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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.11.Tue
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2007'07.09.Mon

東北大学など、CD38はオキシトシン分泌を調節し動物の社会行動を制御と研究成果を発表

東北大学大学院医学系研究科



CD38はオキシトシン分泌を調節して社会行動を制御する
細胞内情報伝達物質を合成する酵素(CD38)の遺伝子欠損マウスで確認


 東北大学大学院医学系研究科先端再生生命科学(江東微生物研究所)寄附講座、高沢 伸教授、岡本 宏教授(現東北大学監事・名誉教授)らのグループは金沢大学・東田陽博教授らのグループとの共同研究により、CD38はオキシトシン分泌を調節して動物の社会行動を制御することを明らかにした。この成果は英国科学雑誌Nature(ロンドン標準時間2月7日)に掲載予定である。

 東北大学のグループは1993年インスリン分泌の系を用い、サイクリックADPリボースが細胞内情報伝達物質として機能することを明らかにした。そして、1999年にはサイクリックADPリボースを作る酵素であるCD38の遺伝子を欠損したマウスを作製した。今回、金沢大学・東田教授らとこのマウスの詳細な行動観察を行い、CD38欠損マウスでは様々な社会行動異常が見られ、この原因が神経ホルモンの一つで社会行動を調節する可能性が指摘されているオキシトシンの分泌低下であることを明らかにした。

 オキシトシンは脳の下垂体後葉で作られるペプチドホルモンで、分娩時の子宮筋の収縮、出産後の母乳の分泌などの作用が広く知られてきた。最近になり、(1)自閉症患者のオキシトシン濃度が低い。(2)オキシトシン遺伝子、オキシトシン受容体遺伝子を欠損したマウスで社会行動の広範な異常が認められる。(3)オキシトシンの投与によりヒト相互の信頼感が高まる。ことが報告され、オキシトシンと自閉症などの社会行動の異常との関連性が指摘されるようになっていた。

 サイクリックADPリボースはNADから作られる細胞内情報伝達物質で、ホルモン分泌の引き金となる細胞内Ca2+濃度を上昇させる働きを持つ。CD38はこのサイクリックADPリボースをNADから作る重要な酵素である。今回の研究で、(1)CD38欠損マウスでは下垂体後葉でサイクリックADPリボースが低下しているため、細胞内のCa2+濃度が十分に上昇しない。(2)このためオキシトシンの分泌が低下し、血中・脳脊髄液中のオキシトシン濃度が低下している。(3)この結果CD38欠損雌マウスでは保育行動の低下、(4)CD38欠損雄マウスで他の個体を認識記憶する能力(社会認識力)の低下といった社会行動異常が認められる。(5)社会行動の異常は脳室内にCD38発現ウイルスを接種すると正常に回復するが、(6)糖尿病患者で発見された酵素活性の低下した遺伝子変異を持つCD38の発現ウイルスでは回復できない。ことを見出し、CD38がオキシトシンの分泌を調節して、社会行動を制御することが明らかになった。

 東北大学のグループは酵素活性が低下するCD38遺伝子異常の他にCD38に対する自己抗体も見出しており、今後自閉症などの社会行動異常を呈するヒトの精神・神経疾患の原因解明と治療法開発への進展も期待される。

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