東陽テクニカ、超高速・高分解能プローブ顕微鏡を発売
1フレーム/秒を実現した超高速・高分解能プローブ顕微鏡
米PNI社製”Nano-DST”を発売
株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、社長:渡辺洋介)はこのたび、従来比500倍の高速スキャンを実現した高分解能走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope : 以下、SPM)、”Nano-DST”を発売いたします。
Nano-DSTに採用されている”デュアル・スキャン・テクノロジー(DST)”は、超高速・高分解能スキャンニングを実現する”ラピッド・スキャナ”と、プローブを360μmの範囲で正確に移動させる”フレクシャー・スキャナ”の同時使用を実現する新技術です。この技術と、プローブの位置をマウスで任意の場所に動かすことができる”パニング機能”を併用することで、目的の場所を瞬時に特定し、観察することができます。
SPMは、大気中・溶液中でナノメートルオーダの物体を観察できる、唯一のツールとして注目されております。しかしながらSPMは原理上、他の走査型顕微鏡とくらべて走査スピードが遅く、512ポイント×512ラインの2次元画像を得るには、およそ10分を要します。また、ナノメートルオーダの物体を観察する高分解能測定では画素数確保のため、走査範囲をできる限り小さくする必要があります。
例えば、5μmエリアにある直径数ナノメートルの粒子1つを探し出す場合、従来のSPMでは、1μm×1μmの走査範囲で、5×5=25箇所の画像を取得して粒子の位置を探すことになるため、250分(4時間以上)を場所探しに費やすことになります。
しかしながら、Nano-DSTでは25秒という驚異的なスピードで目的の粒子の位置を探し出すことができます。
Nano-DSTの特長は高速観察だけではありません。Nano-DSTに搭載されているフレクシャ-スキャナには、ピエゾスキャナのヒステリシス(電圧-変位の非線形性特性)による測長誤差を1%以下に低減する最新のクローズド・ループ機構が標準装備されており、マイクロレンズや回折格子などのマクロサイズのピッチや段差を正確に観察・計測することができます。
更に、Nano-DSTのクローズド・ループ機構は低ノイズでもあるため、シリコンウェハーやガラス基板のナノラフネス観察、計測にも利用できます。
7月10日に東陽テクニカ本社で開催いたします「走査型プローブ顕微鏡新技術セミナー」にて、実機を展示する予定です。
※セミナー案内URL:http://www.toyo.co.jp/spm/seminar/index.html#L_01
価 格:Nano-DST 2700万円 (税抜き)
発 売 日:2007年7月10日
販売目標:初年度50台
主な仕様:
・1フレーム/秒 以上の高速スキャン
・360μmの広域をカバー (オプション)
・2つのスキャナを同時にコントロール
- 高精度・広域 フレクシャタイプ・スキャナ
- 高分解能 ラピッドタイプ・スキャナ
・24ビット D/A、A/D採用
・多彩なSPMの機能
- STM、LFM、MFM、EFM
- ケルビンフォース (KFM)
- SHARK (電流マッピング)
- 環境セル 等