電気通信事業者協会など、18年度の携帯電話・PHSのリサイクル取り組み状況を発表
平成18年度携帯電話・PHSにおけるリサイクルの取り組み状況について
社団法人電気通信事業者協会(TCA)と情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、携帯電話・PHSにおける資源の有効利用について取り組んでいます。
TCAと携帯電話・PHS事業者は、平成13年4月から開始した「モバイル・リサイクル・ネットワーク」により、サービス提供事業者、製造メーカーに関係なく、使用済みの携帯電話・PHSの本体、電池、充電器を全国約9,440店(平成19年3月末現在)の専売ショップ等において、自主的に回収を行っています。
また、リデュース(抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化)については、CIAJが「携帯電話・PHSの製品環境アセスメントガイドライン」を制定し、製造メーカーにおける指針として製品アセスメントを実施する等の対応を進めています。
今般、平成18年度のリサイクルの実績に関するとりまとめが完了しましたので、お知らせします。
1.平成18年度リサイクル実績と再資源化状況について
(1)リサイクル実績について
※ 実績表は添付資料を参照
平成18年度の携帯電話・PHS本体の回収台数は、前年度実績から822千台減少し、平成12年度の13,615千台をピークに減少傾向が続いています。携帯電話・PHSにおいて電子メールやウェブサイトの利用が可能となったのが平成11年であり、平成13年には第3世代携帯が登場しデジカメ機能が具備されるなど、端末の高機能化、多機能化が進展し、電話として使わなくなった携帯電話・PHSを手元に保管し続ける利用者が増えたことが原因と考えられ、こうした動きに合せて回収数の減少が生じています。
(2)再資源化状況について
携帯電話・PHSに含まれる金属は、鉄、アルミニウム、マグネシウム、金、銀、銅などですが、金、銀、銅などの稀少金属は素材に戻し、再利用をしています。精錬の過程で発生するスラグは路盤材、湾岸施設(テトラポット中込材)などに利用されています。
また、金属以外の素材(プラスチック、ガラスなど)についてもリサイクル処理を実施しています。プラスチックは低温溶解により樹脂材となり、ハンガー等の日用品、プラスチック収納容器、玩具の筐体等に利用されています。
なお、平成18年度より、リサイクル目標の指標をマテリアルリサイクル率とし、目標値を携帯電話本体の60%以上、電池30%以上と設定して活動し、平成18年度においては、どちらも目標達成しております。また、廃棄処理は行っていません。
(3)利用者の意識・行動に関するアンケート調査結果について
リサイクルに関する実態を調べるため、携帯電話・PHS利用者2000人に対するアンケート調査を昨年に引き続き実施しました(添付資料1参照)。
1)上記(1)のとおり回収数は減少していますが、これは買換・解約時に端末を処分せず手元に置いておく傾向が強まっているためです。本アンケートにおいても、過去1年間に買換・解約等により端末を処分した人の割合は32.8%で、昨年度より1.6%減少しています。
これは、処分せずに保有し続ける人が増えていることを示してしています。
また、過去1年間に処分した端末の平均使用期間は2年8ヵ月で、前年度の2年6ヵ月からは若干伸びている状況です。
2)端末を手元に置いておく理由(複数回答)としては、前年度の調査とほぼ同様な傾向で、写真やメールが残る端末を「コレクション・思い出として残す」(35%)が最も多く、若者を中心とした携帯・PHS端末への愛着の強さが伺えます。また、端末の多機能化、高性能化により「電話帳として利用」(14%)「データのバックアップ用」(12%)「デジカメ」(5%)「ゲーム機」(5%)「目覚まし時計」(16%)などの用途で利用している人も半数近くに上る結果となっています。ICカード(SIMカードまたはUIMカード)の入れ替えによる複数端末利用の影響も少しずつ現われています。また、端末デザインの洗練化も端末への愛着を高める傾向にあります。その他には、個人情報保護への意識の高まりを反映して「個人情報が漏れるのが心配」とする回答も13%と昨年同様多く見られます。また、「何となく」という回答が22%あり、必ずしも積極的な理由で保有しているばかりでない実態も伺えます。
3)回収数は減少傾向にあるものの、本アンケートにおいて、端末が不要となった際に「ゴミとして捨てた」人は16%から14%に微減し、「ショップに引き取ってもらった」人の割合が71%から62%に留まっており、業界としては、リサイクル活動の更なる普及啓発を推進していきます。
4)また、携帯電話・PHSのリサイクルに関する認知度も、まだ46%に留まっており、認知度向上に向けた施策を引き続き推進する必要があります。
2.リサイクル向上に向けた今後の対応について
(1)認知度の向上に向けた施策展開
携帯電話・PHSのリサイクルに対する認知度がまだ十分でないため、買換・解約時にショップ店頭での案内を強化すると共に、カタログ・取扱説明書などにおける周知、媒体広告などに引き続き力を入れていきます。また、ゴミとして処分する人を更に減らすため、ゴミの収集を行政する自治体の周知協力が得られるよう働きかけを行なっていきます。
(2)回収可能性を高める対策
1)端末内に保存・蓄積した情報やデータ(写真、メール記録など)に愛着を感じているという回答に対する対策として、保存・蓄積したデータのバックアップや新端末への引継ぎを可能とする措置を強化し、回収可能性を高めていきます。
2)端末内に残る個人情報を確実に消去する方法・手段を利用者に対して分かりやすく説明・啓発すると共に、専売ショップにおけるサポート(端末破砕など)を強化し、個人情報の漏洩を心配する声に対して、安心して専売ショップに不要端末を預けていただけるようアピールしていきます。
3)端末の多機能化、高機能化の進展により、他社端末を回収する場合に生じる課題(保存データの移管や電子マネーの精算確認など)に対してどのように対応するか検討を進めています。
(3)3Rに対する取組み
1)「携帯電話・PHSの製品環境アセスメントガイドライン」を更に充実させ、3R(リデュース、リユース、リサイクル)に配慮した製品設計等を一層推進します(添付資料2)。
2)携帯電話・PHS業界として100%のリサイクル率を維持すると共に、部品をリユースする可能性についても検討を進めていきます。
(4)平成19年度における各社の取組み
リサイクル向上に向けた平成19年度における各社の主な取組みは添付資料3のとおりです。
3.「モバイル・リサイクル・ネットワーク」への参加企業について
※添付資料4を参照
※<専用ロゴマーク>は添付資料を参照
URL:www.mobile-recycle.net
※下記は添付資料を参照
・携帯電話・PHSのリサイクルに関するアンケート調査
・平成18 年度 携帯電話・PHS における製品環境アセスメント
評価の結果報告について
・リサイクル向上に向けた事業者の主な取組み(19年度)