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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.04.Tue
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2007'08.14.Tue

花王、有機酸の一種PTSに「うねり」を緩和し髪にツヤを与える効果など研究成果を発表

加齢とともに増える、髪の悩み「ツヤがない」を、細胞レベルのアプローチで解決 

■美髪の象徴「天使の輪」が失われ、ツヤが低下。原因は毛髪の「うねり」
■「うねり」の原因を細胞レベルで解析し、2種類の細胞の偏りを発見
■有機酸の一種PTSに、「うねり」を緩和し、ツヤを与える効果 
 

 花王株式会社(社長・尾崎元規)ヘアケア研究所は、加齢にともなう髪の変化について研究を進めてきました。美しい髪は「ツヤのある髪」とも表現され、これは光の反射によって生み出されます。髪にツヤがあると、光を反射する部分と反射しない部分の境界がくっきりして反射光も強くなり、「天使の輪」と呼ばれる光の輪ができます。これまでに加齢によって髪に「ツヤがない」という悩みが増加することが分かっており、このほど、加齢にともなう髪のツヤの変化に焦点を当てて、ツヤの計測評価を行い、その原因と対策を検討して以下を明らかにしました。

 (1)髪のツヤを数値化する独自の計測方法を開発し、加齢とともにツヤが低下することを確認。
 (2)ツヤ低下は、加齢とともに増える毛髪の「うねり」が原因。
 (3)毛髪の「うねり」は、毛髪内部を構成する2種類の繊維状細胞の偏りによって発生。
 (4)有機酸の一種PTSに、「うねり」を緩和し、髪にツヤを与える効果あり。

 本成果は、今春発売予定のヘアケア商品に応用していきます。
 また本研究成果は、アジア化粧品技術者会(2007年3月7~9日、シンガポール)で発表し、さらに日本化学会(2007年3月25~28日、大阪)で発表いたします。 

■研究背景 
 花王株式会社では、加齢にともなう髪の変化について、多くの調査・研究を実施してきました。毛髪の形状に関する研究では、女性では30代後半以降、男性では10代後半以降から、加齢にともなって毛髪が細くなっていくことを見出しました(男性1,177名、女性18,262名、1987年調査:香粧会誌、Vol.12 No.3、192-197,1988)。毛髪内部の研究では、加齢とともに毛髪内部の遊離脂質が減少することを確認しました(Lipids,Vol.41,No.2,197-205,2006)。

 また2005年に行った毛髪の悩みアンケート(首都圏女性1,500名、10~50代)では、「白髪」についで、「ハリコシ・ボリュームがない」「ツヤがない」といった悩み項目が、加齢とともに急増している実態が明らかにされました。「ハリコシ・ボリュームがない」という悩みは、前記の調査結果から、加齢にともなって毛髪が細くなることが関与していると考えられます。
 しかし、「ツヤがない」という悩みと加齢との関係については、定量的に評価した例はほとんどなく、その原因も不明でした。そこで今回の研究では、加齢にともなう髪全体のツヤについて計測評価で確認し、その原因を調べました。またその知見に基づき、髪のツヤを向上する剤を探索しました。

■研究成果 
(1)加齢にともなって髪のツヤが低下
 6ヶ月以内にパーマをかけていない女性230名を対象に、髪全体を見たときのツヤについて官能評価と計測による数値化を行いました。その結果、加齢にともない、くっきりしたツヤから乱れたツヤに変化して「天使の輪」が不明瞭になること、計測したツヤ値が20代と比較して50代で約2割、60代で約3割、低下していることが分かりました。

(2)ツヤ低下の原因は、加齢にともなう毛髪の「うねり」が発生
 髪全体にツヤがなく乱れてみえる原因を探るため、上記女性230名の毛髪を採取し、毛髪の曲がりの程度をカール半径により計測しました。その結果、曲がりが強い「うねり」をもつ毛髪の発生頻度は、10代(36%)から60代(75%)へと、加齢とともに増加していました。また「うねり」が多いと毛髪がそろって並ばず髪全体の表面も乱れるため、ツヤの低下と乱れが起きていました。
 以上より、加齢とともに髪全体のツヤがなくなり乱れてみえる原因は、毛髪の「うねり」発生が一因であることが分かりました。

(3)毛髪を形成する細胞の分布変化
 毛髪の約85%は内部にミクロな繊維を含むコルテックス細胞と呼ばれる細長い細胞で構成され、この細胞には「繊維が平行に並んだ細胞」と「繊維がスパイラル状にねじれて並んだ細胞」の2種類があります。
 「うねり」の発生原因を探るため、「うねり」をもつ毛髪と「直毛」について、染色による可視化により2種類の細胞の存在状態を調べました。その結果、2種類の細胞の分布状態が、「うねり」に関係していることを明らかにしました。「直毛」の場合は、2種類の細胞が同心円状に分布していました。これに対し「うねり」をもつ毛髪では、2種類の細胞の分布が偏っていました。
 また、2種類の細胞の偏り程度を、東京大学大学院新領域創成科学研究科・雨宮慶幸教授らと共同で、大型放射光施設SPring-8*を使用し、マイクロビームX線小角散乱法で調べました。その結果、2種類の細胞の分布の偏りは年齢とともに大きくなり、それに伴って毛髪の「うねり」が強くなることが分かりました。

*SPring-8:財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)が管理運営している大型放射光施設です。X線の強さ(輝度)は、世界最高(従来のX線発生装置の約1億倍)で、巨大分子の詳細な立体構造解析などができます。

(4)PTSが、「うねり」を緩和し、ツヤ改善
 髪のツヤを向上する剤を探索し、有機酸の一種PTSを配合したシャンプーとコンディショナーを使用すると、毛髪の「うねり」が緩和され、これにより髪のツヤが向上しました。

■研究方法 
●毛髪・毛根の加齢変化の実態研究
【調査期間】 
 2006年4月 
【調査対象】 
 インフォームドコンセントが得られた過去6ヶ月以内にパーマをかけていない女性230名、10~70歳、首都圏在住。
【髪全体のツヤ評価】 
 シャンプーで洗髪・乾燥後、専門家により官能評価。また頭部後ろ側を撮影し、画像のRGBデータよりL値(明度)を計算し、最もL値の高い天使の輪の部分とその周辺部との差をツヤ値とした。 
【毛髪「うねり」評価】 
 頭頂部付近から採取した毛髪10本について、カール半径により毛髪の曲がりの程度を計測。カール半径4cm以下の曲がりをもつ毛髪を、「うねり」があると判定。 

●2種類の細胞の分布と毛髪形状の関係比較
【調査期間】 
 2006年5月 
【調査方法】 
 上記被験者の毛髪を、マイクロビームX線小角散乱法(SPring-8を使用)により、毛髪内部の2種類のコルテックス細胞の分布状態を定量化。 

●有機酸PTSによるうねり緩和効果
【調査期間】 
 2006年6月 
【調査方法】 
 毛髪に「うねり」をもつ女性を被験者に、髪を左右半々に分けた。片方はPTS配合のシャンプーとコンディショナー、もう片方は無添加のシャンプーとコンディショナーを用い、2週間連用に相当する条件で処理。 

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