デルなど3社、IAサーバとオープンソース・ソフトウェア(OSS)の検証センターを開設
デルとインテル、野村総合研究所
オープンソース・ソフトウェアの検証センターを開設
3社協働で運営開始、OSS導入を加速
デル株式会社(本社:神奈川県川崎市幸区、代表取締役社長:ジム・メリット、以下デル)、インテル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役共同社長:吉田 和正/ロビー・スウィヌン、以下インテル)、株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:藤沼 彰久、以下 NRI)は、IAサーバとオープンソース・ソフトウェア(OSS)の検証センターを協働して開設することを発表しました。検証センターは、東京都千代田区のインテル社内にて、7月5日より運営を開始します。
IAサーバとOSSの組み合わせによる企業システムの構築は、現在、官公庁、サービス、流通および金融業を中心に高い関心を集めています。一般的には「OSSを利用すればライセンスコストが削減できる」というメリットがあります。しかし一方では、「導入したいが、本当に動作するのか不安だ」、「自社システムでの活用が可能かどうか分からない」、あるいは「導入したが、ベンダーに構築から保守・メンテナンスまで全てを任せてしまうと却ってコストが高くつき、OSS活用のメリットが得られない」などの問題を抱えています。
OSS検証センターでは、情報システム部門やITの開発現場におけるこのような課題を解決すべく、業界のメインストリームであるIAサーバとOSSの信頼性、可用性および実用性を検証します。3社はユーザの利便性を考慮して、最新のCPU・チップセットテクノロジに基づいたハードウェアと、オープンソースミドルウェアの組み合わせをポートフォリオとして策定し、OSS検証センターにて必要な技術検証を行い、結果を公表していきます。また、導入に関してコンサルティングも提供していきます。
先進的なプロセッサー・テクノロジを開発、提供するインテルと、オープンソース・サポートサービス「OpenStandia」で多くの実績を持つNRI、業界標準技術を採用した高性能IAサーバで法人向けビジネスを拡張するデルが、協働でOSSに基づくポートフォリオを推進します。これにより、従来、高度なスキルが求められたOSSの導入とサポートを大幅に簡素化できます。OSSを活用してハードウェア、OS、データベースおよびミドルウェアまで含めた総合的な動作検証が可能になるため、品質の高いシステム基盤の提供が可能となり、導入にかかるコスト削減が図られます。
<検証内容、及び役割分担>
今回発表した検証センターにより、3社の技術力とノウハウを集約し、ハードウェアからミドルウェアにいたるまで、OSSを活用した総合的なソリューション提供の体制を構築します。これにより、デルが推進する「スケーラブル・エンタープライズ」の実現を目指します。まずは、以下のOSSの検証を実施し、それぞれ各社より検証結果の報告書を公開していきます。
1)OSS基本プラットフォームの提供
デルのIAサーバにおいて、CentOS、FedoraCore、Debian、FreeBSD、IA SolarisなどのFreeOS(無償のOS)の動作検証を行います。
これによりIAサーバにおけるFreeOSの検証が完了し、検証済みのOSS基本プラットフォームを提供できるようになります。
2)オープンソース・データベース及びミドルウェアの可用性検証
オープンソースのデータベース、ミドルウェアを中心にIAサーバ上でクラスタ構成を構築し、フェイルオーバーなど高可用機能について、ミドルウェアを含めた検証済みの構成を公開します。
3)ディレクトリ連携ソリューションの提供
企業において重要な課題となっている内部統制強化のためのディレクトリ連携ソリューションをOpenLDAPを中心に策定、提供します。
4)Linuxベースのクラスタソリューションの検証
最新のサーバストレージとLinuxベースのクラスタソリューションの検証を独立系ソフトウェア各社と連携し実施します。
3社の役割分担は以下の通りです。各社の豊富な実績と高い技術を活用してOSS推進に取り組みます。
・デル:検証センターの運営、ハードウェアの提供(サーバおよびストレージ)および技術サポート、ハードウェアベンダーとしてのOSSコミュニティとの連携
・インテル:検証センター設置及び関連機器の提供、CPUに関する技術サポート、コンパイラを使った解析メニューを提供し、デュアルコアおよびクアッドコア技術の提供(トレーニングの提供を含む)。
・NRI:FreeOS、およびOSSミドルウェアに関する検証とコンサルティング、および技術サポート
3社は今後ともOSSソリューションに関するセミナー、プロモーションなどのマーケティング活動を協働で実施し、従来メインフレーム、UNIXで構築されていた企業の基幹システムにおけるOSSやIAサーバの利用促進を図ります。