NEC、選択肢を選んで適切な情報の絞込みが可能な情報ナビゲーションシステムを開発
面倒なキーワード入力が不要な情報ナビゲーションシステムを開発
~システムが提示する選択肢をクリックするだけで適切な情報の絞込みが可能~
NECはこのたび、大量の情報から必要な情報を検索する際、対象となるコンテンツの内容やユーザの利用状況(場所、時間)などに基づいて、システムが自動的に設定・提示する選択肢を選んでいくだけで、欲しい情報へ効率的に誘導してくれる情報ナビゲーションシステムを開発しました。
このたびのシステムは、次の新技術の開発により実現したものです。
(1)検索対象となるコンテンツにつけられたカテゴリやキーワードの分布、検索実行時点でのユーザの状況(場所や時間など)、ユーザの検索履歴などの情報から、検索対象のコンテンツの中で着目すべきキーワードを自動的に抽出し、「情報を絞り込むためのおすすめ選択肢」として設定する「キーワード動的生成技術」。
(2)提示された選択肢からキーワードが選択されるたびに、さらに情報を絞り込むための選択肢を新たに提示し、ユーザはシステムと対話を続けていく要領でキーワードを選択していくだけで、目的の情報へ到達できる「対話型ナビゲーション技術」。
従来の検索システムでは、ユーザが検索対象に関する知識が十分でないために、適切なキーワードを思いつかなかったり、目的の情報がなかなか見つからずに何度もキーワードや検索条件を設定し直さなければならないなど、欲しい情報にたどり着くまでに時間と手間がかかるという問題がありました。しかし、このシステムは、提示された選択肢の中からキーワードを選択していくだけで検索操作を進めることができるため、簡単な操作で情報を適切に絞り込んでいくことが可能となり、情報検索の利便性を飛躍的に高めることができます。特に、携帯電話やカーナビなどの端末では、面倒なキーワード入力なしに簡単に必要な情報にアクセスできるシステムが実現できます。
当社は、このたび開発した技術を活用して、まず「コンタクトセンター業務サポートシステム」や「グルメ情報検索システム」を開発しました。
1)コンタクトセンター業務サポートシステム
例えば障害事例の検索の場合、「何が(異常箇所)、どうした(症状)」という 関連性を利用してキーワードを抽出します。異常箇所に関するキーワード(用紙など)を選択すると、次は選択されたキーワードに関連した症状に関するキーワード(詰まる、汚れるなど)を選択肢として提示し、検索をナビゲーションしていきます。このシステムを活用することで、膨大なデータの中から最適な事例を効率よく見つけることができるため、お客様からのお問い合わせに対して、迅速な対応が可能になります。1ケ月間にわたる実業務でのテストでは、極めて高い頻度でナビゲーション機能が活用さており、お客様 サポート業務での有効性が確認されています。
2)グルメ情報検索システム
ユーザの検索作業時点の状況(場所、時間、車での移動中かなど)や対象となるコンテンツの内容から判断してシステムが提示してくる選択肢を選んでいくことで、候補を適切に絞り込んでいくことができるため、条件に合ったレストランを簡単に見つけることができます。携帯電話での実証実験では、従来のシステムに比べて検索のやり直しが減るとともにお店の発見率もあがり、さらに発見した情報への満足度も高くなる結果が出ています。
NECはこのたび開発した技術を、ナレッジマネジメントシステム、ECサイト、情報検索ポータルなど、様々な分野に適用していく予定です。特に、コンタクトセンター業務サポートシステムについては、NECフィールディング株式会社の障害事例検索業務への適用実験を進め、2007年度からの実運用に向けた技術改良に取り組んでおります。現場適用の知見を活かしながら、コンタクトセンターソリューションにおける早期製品化を目指して研究開発を強化していく計画です。
以上