JOGMEC、伊藤忠商事のナミビア海上での天然ガス探鉱事業に出資
伊藤忠商事(株)のナミビア共和国海上における天然ガス探鉱事業への出資について
-新支援制度(75%出資)を初めて適用-
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC 理事長:掛札 勲)は、平成19年6月26日、シエコナミビアオイルアンドガス株式会社(代表取締役社長 松川良夫氏。伊藤忠商事(株)の100%子会社)(以下、シエコナミビア(株))がナミビア共和国海上で実施する天然ガスの探鉱事業について、新支援制度の75%出資適用案件として採択しました。 本案件は、JOGMECが初めて75%出資を実施する案件です。
JOGMECの石油・天然ガス探鉱開発支援制度については、18年度まで出資・債務保証の上限を50%としていましたが、経済産業省が18年5月に策定した「新・国家エネルギー戦略」及び、我が国企業からのニーズ等を踏まえ、資源確保に向けた我が国企業の取組をより強力に支援するべく、特にリスクが高い案件等については、上限を19年4月から75%に引き上げました。
シエコナミビア(株)は、ナミビア南西部海域Kudu鉱区の20%権益取得につき、同鉱区探鉱のオペレーターであるEnergy Africa Kudu Ltd.(英国Tullow Oil社の子会社)との間でファーム・イン契約を締結し、6月27日にナミビア政府及びナミビア国営石油会社(Namcor)を加えた権益譲渡契約に調印する予定です。
同鉱区では、既に1兆立方フィート以上の天然ガスの胚胎が確認されており、ナミビア共和国における初の生産ライセンスが付与されていますが、更なる探鉱に当たり、ガス層の掘削深度が深く、技術的リスクが高いことから、75%出資による支援を行うことを決定したものです。
本プロジェクトは、成功した際には、供給源多様化の実現を通じた我が国へのエネルギー安定供給に大きく貢献すると共に、我が国企業が同国における初めての天然ガス生産に参加するプロジェクトとして、同国との一層の関係強化に資すると期待されます。
JOGMECは、今後とも、我が国企業による石油・天然ガスの上流権益獲得及び探鉱開発事業を強力に支援していく方針です。
■プロジェクトの概要
1)会社概要
・名称 シエコナミビアオイルアンドガス株式会社
・設立 2007年4月13日
・本社所在地 東京都港区
・代表取締役社長 松川 良夫 氏
・資本金 100百万円(会社設立時点)
・最終的な株主構成 伊藤忠商事(株)、JOGMEC
(議決権の比率は伊藤忠商事(株)51%、JOGMEC49%とし、これを上回るJOGMECの出資は無議決権株式とする。)
2)鉱区位置
ナミビア海上Kudu鉱区 (別添鉱区図参照)
3)沿革
・2007年4月、Energy Africaとの間でファーム・イン契約を締結し、20%権益を取得。
4)共同事業者及び権益比率
権益保有者 権益比率
Energy Africa Kudu Ltd.※ 70%(オペレーター)
シエコナミビアオイルアンドガス(株) 20%
Namcor (ナミビア国営石油会社) 10%
(※英国Tullow Oil社の子会社)
■採択内容
1)採択日
2007年6月26日
2)JOGMEC出資見込額(2007年度に想定される出資額)
約4,600百万円
■採択理由
本プロジェクトについては、
・1)技術的事項、2)経済的事項、3)事業実施関連事項等の観点からのJOGMECの採択審査基準を満たすと判断されること
・供給源の多様化を通じた我が国のエネルギー安定供給に資する案件であると判断されること
等から、出資対象事業として採択することとした。
また、期待される天然ガス埋蔵量が大きいこと、ガス層が地下4,500メートルにあり掘削等に際しての技術的困難度が高いことから、75%出資対象案件として採択することとした。
なお、本プロジェクトの採択に際しては経済産業大臣と協議を行い、同意を得ている。
以 上