武田薬品、英バイオベンチャー「パラダイム社」を買収
武田薬品によるパラダイム・セラピューティック社の統合について
当社は本日、英国のバイオベンチャーであるパラダイム・セラピューティック社(英国、ケンブリッジ、以下"パラダイム社")と、同社買収に関する契約について合意しました。関連手続きは数週間以内に完了する見込みであり、その後、パラダイム社は当社の100%子会社である武田ヨーロッパ・ホールディングス有限会社の子会社となります。なお、本買収契約にかかる経済条件は公表しておりません。
1999年にケンブリッジ大学の研究者により設立されたパラダイム社は、遺伝子組み換え技術を基盤として、世界的レベルの創薬ターゲット同定・評価能力を有しています。同社は、疼痛、中枢神経系疾患、前立腺ガン・乳ガンなどのホルモン依存性疾患、糖尿病・高脂血症・肥満などの代謝性疾患を重点領域と位置付け、アンメット・ニーズを満たすため新規創薬ターゲットおよび化合物の創製に取り組んでいます。
当社では、パラダイム社の持つ技術がゲノム研究由来の創薬ターゲット候補の選択、ヒトの病態を反映したモデル動物の確立、前臨床段階にある候補化合物の最適化、など様々な研究プロセスの加速化につながるものと考えています。
パラダイム社最高経営責任者Alastair Riddellは、「2005年に開始した中枢神経系疾患領域における共同研究を通じて、武田薬品と有意義な関係を構築してきたことが、今回の合意に結びついたものです。長期的視点に立ち、グローバルに事業を展開する武田グループの一員として、今後、創薬研究活動に携わっていくことを嬉しく思います」と述べています。
当社代表取締役社長 長谷川閑史は、「最先端技術を持つパラダイム社の統合により、当社は日・米・欧、さらにパラダイム社が子会社を有するシンガポールに研究拠点を有することになります。このグローバルな研究基盤の整備と各拠点における世界トップレベルの生産性・効率性の追求を通じて、成長の源泉としての研究開発パイプライン強化、さらには当社が目指す真の世界的製薬企業の実現に邁進してまいります」と述べています。
*注:パラダイム社および同社のシンガポール子会社はそれぞれ、「武田ケンブリッジ株式会社」、「武田シンガポール有限会社」と名称を変更いたします。
<パラダイム社について>
パラダイム社は、創薬研究に従事するバイオベンチャーで、英国ケンブリッジとシンガポールバイオポリスに拠点を有しています。2004年12月にAmedis社を買収、2006年6月にはOrtho McNeil社との共同研究も開始しています。
以上