IDC Japan、2006年国内サーバー市場動向を発表
2006年国内サーバー市場動向を発表
・2006年の市場規模は、前年比2.6%減の6,741億円、3年連続の微減に
・日本IBMが3年連続の首位を確保、2位富士通が肉薄し、ほぼ並ぶ
・2006年第4四半期は前年同期比5.5%減、x86サーバーの失速が響く
IT専門調査会社 IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、2006年通年および2006年第4四半期の国内サーバー市場動向を発表しました。
2006年の国内サーバー市場規模は6,741億円となり、前年と比較して2.6%縮小しました(図1)。2004年は前年比1.7%減、2005年は同2.1%減でしたので、3年連続で微減にとどまったことになります。また、2006年通年の出荷台数は61万台で、前年比7.8%増でした。2004年、2005年は2桁成長でしたが、3年連続の2桁成長はなりませんでした。
2006年の国内サーバー市場は、2004年および2005年と同様に下げ止まり傾向を示しました。x86サーバーが引き続き好調であり、出荷金額で前年比3.1%、出荷台数で同9.2%の成長を達成しました。IDC Japanサーバー グループマネージャー 中村 正弘は「x86サーバーの需要は2006年も強かった。ただし、下半期は、やや息切れし、出荷台数の伸び悩みがみられた。単価下落の速度は2005年と変わっていないので、出荷台数が頭打ちになると苦しくなる。その一方で、上位ベンダーとそれ以外のベンダーの差が開き始めた。これらの観点から、2007年はx86サーバー市場にとって大きな転換点になる可能性がある」と指摘しています。
また2006年は、メインフレームやビジネスサーバーといったプロプライエタリ製品が堅調であり、両製品とも前年並の出荷金額を確保しました。特にメインフレームは官公庁向けの大型更新案件が集中しました。一方、RISCサーバーとIA64サーバーの合計出荷金額は、前年より13.4%減少しました。2004年、2005年は好調でしたが、その反動が大きく現れました。
ベンダー別では、日本IBMが3年連続の首位を堅持しました(図2)。ただし、獲得シェアは2005年と同じで、2位の富士通との差はわずか0.1ポイントでした。「日本IBMと富士通の差は、2005年はメインフレームの大型機2台程度だった。これが2006年は大型機1台の差に縮まった。両社は、ほぼ並んでいるとみたほうがよい」と中村 正弘は述べています。また、NECは上位ベンダーで唯一、前年よりも出荷金額が増加しました。同社はx86サーバー市場で圧倒的な強さを示しました。この結果、NECは3位の日本HPに対して0.5ポイント差に迫りました。
2006年第4四半期(10-12月)のサーバー市場規模は1,522億円で、前年同期比5.5%減でした。出荷台数は14万4,000台で前年同期比成長率は1.9%でした。出荷台数の成長率は2006年第3四半期の6.8%から、さらに下がりました。
2006年第4四半期は、メインフレームが健闘し、ほぼ前年同期並の出荷金額を確保しました。これに対してx86サーバーは、出荷金額が前年同期比3.5%減となり、2003年第1四半期以来のマイナス成長に終わりました。出荷台数も同2.8%増と、小幅の伸びにとどまりました。大手民間企業による大口案件が目に見えて減るなど、新規需要が一巡したためとIDCではみています。
ベンダー別では、日本IBMが2期ぶりに1位に復帰しました(図3)。前期1位だったNECは3位に後退しました。2位は日本HP、4位は富士通でした。2006年は、上位4社の順位の変動が激しい年となりました。
注:上記「x86サーバー」は、x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバーです。Itaniumプロセッサーを搭載したサーバーやベンダー独自OSを搭載したサーバーはx86サーバーに含めません。「RISC&IA64サーバー」は、Itaniumプロセッサーを採用しオープン系のOSを搭載した「IA64サーバー」とRISCプロセッサーを採用し主にUNIXを搭載した「RISCサーバー」の合計です。「ビジネスサーバー」は、オフコンなど、メインフレーム以外のプロプライエタリ系サーバーです。
<参考資料>
※添付資料を参照
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