日本HP、ソフト事業を「HP Software」ブランドとして再編
日本HP ソフトウェア事業を今後の成長のエンジンとすべく、「HP Software」ブランドとして再編
- マーキュリーとの統合により、IT戦略、開発、運用を連携し、ITをビジネス視点で最適化するBTO戦略を推進 -
日本ヒューレット・パッカード株式会社(略称:日本HP、本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:小田 晋吾)は、エンタープライズ市場で展開している「HPアダプティブ・インフラストラクチャ」戦略の中核として、ソフトウェア事業をさらに強化します。
日本HPは2007年2月1日にマーキュリー・インタラクティブ・ジャパン株式会社(以下マーキュリー)をソフトウェア統括本部に統合しました。これにともない、マーキュリーの日本市場でも事実上の業界標準と評価されるアプリケーション品質、性能管理ソフトウェアと、優れたITやSOA統制ソフトウェアの技術を、HPの運用管理ソフトウェア(HP OpenView)と統合し、製品の販売とサポートを開始しました。また、このHP OpenViewとマーキュリーの製品を統合したソフトウェア製品群を、今後は「HP Software」ブランドとして統一します。
「HP Software」は、企業がビジネスの視点でITを最適化するための統合ITマネジメント戦略であるBusiness Technology Optimization(以下、BTO:ビジネス・テクノロジの最適化)を推進します。BTOは、組織や業務別に個別最適化されていたITを、ビジネスの視点に立って最適化できるように、横断的なIT管理環境とITシステムの戦略立案、構築から運用、廃棄までを含むライフサイクルの管理によって実現されます。
日本HPは、日本市場で、「HP Software」によってBTO戦略をリードし、お客様が、ITを通じてビジネス価値を最大化させ、競合優位を獲得することをサポートします。
<日本HPにおけるソフトウェアの戦略的位置づけ>
日本HPは、エンタープライズ領域の戦略として、「アダプティブ・インフラストラクチャ」戦略を展開しています。24時間365日完全自動化された次世代データセンタにより、激しいビジネス環境に柔軟に、最適なコストで適応できるIT基盤を実現し、お客様のITによるビジネス価値の向上、戦略的IT投資による競合優位獲得をサポートします。ITの継続的な運用、セキュリティの確保、サービスレベルの保証、内部統制の強化などの観点から、この戦略の中で、ソフトウェアは、非常に重要な位置を占めます。
従来日本HPは、HP OpenView製品群により、優れた運用管理環境やサービスレベルの管理、ビジネス判断をサポートするソフトウェアを提供してきました。
今回、マーキュリーのアプリケーション品質や性能を検証・管理する製品群(Mercury LoadRunner, QuickTest Professional, SiteScopeなど)が加わることで、よりITの組織やITシステムのライフサイクルを横断的にカバーする包括的なITマネジメントを行うことができます。これにより、IT投資のコストとリスク、ITサービスの品質と利用者へのサービスレベル、そして最終的にITがビジネスにもたらす成果を総合的に把握することが可能となり、BTOが実現できます。
<「戦略」「開発」「運用」の3つのIT領域を包括するBTO>
「HP Software」の推進するBTOは、以下の3つの領域をカバーする統合ITマネジメント環境を提供することで実現します。
・IT戦略:全社ITの観点でのITプロジェクト管理やSOAの統制
・IT開発:ソフトウェアやシステムの開発から配備にいたる品質保証と性能検証
・IT運用:各システムの運用とITILプロセスに基づく統合的な運用
従来、各部門や各工程で分離していた上記3つの領域について、これらを横断するIT管理環境を提供することで、各領域で保持するデータやIT資産、構成情報、ビジネスプロセスを共有し、導入する資産情報の重複回避や管理の簡素化、統一された規準による開発時の品質、運用時の適切なサービスレベルによるサービスの提供が可能になります。IT投資のコストとリスク、サービスの品質、変更承認プロセス、などを一元的に管理できることで、各組織や各工程は共通のビジネス目標に向けた業務遂行を協調的かつ効率的に達成できます。その結果、ITを最適化し、ITがビジネスにもたらす成果を最大化することが、BTOの目指すことです。
これを実現するために、「HP Software」は以下の3つのライフサイクル・アプローチを取り、具体的な製品群から構成される9つの管理ソリューションを提供します。
<3つのライフサイクル・アプローチ>
「戦略」「開発」「運用」の3つの領域を横断的なライフサイクルとして管理することでBTOを実現するアプローチです。導入に際しては、後述の9つのHP Software Centerを連携、統合することで、各ライフサイクルを支えることになります。ビジネス課題に合わせたライフサイクルの内容および製品連携のパターンとして、以下の3種類を提供します。
・「パフォーマンス/可用性 ライフサイクル」
ダウンタイム発生のリスクを軽減し、ソフトウェアがビジネス要件を確実に満たすことを保証します。開発、検証、運用の各フェーズで性能を管理し、性能問題の原因分析を可能にします。
・「変更/構成 ライフサイクル」
ソフトウェアへの変更要求を発生から運用環境まで管理することで、変更を迅速に行うとともに変更に伴うビジネスリスクを軽減します。
・「ITサービス ライフサイクル」
ITサービスがビジネス指標に則しているかどうかを監視し、全体的にITの適正な配置・配分を行います。また、ITサービスの整合性を把握し、ITビジネスの効果向上をサポートします。
これらのライフサイクル・アプローチにより、組織・工程を横断したプロセスを自動化し、IT全体の状況把握が可能になります。CIOやIT企画・管理責任者がビジネス戦略とITの展開の整合を取りながら、ITコストの削減とリスクを軽減し、ITの最適化を図ることができます。
<9つの管理ソリューション:HP Software Center>
「戦略」「開発」「運用」の3つの領域において、各管理分野に向けたソリューションです。それぞれの領域や分野に特化した課題を解決するために、「HP Software」ブランドのもと、従来のHP OpenViewおよびマーキュリーの製品群を9つの分野に再構成し、HP Software Centerとして提供します。
各HP Software Centerは、機能毎に用意された単体製品の組み合わせにより構成され、製品の連携環境とともに、共通の管理環境(ダッシュボード)や共通化されたデータベースを提供します。また、標準化、オープン化された他社製品と連携できるようにモジュラー化されています。
●「IT戦略」
・HP Project and Portfolio Management Center:デマンド/ポートフォリオ管理(注)
・HP SOA Center:SOAトランスフォーメーション(注)
●「IT開発」
・HP Performance Center:品質保証
・HP Quality Center:パフォーマンス検証
●「IT運用」
・HP Business Availability Center:ビジネスサービス管理
・HP Service Management Center:ITIL/ITサービス管理(ITILプロセス支援、資産管理)
・HP Change and Configuration Center:ITIL/ITサービス管理(変更・構成管理)(注)
・HP Operations Center:統合オペレーション(システム・アプリケーション管理)
・HP Network Management Center:統合オペレーション(ネットワーク管理)
(注):日本において未発売の製品を含みます。今後、今回の統合に伴う「HP Software」の新製品として、SOA管理、プロジェクト・ポートフォリオ管理、アプリケーション・マッピング、変更管理の分野などの製品を、日本において順次提供していきます。(詳細は参考資料をご覧ください。)
<補足:「HP Software」によるBTOのメリット>
「HP Software」のBTO戦略は以下のメリットを提供することで、ビジネス視点でのITの最適化を推進します。
・ITプロジェクトやサービス展開を、リソース、価値、スケジュールの合意に基づき計画・立案することができます。
・ソフトウェア品質を高め、また、変更のリスクを低減することで、内部統制を強化します。
・ITサービスの開発から運用に至るトータル・コストを把握できます。
・エンド・ツー・エンドでのプロセスを自動化、本番環境での障害を削減し、サービス展開を迅速化します。
・高信頼性のビジネス・サービスを合意したSLAで展開できます。
・予算、資産、人材、期間の最適化を図ります。
■本リリースの添付資料
9つの管理ソリューション:HP Software Centerと製品一覧
新旧製品名称の対応表(主要製品のみ)
■「HP Software」に関する情報は以下のURLを参照してください。
http://www.hp.com/jp/hpsoftware/
文中の社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
■お客様からのお問い合わせ先
カスタマー・インフォメーションセンター TEL:03-6416-6660
ホームページ:http://www.hp.com/jp/