NEC、一芯双方向伝送用途の小型光トランシーバを開発
世界最小の一芯双方向光トランシーバを開発
~業界標準サイズに2チャンネルを収容~
NECはこのたび、一芯双方向伝送用途の世界最小光トランシーバ(注1)を開発しました。新製品は平面光回路技術(注2)というNEC独自技術の採用により実現したもので、業界標準仕様であるSFP(注3)及びSFF(注4)の外形サイズに世界で初めて、2チャンネル分の一芯双方向光トランシーバを収容しているため、光アクセス装置の大幅な小型化に寄与するものであります。
近年、FTTx (注5)の需要急拡大に伴い光アクセス装置に実装する光トランシーバの数量が大幅に増加しております。特に加入者と局社間を1:1で接続する光アクセスシステムでは、加入者数に応じた数量の光トランシーバを光アクセス装置に実装する必要があります。このような状況の中で、ユーザからは光アクセス装置の設置面積を削減するために、光トランシーバの小型化を求める声が高まっております。NECではこのような市場ニーズに対応するため、2種類の新製品「Compact SFP光トランシーバ」及び「Compact SFF光トランシーバ」を開発いたしました。
今回開発した光トランシーバについては、パッケージサイズ、ピン配置、スペックなどについてマルチソース化を計画しており、現在、株式会社フジクラ殿とその内容について詳細を検討しております。
新製品は本年6月からの出荷を予定しております。また来年度の販売目標を3億円としております。
新製品の特長は次の通りです。
1. 世界最小:
Compact SFP光トランシーバは業界標準仕様(縦56.5×横13.8×厚さ8.5mm)サイズに、世界で初めて2チャンネル分の一芯双方向光トランシーバ機能を集積化。
また、Compact SFF光トランシーバは1チャンネル単位で製品化をしており、1チャネル版は従来の標準仕様に対して1/2のサイズである縦49.5×横7.3×厚さ9.8mmを実現。また、Compact SFFは容易に組み合わせることが可能な構造としており、2チャンネル、4チャンネルへのマルチチャンネル化が可能。
2. 業界標準に準拠:
光および電気仕様はIEEE802.3ah勧告(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)の中の100Base BX、及び1000Base BXの仕様に対応しており、業界標準に準拠。
3. 既存のケージ、電気コネクタを使用可能:
Compact SFPは業界標準仕様と同一の外形サイズとすることにより、既存のSFP用ケージに対応。また、SFPの業界標準仕様と同一の20ピンの出力ピン数とすることにより、既存のSFP用電気コネクタにも対応。
NECでは1992年から平面光回路技術を適用した光モジュール製品の研究開発を手がけており、光学技術や高密度実装技術ノウハウを蓄積してまいりました。新製品はこうした蓄積技術に加え、LSI化や精密加工技術など高度な要素技術の集積により実現したものであります。
当社は今後もこうしたブレークスルー製品の開発に努めていく考えであります。
新製品は2007年3月27日から米国、Anaheimで開催予定のOFC 2007(Optical Fiber Communication Conference and Exposition)において、NEC FOT(NEC Fiber Optech Inc. )ブースに展示を予定しております。
以上
(注1)
電気信号と光信号を双方向に変換する回路モジュール
(注2)
PLC(Planner Lightwave Circuit)
(注3)
着脱可能な光モジュールの標準仕様、Small Form Factor Pluggable
(注4)
光モジュールの標準仕様、Small Form Factor
(注5)
Fiber To The x、光ファイバによる有線通信においてユーザ宅向け通信方式の総称
<製品に関する問い合わせ先>
光デバイス事業部
電話:04-7185-7422
Fax:04-7185-7926