STマイクロ、インドの主要大学と最先端技術の研究イノベーション・ラボを設立
STマイクロエレクトロニクスが
インドの主要大学とのパートナーシップを拡大し
研究イノベーション・ラボを設立
インドの学生が最新のチップ設計技術に関する
貴重な実務経験を積む機会を拡充
世界最大の半導体メーカーの1つであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、インドの主要工科大学であるBITSピラニ校およびIITデリー校の2校と共同で最先端技術の研究イノベーション・ラボを設立することを発表しました。このパートナーシップ締結の狙いは、STの最先端エレクトロニクスにおけるスキル/能力と両校の教育者/研究者というそれぞれの長所を結び付けることです。両ラボは、2007年第2四半期までに稼働を開始する予定です。
これらのパートナーシップの主要目的は、教員、学生、およびST担当者が参加する研究プロジェクトを実施することにより、学生へのVLSI(VLSI(超大規模集積))設計および組込みシステムに関する知識の普及を促進することです。
当初の重点研究分野は、組込みソリューションの汎用IP(知的財産)ブロックのほか、VLSI分野のアナログ/ミックスド・シグナル設計、画像/音声パターン認識、感覚器官モデリング、アルゴリズム研究におけるデジタル・データ保護などです。
ST側は、新設されるラボに必要なハードウェア、ソフトウェア・ツール、リファレンス・ボードを提供します。また特定分野のプロジェクトの成功に必要とされる技術パラメータも提供します。大学側は、キャンパス内に必要なスペースを提供し、パートナーシップ活動に参加する教員メンバーを任命します。学生および研究者は、STと大学が共同で定義した研究プロジェクトに取り組みます。
STには、世界各国の大学と協力して若い技術系人材育成のための長期プログラムに取り組むなど、世界中の主要な教育機関や研究機関と緊密に協力してきた長い歴史があります。
STの新興成長市場地区担当副社長兼インド設計センターのディレクタであるVivek Sharmaは、こうしたパートナーシップの相互利益を強調しながら次のようにコメントしています。「STインドは、20年前に活動を開始して以来、STの世界的成功に大きく貢献する存在にまで成長しました。現在ではSTのVLSI設計/ソフトウェア研究開発の約15%を担っています。今回、両校の研究力と豊富な人材を活用して当社の研究開発活動を拡大する機会が得られたことに非常に嬉しく思っています。このパートナーシップにより、業界での経験や知識と学問の世界との結び付きが一層深まり、有意義な研究が促進され、ひいては一般教育や特にハイテク教育において教育機関全体のエコシステムが促進されるものと確信しています。」
IITデリー校理事長であるSurendra Prasad氏は、この戦略的パートナーシップについて次のようにコメントしています。「システム・ソリューションの世界的リーダーであるSTと協力できることを喜ばしく思います。インド経済の急速な拡大に伴い、学界と産業界との協力関係をこれまでになく強化することが急務となっています。今回のコラボレーションは、本校の学生にいくつかの難易度の高い最先端技術分野に取り組む機会を与え、彼らの専門的能力の向上に必ずや役立つことと思います。」
BITSピラニ校副学長兼理事長であるL.K. Maheshwari氏は、次のようにコメントしています。「今回、STとの協力関係を拡大することができ、心より感銘してます。BITSとSTは約10年にわたる協力関係にあり、BITSの学生はそれに伴いノイダとバンガロールにあるSTのラボで6カ月間のインターンシップ(実務研修)プロジェクトに従事しています。今回のイニシアチブにより、本校の学生がBITS在学中に研究プロジェクトに着手するための環境整備がさらに進み、STとBITSの教員の指導の下、参加学生が自らの視野を広げると同時に、業界全体の利益となりうる革新的なソリューションを生み出すことができるものと確信しています。」
STと両校の間の覚書は、2007年2月14日にムンバイにおいて、イタリアのロマーノ・プローディ首相とインドのカマル・ナート商工大臣の出席の下、締結されました。
追加情報
新設される共同ラボの重点研究分野は、コンピュータによる自然言語の自動認識/分析/内容抽出、人間の感覚器官のコンピュータ・モデリングによる自然コミュニケーション・パターン(画像、音声、音響など)の機械認識、セットトップ・ボックスや携帯電話機をはじめとする非常に複雑なマルチメディア端末のハードウェア / ソフトウェア開発、データ・ソースの真正性および関係者のみの利用を保証するデジタル・データ・コンテンツ保護手段である電子透かし技術などです。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
BITSピラニ校について
ビルラ理工大学(BITS)ピラニ校(ラジャスタン)は、インドを代表する高等教育機関の1つです。BITSの第一の創立趣旨は「優れた発想、方法、技術、および情報を創造し、実践する能力と意欲を備えた若者を養成する」ことです。
同校は、著名な実業家で、インド独立運動に参加し、インド建国の父である故モハンダス・カラムチャンド・ガンジー(マハトマ・ガンジー)氏とも親交があった創立者である故G.D. Birla氏の夢の実現です。1900年代初頭に小さな学校として開学し、一般教養から工学に至るまでの高等教育専門学校群を擁するまでに発展した1964年、それらのすべての専門学校を合併してインドでも有数の国際的地位を持つ総合大学になりました。同校の正式名称はビルラ理工大学ピラニ校で、一般にはBITSピラニ校として知られています。
インド工科大学について
インド工科大学デリー校は、インドにおける科学工学技術高等教育および研究開発の中核的拠点として創設された7校の工科大学の1つで、その他にカーンプル校、カラグプル校、マドラス校、ムンバイ校、グワーハーティー校、およびルルキー校があります。1961年に工科大学として設立された後、「1963年(修正)技術研究機関法(Institutes of Technology (Amendment) Act,1963)」の下、国家的重要性を持つ大学(Institution of National Importance)として宣言され、「インド工科大学デリー校」と改名されました。その後、教育方針の決定、試験の実施、および学位の授与を独自に行う権限を持つみなし総合大学の地位が与えられました。
同校の礎石は、1959年1月27日に英国エディンバラ公フィリップ殿下によって設立されました。1961年8月21日に、後の科学研究文化担当相(Union Minister for Scientific Research and Cultural Affairs)であるHumayun Kabir教授によって落成式が行われ、1968年3月2日に後のインド大統領であるZakir Hussain博士によって大学施設が正式に公開されました。