具合指摘が少なかった。
MPVセグメントでは、ランキングの対象となった全てのモデルで不具合の指摘件数が前年より増加していた。その結果、当セグメントの不具合指摘件数の平均は前年の162PP100から197PP100に上昇した。第1位はトヨタ・キジャン・イノバ(148PP100)で、2年連続でトップとなった。以下、ホンダ・ストリーム(189PP100)、スズキAPV(214PP100)が続く。
業界全体では、不具合指摘件数の平均が前年の154PP100 から177PP100に増加している。「シート分野」と「内装分野」を除く全てのカテゴリーで不具合指摘が増えており、特に「走行性能分野」(11PP100増)と「エンジン分野」(5PP100増)の増加が大きい。この2つと「トランスミッション分野」における不具合の指摘が依然として多く、不具合指摘全体の半数以上を占めている。
各カテゴリーの詳細項目では、今回の調査でも前年に引き続き「エンジン分野」における「燃費が悪すぎる」が最も多く指摘を受けた。2005年第4四半期のガソリン価格の高騰によって、顧客は燃料効率に対して一層敏感になっている。購入モデルを選んだ理由として、2005年には6番目に多かった「燃費の良さ」が今回の調査では最も多く挙げられた。このことからも燃料効率の改善がより重要となっていることがわかる。
また、知人の推奨が新車購入の際の情報源として最も多く利用されていることがわかった。61%の顧客が友人や親戚から情報を得たと回答している。ブランドやモデルに対する好意的な口コミ効果のためには、初期品質が重要な役割を果たしている。不具合が当初の予想より少なかった顧客の34%が知人に自分と同じモデルを「必ず勧める」と回答したのに対し、予想より多かった顧客では10%に低下する。
<株式会社J.D.パワーアジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D.パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。