京セラ、幅広い被削材の溝入れ加工に適した切削工具「PR1115」を発売
新材種と新コーティングにより従来品比約2倍の長寿命化を実現
中・高速での溝入れ加工に最適な切削工具 『PR1115』 新発売
京セラ株式会社(社長:川村 誠)は、機械工具事業において、一般鋼からステンレス鋼にいたる幅広い被削材の溝入れ加工に適した切削工具「PR1115」を開発し、3月8日より本格販売を開始しますのでお知らせいたします。
本製品は、新開発の微粒超硬合金と、新FS(ファインサーフェス)PVDコーティングの採用により、従来品比約2倍の長寿命化を実現しています。
■商品概要
製品名 溝入れ加工用新PVDコーティング工具 PR1115
型番数 チップ205型番
加工用途 精密溝入れ加工
生産拠点 鹿児島川内工場
発売日 2007年3月8日
価格帯 @2,310~4,095円(税込)
販売目標 1億円(初年度)
■開発の背景
近年、自動車部品や産業機械部品の溝入れ加工においては、面粗度や寸法精度の向上といった加工の高品質化、高速加工による作業時間の短縮や工具の長寿命化による生産性の向上とコストダウンが求められています。これらの実現には、工具の摩耗による加工品質の低下や欠損トラブルを防止する新たな材種の開発が不可欠となります。このたび京セラでは、耐摩耗性と耐欠損性を向上させた新材種を開発しこれを用いた溝入れ工具を本格的に販売開始いたします。
■製品の特長
中・高速での溝入れ加工に最適な「PR1115」は、新開発の微粒超硬合金とFS PVDコーティングの採用により従来品比約2倍の長寿命化を実現し、ユーザーの生産性向上とコストダウンに貢献します。
新開発の微粒超硬合金を採用
従来よりも金属量を大幅に減少させることにより、高い硬度と高速加工の際に課題となる工具刃先の温度上昇に対しても優れた耐酸化性を実現しました。しかも組成粒子を大きくすることにより、同時に高い靭性も実現しています。これらにより、高硬度と高強度を兼ね備え、耐摩耗性と耐欠損性に優れた微粒超硬合金の開発に成功しました。
新開発のFS PVDコーティングを採用
TiAlN(窒化チタンアルミニウム)系のPVDコーティングであるFSコーティングは、表面平滑性と耐摩耗性に優れ、しかも高温安定性にも優れたコーティングです。このたび、京セラでは、独自のコーティングプロセスの改善により、従来より緻密で微細な組織によって被膜硬度を高めるとともに母材との密着力を高めることが可能となりました。これにより、高速加工や断続加工といった負荷の高い条件下でも耐摩耗性に優れた新FS PVDコーティングを実現しました。