セイコーNPC、5チャンネルビデオバッファ「SM5320AV」の量産出荷を開始
出力ゲイン調整機能内蔵、多種多様なセット環境に対応可能な
5チャンネルビデオバッファ「SM5320AV」量産出荷開始
セイコーNPC株式会社(略称:NPC、本社:東京都中央区日本橋兜町15番6号、代表取締役社長:五味佳文)は、カットオフ周波数調整機能に加え、ゲイン調整機能を内蔵した5チャンネルビデオバッファ「SM5320AV」を開発、量産出荷を開始しました。
近年、液晶(LCD)、プラズマ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)など表示素子の多様化、表示サイズの大型化とともに、HD(高精細)対応映像機器が急速に普及しています。従来の小型セットでは、あまり気にならなかった小さなノイズも画面の大型化、高精細度化により、はっきりと見えるようになり、映像信号からノイズ成分を確実に除去することが必要になってきました。また、テレビ、DVDをはじめとした映像機器の価格競争も急速に進み、セット側では基板数の削減、電子部品では小型化、集約化による部品点数の削減が急務となっています。
「SM5320AV」は、TVの高画質化に必要な以下の機能を1チップに集積しました。
・SD系のS信号(Y/C分離信号)とCVBS信号に対して通過帯域を可変できるアンチエイリアシングフィルタ(*1)(2チャンネル)
・HD系のコンポーネント信号とRGB信号に対して通過帯域幅を可変できるアンチエイリアシングフィルタ(*1)(3チャンネル)
・入力ソースに応じたゲイン設定が可能なゲイン調整アンプ
本製品を使用することにより、各入力ソースごとに最適な通過帯域幅とゲインを設定して、アナログソース入力時に問題となっていた画面上のちらつきノイズやソースによる明るさの違いを解消することができます。さらに、従来は複数(2~3個)のICを用いなければ不可能であった機能が本製品一つで実現できます。基板パターンの引き回しが少なくてすみ、基板面積の縮小を図ることができます。
セイコーNPCでは、今後も多様なアプリケーションに対応する、お客さまのニーズに合った製品展開をめざして行きます。
*1.アンチエイリアシングフィルタ:アナログ信号をデジタル信号に変換するとき、サンプリング周波数の半分より高い成分が、サンプリングによりノイズ成分に変換されることを防止するためにADコンバータの前に接続されるローパスフィルタ
[ 新製品概要 ]
製品名 : SM5320AV
サンプル価格 : 300円/個(税込価格:315円/個)
量産出荷時期 : 量産出荷中
量産予定数量 : 20万個/月
[ 新製品の主な特長 ]
・通過帯域幅を256通り調整可能なローパスフィルタ機能(CH-1~CH-3)
通過帯域可変範囲:4.10MHz~42.7MHz
・SXGAまでの解像度に対応したフィルタバイパスモード機能(CH-1~CH-3)
通過帯域:80MHz(typ)
・コンポーネント信号に適したハーフfcモード(Pb、Pr信号に対して通過帯域をY信号の1/2にする)への切換え可能(CH-2、CH-3)
・映像入力子のカップリング方式はボトムレベルクランプ/ACカップリング入力をチャンネルごとに選択可能(CH-1~CH-3)
・フィルタ通過帯域(±1.5dB):6MHz(CH-Y/C)
・負荷抵抗を300Ωまで駆動可能
・出力ゲイン:0dB±2.1dB(64通り調整可能)
・パワーダウン機能
・I2C-bus(*2)インターフェースによるコントロール
・電源電圧
アナログ:4.75V~5.25V
デジタル:3.0V~5.5V
・動作周囲温度:0℃~70℃
・パッケージ:VSOP-28
*2.I2C-busは、NXP B.V.の登録商標です。
◇NPCは、1975年に設立、操業を開始したセイコーグループの半導体IC専業メーカーです。