J.D.パワー、「2007年日本冬用タイヤ購入店満足度(WT-RSI)調査」の結果を発表
冬用タイヤの購入店に対する満足度向上には、販売員の果たす役割が重要
2007年日本冬用タイヤ購入店満足度(WT-RSI)調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワーアジア・パシフィック(本社:東京都港区、略称:J.D. パワー、代表取締役会長兼社長:J.D.パワー4世)は、2007年日本冬用タイヤ購入店満足度(WT-RSI)調査の結果を発表した。
当調査は、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)購入時のタイヤ販売店の対応に関する顧客満足度を測定するもので、今回で2回目となる。軽自動車を除く自家用乗用車(新車・中古車)向けの冬用タイヤを2005年5月から2007年2月の間に新品で購入した一般消費者が対象で、2007年2月に郵送アンケート調査を実施し、全国の1,639人から回答を得た。
冬用タイヤ購入店に対する総合的な満足度は、「販売員」(41%)、「整備サービス」(34%)、「施設」(13%)、「商品の陳列/品揃え」(12%)の4つのファクターから構成されている(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。
各ファクターの詳細評価項目に対する顧客の評価をもとに、冬用タイヤ購入店に対する総合的な満足度スコアを算出している(インターネット/通信販売は対象外)。
◆利用者の意識と行動はタイヤ販売業態ごとに異なる◆
冬用タイヤ利用者のタイヤ購入先について調べたところ、最も利用の多かったのはカー用品店だった(全体の30%)。次いでタイヤ専門店(25%)、カーディーラー(19%)、サービスステーション(10%)で、この4つの業態で全体の80%以上を占めた。
冬用タイヤ販売業界全体の今年の総合満足度は1,000ポイント満点中641ポイントとなった。また、4つのファクターの総合満足度に対する影響度を見ると、人的サービスに係わる「販売員」と「整備サービス」が総合満足度に大きな影響を与えていることがわかった。このふたつで75%の影響度を占めている。そのような中、4つのファクターの中で最も満足度評価が高かったのは「販売員」(665 ポイント)で、最も評価が低かったのは「商品の陳列/品揃え」(593ポイント)だった。
顧客の満足度を高めるためには、総合満足度に対する影響度がより高いファクターの改善を進めることが肝要といえる。調査の結果「販売員」に対する満足度を向上させるには、商品説明や推奨、費用見積りの提示、購入条件の交渉といった商談プロセスにおいて利用者のニーズを的確に捉え対応することが重要なことがわかった。「整備サービス」では、タイヤ取付け時に利用者に対して走行時の注意事項やメンテナンスについての説明を行うことで満足度が向上することが明らかとなった。
各ファクターに対する評価を業態別に見ると、4つの業態のいずれにおいても「販売員」の評価が他のファクターより高かった。業態間の評価差が最も大きかったのは「商品の陳列/品揃え」で、スコア差が最も小さかったのは「整備サービス」だった。業態別の各ファクターに対する評価の特徴は次のとおりとなっている。
・カー用品店: タイヤを主要な商材としているこの業態では4つのファクターの中で「商品の陳列/品揃え」の評価が高い。「販売員」と「整備サービス」が今後の課題といえる。
・タイヤ専門店: 「商品の陳列/品揃え」の評価の高さが特徴。「施設」が今後の課題といえる。
・カーディーラーおよびサービスステーション: タイヤ以外の商材を主に扱うこれらの業態では「販売員」の評価が高く「商品の陳列/品揃え」が低い傾向にある。
また、顧客の購買に対する意識と行動の分析のため、購入前にタイヤに関する情報を何によって得たかを聞いたところ(複数回答可)、業界全体ではタイヤ購入検討の情報源として「販売員の意見」を参考にしている人が最も多く、二人にひとりにのぼることがわかった。業界全体で二番目に利用の多い情報源は「店頭のディスプレイ」と「インターネット」だった(いずれも28%)。
業態別の利用者の意識と行動の特徴は次のとおりである。
・カー用品店: 品揃えの多いカー用品店の利用者は、購入ブランドを来店前に決めている人の割合が25%と他業態と比較して低く、「販売員の意見」や「店頭のディスプレイ」から得られる情報をもとに、購入する冬用タイヤを決める割合が高い。
・タイヤ専門店: 「販売員の意見」を最も参考にしているが、「インターネット」の活用も多い。購入検討ブランドを事前に決めている人は50%にのぼる。
・カーディーラー: タイヤ購入以外の目的での利用頻度も高いこの業態では購入ブランドを来店前に決めている人の割合が28%と低い。「販売員の意見」に依存する割合が高い。ブランド名や商品名を重視する傾向が比較的低い。
・サービスステーション: タイヤ購入以外の目的で利用されることが多いこの業態では、「販売員の意見」に依存する割合が高い。
◆新規顧客獲得のためには既存顧客の満足度向上が重要◆
タイヤ購入店に対する満足度と同じ店を再利用する意向との間には高い相関が見られた。「次回も必ず同じ店で冬用タイヤを買う」意向を示す利用者の割合は、総合満足度の高い利用者(スコアが800ポイント以上)では40%で、600ポイント以上800ポイント未満の利用者の13%を大きく上回った。同様に、満足度が高い利用者ほど知人にその販売店を推奨する意向も高くなる。これらのことから、次回利用意向の向上による既存顧客の維持と、推奨意向の向上による新規顧客の獲得のために、タイヤ購入店利用者の期待を把握し満足度を向上させることが重要であることがわかった。
<株式会社J.D.パワーアジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA 機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズ(NYSE: MHP)は、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D. パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280カ所以上の拠点を有し、2006年の売上高は63億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。