東京電力、チリのバイオマス発電CDMプロジェクトに参加
チリのバイオマス発電CDMプロジェクトへの参加について
~木質バイオマスを燃料とするバイオマス発電CDMプロジェクトから炭素クレジットを購入~
当社は、本日、チリの総合林産会社であるアラウコ社[注1]との間で、同社が実施する2件のバイオマス発電CDM[注2]プロジェクトにより創出された炭素クレジットを購入する売買契約を締結いたしました。
本プロジェクトは、アラウコ社が、チリ第8地域内のヌエバアルデア産業団地とトゥルパン産業団地で操業している同社のパルプ・製材工場に、それぞれ出力3万kWの木質バイオマス(おが屑や樹皮、端材など)を燃料とする発電所を建設し、同工場へ電力と熱を供給するとともに、地元の電力系統である中央電力システム(SIC)[注3]へ電力を供給するものです。
これまで利用せずに廃棄していた木質バイオマスを有効利用することで、腐敗あるいは野焼きによるメタンガス[注4]の放出が抑制されるとともに、同工場の全ての電力と、当該地域の電力系統で利用される電力の一部がバイオマス発電で代替され、化石燃料の消費が抑制されることから、2つのプロジェクトにより、2003年から2025年までに約440万トン(CO2換算)の温室効果ガスの削減が見込まれます。
当社は、このうち、既に国連CDM理事会から両プロジェクトに対して発行されている約48万トンの炭素クレジットを購入いたします。
詳細は、別紙のとおりです。
今後は、日本政府によるCDMプロジェクト承認の取得など、購入した炭素クレジットの移転に必要な手続きを進めてまいります。
当社は、地球温暖化防止への取り組みを経営の最重要課題の一つとして位置づけており、引き続き、国内における電気の供給面・使用面の対策や、海外プロジェクトを通じた炭素クレジットの取得など、国内外での地球温暖化対策を積極的に推進してまいります。
以上
[注1]アラウコ社
正式名称:Celulosa Arauco y Constitucion S.A
本社所在地:チリ・サンティアゴ
代表者:Jose Tomas Guzman
設 立:1979年
資本金:約49億米ドル
事業内容:パルプ・合板などの木材製品の製造など
[注2]CDM(クリーン開発メカニズム:Clean Development Mechanism)
先進国あるいは市場経済移行国が、発展途上国で温室効果ガス削減事業を実施し、それにより生じた削減分(排出権)を先進国あるいは市場経済移行国が自国の目標達成に利用できる制度。共同実施(JI:Joint Implementation)、排出量取引(ET:Emission Trading)と並ぶ京都メカニズムの一つ。
「京都メカニズム」とは、1997年に「京都議定書」において定められた、温室効果ガス削減をより柔軟に行うための経済的メカニズムのこと。
[注3]中央電力システム(SIC:Sistema Interconectado Central)
首都サンティアゴを含む、チリ第3地域から第10地域までに電力を供給する電力系統。
[注4]メタンガス
メタンガスはCO2の約21倍の温室効果があり、この発生を抑制することにより、温室効果ガスの削減効果が得られる。
●添付資料
・別紙:チリのバイオマス発電CDMプロジェクトの概要
(※ 関連資料を参照してください。)