J.D.パワー、「2006年インド自動車初期品質調査」結果を発表
インドの自動車初期品質、10年間で上位と下位の差が大幅に縮小
2006年インド自動車初期品質調査(IQS)
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワーアジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D.パワー)は、2006年インド自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)の結果を発表した。
当調査はインドの新車ユーザーを対象に、購入後2~6ヶ月間における車両の初期品質を調べるものである。車両性能別に9つのカテゴリーに分類された不具合135項目について、実際に経験したものをユーザーに指摘してもらい、100台当たりの不具合指摘件数として算出する。単位はPP100(Problems per 100 vehicles)で、数値が小さいほど不具合指摘が少なく品質が良いことを示す。
9つのカテゴリーは「走行性能分野」、「装備品分野」、「シート分野」、「空調関係分野」、「オーディオシステム分野」、「外装分野」、「内装分野」、「トランスミッション分野」、「エンジン分野」である。10回目となる今回は2006年1月から7月の間に新車を購入した人を対象に、2006年7月から9月にかけて面接調査を実施し、5,000人以上から回答を得た。調査対象となったのは、11ブランド37モデルである。
◆ホンダが2セグメント、フォード、マルチ、トヨタがそれぞれ1セグメントでトップ◆
当調査を初めて実施した1997年からの10年間で、新車の初期品質が業界全体で改善し、初期品質の上位グループと下位グループの差が大きく縮小していることが明らかになった。不具合指摘件数が最も少なかったモデルと最も多かったモデルのスコアの差は1997年には572PP100だったが、今回の2006年調査では208PP100となった。
10年間で差は約64パーセント縮小している。インド自動車業界は国内市場におけるシェアの拡大と同時に輸出にも注力してきた。そのような中、顧客の支持を得て成功するために初期品質の向上が不可欠となっている。
今回の調査で新車ユーザーから最も多く指摘を受けた項目は「燃費が悪すぎる」だった。特に、実際の燃料効率がディーラーから聞いた説明よりも低いと感じた人からの指摘が多かった。どのセグメントにおいても、ディーラーが燃料効率を誇張して話した場合、それにより車両性能に対するユーザーの期待が大きく高まることがある。
実際の車両性能がユーザーの期待に応えられないと満足度が低下することとなる。ユーザーに燃費について説明する際には、メーカーやディーラーは現実的な燃費水準を伝え、実際の燃費が期待以下という好ましくない状況を作らないことが重要といえる。
また、買い替えで新車を購入したユーザーは、今回車を初めて購入したユーザーに比べて不具合に対してより敏感であることがわかった。買い換えたユーザーの不具合指摘件数は、初めて購入したユーザーに比べて平均21PP100多かった。
セグメント別ランキングのコンパクトカー・セグメントでは、マルチ・ゼン(旧モデル)が84PP100で第1位、ヒュンダイ・サントロが136PP100で第2位となった。
エントリー・ミッドサイズ・セグメントでは、フォード・アイコンが97PP100で4年ぶりに第1位となった。第2位はマルチ・エスティームで、スコアは前回調査から37PP100改善し107PP100だった。
ホンダのモデルが5つのセグメントのうち2つでトップに立った。ミッドサイズカー・セグメントでホンダ・シティが83PP100で第1位となり、プレミアム・ミッドサイズカー・セグメントで、今回初めて調査対象になったホンダ・シビックが第1位となった。シビックのスコアは60PP100で、すべてのセグメントを通じて最も不具合指摘が少なかった。
MUV、SUV、MPVとバンが対象のユーティリティービークル・セグメントでは、トヨタ・イノーバが119PP100で第1位に、シボレー・タベラが132PP100で第2位になった。当セグメントでは、すべてのモデルで前年から不具合指摘が減少しており、その結果、業界全体で初期品質が最も向上したセグメントとなった。さらに当セグメントのタタ・スモー(156PP100)は9つのカテゴリーすべてで不具合指摘が減っており、すべてのセグメントを通じて最もスコアが改善していた。
<株式会社J.D.パワーアジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://www.jdpower.co.jpまで。
<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズ(NYSE:MHP)は、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D.パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280カ所以上の拠点を有し、2006年の売上高は63億ドルにのぼる。詳細はウェブサイトhttp://www.mcgraw-hill.comまで。