ロート製薬など、「ボーンペップ」とカルシウムの共投与により骨成長を促すことを確認
ロート製薬とバイオベンチャー企業「ファーマフーズ」の共同研究
骨評価模擬試験で、骨の成長促進成分“ボーンペップ(TM)”とカルシウムの共投与により骨成長を促すことを確認
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:山田邦雄)と株式会社ファーマフーズ(本社:京都市、社長:金武祚)は、骨の成長促進成分「ボーンペップ(TM)」に関する共同研究を続けてまいりました。その結果、「ボーンペップ(TM)」とカルシウムを同時に投与すると、骨成長を促進することを確認しました。さらに、「ボーンペップ(TM)」とカルシウムの共投与により、「骨密度」及び「骨強度」を高める傾向がみられたことから、これらについても今後、検討を進めていく予定です。
尚、この成果は今後、ロート製薬の機能性食品に応用する予定です。
1.研究の背景
ロート製薬は2006年5月に開所した新研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都(以下、RVK)」を、多様な知が一つ屋根の下で集結する「ビレッジ=集合型」の研究拠点と位置づけ、様々なベンチャー企業や研究グループと共同研究を推進してまいりました。一方、株式会社ファーマフーズ(以下、ファーマフーズ)は、研究開発型のバイオベンチャー企業として機能性食品素材を中心とする開発事業を推進してまいりました。
その中で両社は2005年9月に共同開発ならびに資本提携に合意して以来、共同研究を進めてまいりましたが、ファーマフーズのRVK入所を機にその動きを加速させてきた結果、今回の成果に至ったものです。
2.「ボーンペップ(TM)」について
「ボーンペップ(TM)」はファーマフーズが開発した卵黄から抽出したペプチドです。骨の成長促進成分として、骨に対する効果が確認されています。
3.研究の成果
成長期ラットに低カルシウム食を与え、コントロール群(低カルシウム食のみ)、カルシウム投与群(低カルシウム食にカルシウムを投与)及びカルシウム+ボーンペップ投与群(低カルシウム食にカルシウム+ボーンペップを投与)を設定して各評価を実施しました。その結果、ボーンペップとカルシウムを共投与することにより、頸骨の伸長を促進し、骨密度及び骨強度を高める傾向がみられました。下記に具体的な結果を示します。
[ 結果1 ] ボーンペップとカルシウムの共投与により、骨成長を促すことを確認
低カルシウム食を与えた成長期ラットにカルシウムを摂取させると(カルシウム投与群)、頸骨伸長の傾向はみられましたが有意な差はみられませんでした。しかし、カルシウムにボーンペップを加えて投与(カルシウム+ボーンペップ投与群)したところ、有意な頸骨伸長が確認されました。
[ 結果2 ] ボーンペップとカルシウムの共投与により、「骨密度」を高めることを確認
マイクロCTを用いて大腿骨の観察を行ったところ、カルシウム投与群及びカルシウム+ボーンペップ投与群の骨密度は、コントロール群より明らかに高いことが確認できました。また、カルシウム+ボーンペップ投与群は、カルシウム投与群よりも骨密度が高い傾向がみられました。
[ 結果3 ] ボーンペップとカルシウムの共投与により、「骨強度」を高めることを確認
大腿骨の骨強度を測定したところ、骨の強さの指標である最大荷重は、カルシウム投与群及びカルシウム+ボーンペップ投与群で、コントロール群より明らかに高くなることが確認できました。また、骨の軟らかさの指標である破断変位は、カルシウム+ボーンペップ投与群においてのみ、コントロール群と比較して有意に低値を示しました。
(※ 結果1~3の詳細は添付資料を参照してください。)
尚、本研究成果は日本農芸化学会2007年度大会(2007年3月24~27日、東京都)ならびに第4回日本小児栄養研究会(2007年3月17日、大阪府)にてロート製薬とファーマフーズが共同で発表する予定です。