SIIナノテク、研究開発など向けに基本性能向上の高感度型示差走査熱量計を発売
高感度型示差走査熱量計の新商品、DSC7020を発表
飛躍的な基本性能の向上により極限レベルの分析が可能
エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社(社長:船本宏幸、本社:東京都中央区新富 2-15-5 RBM築地ビル、TEL:03-6280-0070、以下SIIナノテク)は、従来機よりも大幅に基本性能を向上させた高感度型示差走査熱量計「DSC7020」を8月に発売します。
熱分析装置は古くから基本物性を簡便に測定出来るツールとして実に幅広い分野における材料の研究開発や品質管理などに使用されています。中でも示差走査熱量計(DSC:Differential Scanning Calorimeter)は、融解、ガラス転移、結晶化、硬化から比熱、純度測定までのさまざまな分析が可能な装置です。
近年、高機能性材料の開発が進むに伴い、その物性分析に用いられる熱分析装置に関しても、より高感度な装置の開発が望まれてきました。例えば、数十μgから数百μgオーダーでの相転移(*1)の測定、あるいは微小転移(*2)の検出などにおいては、より高感度な測定が求められています。同時に、研究開発から品質管理までの幅広い工程において使用される汎用分析機器としての側面から、オペレーターのスキルに頼らず誰でも簡単に測定出来る簡便さ・操作性も要求されてきました。
今回発売される高感度型示差走査熱量計「DSC7020」では、新規開発の信号オプティマイズ技術の採用で基本性能を飛躍的に向上させたことにより、極限レベルでの分析が可能となりました。また、オプションにマスフローコントロールやオートサンプラーをラインアップし、これらの機能により更なる自動化も実現し、汎用機としての使い易さも追求した新設計の熱分析システムです。加えて冷却ユニットを一新し、冷却効率を大幅に向上させました。
SIIナノテクは1974年に熱分析装置の製造販売を開始して以来、国内熱分析装置のトップメーカーとして、数多くの装置販売実績を誇っています。
今後、特に感度の高い分析能力が必要とされる表示デバイスや医薬品などの分野に、販売を展開していきます。
【高感度型示差走査熱量計 DSC7020の主な特長】
1.基本性能の向上を実現
新開発のオプティマイズ技術を搭載することで基本性能の大幅な向上を実現しました。数十から数百μgオーダーの極微量の測定が可能です。
2.冷却効率の向上
新冷却ユニットの採用により、冷却効率が大幅に向上しました。
3.ガスコントロールを自動化
ガスコントロールもマスフローを内蔵することが可能となり、プログラムで流量コントロールすることができます。
4.優れたシステム拡張性
オートサンプラーや冷却ユニットの追加を容易に行うことが可能です。これらオプションを追加してご利用いただくことで、自動化システムを構築できます。
5.豊富なサンプル容器ラインナップ
アルミ、白金、アルミナを始め溶媒蒸発を防ぐ簡易密封容器、危険物評価や溶液試料にも最適な耐圧性の高い密封容器(アルミ、銀、ステンレス)などを取り揃えています。各種アプリケーションに応じた材質の容器を選択頂けます。
【価格】 600万円~(予定)
【発売】 2007年8月より(予定)
以 上
*1相転移
物質の相が他の形態の相へ転移すること(例:固相、液相、気相の変化など)
*2微小転移
熱の流出(入)がごく少ない転移
<この件に関するお問い合わせ先>
エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 営業一部営業一課
TEL:03-6280-0063