STマイクロ、大型LCD市場向けカラム・ドライバICを発表
STマイクロエレクトロニクスは、
急成長を続ける大型LCD市場向けにカラム・ドライバICを発表
STのシンガポール・デザイン・センターで開発された、新しいLCDカラム・ドライバICにより、TVメーカーの開発期間を最小化とアジア地区における大画面LCD TVへの需要に対応
STマイクロエレクトロニクス(http://www.st-japan.co.jp/、NYSE:STM、以下ST)は、急成長を続ける大型LCD TV市場に向けた、同社初のカラム・ドライバICの開発に成功したことを発表しました。*シンガポールにある同社のアジアパシフィック・デザイン・センター(APDC)で開発されたSTD8420CとSTD8420Aは、STの新しい大型LCDドライバ・ファミリにおける最初の製品です。現在、主要顧客にサンプルを出荷開始しており、その中には台湾の大手ディスプレイ・メーカーであるChunghwa Picture Tubes Ltd.(CPT)も含まれています。
コンピュータ用モニタに広く使用されているLCD(液晶:Liquid Crystal Display)は、大型LCDパネルの価格が下がり続けていること、以前のような性能上の制約が克服されてきている状況に伴い、フラット画面TVへの採用が拡大しています。大画面LCD TVの需要は、とりわけ韓国、中国、台湾、日本などでHDTV(高品位テレビ)サービスの開始とともに急速に伸びており、多くの消費者が、CRT(ブラウン管)テレビから買い換えています。市場調査会社のiSuppliは、2007年上半期の大型LCDパネルの売上げが、通常の季節パターンとは異なり2006年末と比較しても増加し続けると予測しています。
新デバイスは、ナショナル セミコンダクター社からライセンスを受けたPPDSR(ポイント・ツー・ポイント差動信号方式)ディスプレイ技術を使用しており、LCDパネル内の相互接続を大幅に簡略化し、必要なカラム・ドライバ信号の総数を減らします。それにより、メーカーは映画品質の表示性能を提供しながらTV画面周囲のベゼルを物理的に最小化します。この技術を新しいLCDドライバに用いることにより、コンピュータ用モニタ、TVアプリケーション、モバイル・ディスプレイ、プラズマ・スクリーン、小型LCD、OLED(有機LED)ディスプレイなどのディスプレイ・システムと技術で培ったSTの長年の経験と専門技術を補完します。
Chunghwa Picture Tubes社、TV-R&DディレクタのWei Chun An氏は次のようにコメントしています。「当社は、この革新的で新しいLCDドライバICの設計作業において、STのアジアパシフィック・デザイン・センターと非常に緊密に協力してきました。STはすでにディスプレイ市場の重要なプレーヤであり、この新しいLCDドライバのファミリが、世界レベルのディスプレイを供給して民生品での大型LCDの利用をますます加速するという当社の使命に重要な貢献をするものと信じています。」
STD8420xは、STが特にこのアプリケーションのために開発した最先端プロセス技術で生産されています。新しいファミリのその他の製品も、シンガポールにあるSTのAPDCで設計されることになっています。STD8420Cの主な機能には、次のものがあります。414/420出力、PPDSインタフェースとの互換性、RGB独立デジタル・ガンマ制御のサポート、ドットおよびN-ライン反転駆動のサポート、広い出力電圧範囲にわたる動作、12ビットの内部リニアDAコンバータによる各チャネル1024階調のサポート。STD8420AはSTD8420Cの機能をすべて搭載していますが、階調だけが例外で256階調に制限されています。
STは、アジア地区におけるLCDドライバのビジネスを総合的にサポートするため、シンガポールに専門の組織を創設し、LCDパネル製造の中心的地域におけるプレゼンスの確立を図ります。この組織は、設計、製品エンジニアリング、フィールド・アプリケーション・サポート、およびマーケティング・サービスを含むトータル・バリュー・チェーンを構築し、各メーカーが性能、TVの外観、および価格に対する消費者からの期待に応えることができるようサポートします。さらに、シンガポールの設計センターは、ここ5年間にICの設計要員を4倍に増強しており、革新的かつ費用対効果に優れたLCDカラム・ドライバの市場投入期間の短縮化を実現します。
STのディスプレイ部門ジェネラル・マネージャであるPhilippe Bergerは次のようにコメントしています。「当社初の大型LCDカラム・ドライバICの市場投入は、主流メインストリームのハイエンドLCD TV市場で主要プレーヤになるという当社の戦略において、重要な第1歩です。当社は、PPDSディスプレイ・アーキテクチャをベースにし、アプリケーションに特化して開発した最先端プロセス技術を駆使することによって、極めて競争力の高いドライバIC製品を提供する予定です。同時に、専門の設計要員とディスプレイ・ドライバ・サポート要員をアジアの主要市場に配置します。」
STD8420CとSTD8420Aのサンプルはすでに出荷されています。価格は、約3~4ドルです。
Chunghwa Picture Tubes Ltd.(CPT)について
Chunghwa Picture Tubes(以下、CPT社)は、PC、ノートブックPC、TVおよびその他電気製品向けディスプレイ製造の世界的メーカーです。CPT社は、1999年よりTFT-LCD分野に注力し、CRT(ブラウン管)製造メーカーからTFT-LCD製造メーカーへ変革を遂げることに成功しました。2006年CPT社の売上は、1267.4億台湾ドルでした。売上におけるTFT-LCD製品の割合は、83%以上になります。
CPT社の大型TFT製造におけるランキングは、台湾で第3位、世界では第5位です。CPT社は、先進設備および先進技術への投資を継続してきました。CPT社は、台湾や中国のIT関連メーカー、TVメーカーおよび家電メーカーと、LCD TV市場の拡大のため、協力しています。CPT社はさらなるビジネス強化、世界中のユーザーの拡大、またTFT-LCDのIT関連およびTV市場での地位の確立に取り組んでいます。
http://www.cptt.com.tw/
STアジアパシフィック・デザイン・センター(APDC)について
1984年、シンガポールにおいて既に大型の製造設備を擁していたSTは、同地域におけるプレゼンスのさらなる強化を目指し、アジア・パシフィック・デザイン・センターを設立しました。このセンターは、当時としては、シンガポールで最初に作られた設計センターとなりました。その高度な開発能力は、アナログとミックスド・シグナルIC設計に関する中核技術と相まって、激しい競争が繰り広げられるアジア地区のコンスーマ機器市場とPC周辺機器市場にSTの製品を浸透させるための先鋒となりました。同センターは、現在、全世界の顧客向けの、民生機器、コンピュータ周辺機器、スマートカード、および画像製品向けICの設計に携わっています。現地で設計されたデバイスから得られた売上はこの5年間で3倍に増大しています。この成功をうけ、STはアジア地区において2番目のデザイン・センターを韓国のソウルに設立しました。両センターとも、その他の地域にあるSTの設計施設と衛星でリンクされ、社内で利用可能な最新かつ最新鋭の設計ルールにアクセスできるような体制が整っています。
PPDSはナショナル セミコンダクターコーポレーションの登録商標です。
*iSuppliは、2007年上半期に大型LCDパネルの需要が旺盛になると予測しています。
(2006年12月1日)
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。さらに詳しい情報は、STのホームページをご覧ください。
ST日本法人 http://www.st-japan.co.jp
STグループ (英語) http://www.st.com
◆お客様お問い合わせ先
〒108-6018 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟18階
STマイクロエレクトロニクス(株)
Consumerグループ Game&Imaging製品部
TEL:03-5783-8340 FAX:03-5783-8216