日本通信、NTTドコモとの相互接続協議が不調で裁定申請
日本通信、NTTドコモとの相互接続に関し、総務大臣による裁定を申請
日本通信株式会社(以下、「当社」という)は、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下、「ドコモ」という)との間の電気通信事業法にもとづく相互接続(以下、「本件相互接続」という)にかかる協議が不調であることから、本日、電気通信事業法第35条第3項の規定により、総務大臣による裁定を求める申請を行いましたので、下記のとおり、お知らせいたします。
記
1.事実の概要
当社は、2006年8月からのドコモとの協議を踏まえ、同年11月29日、ドコモに対し、電気通信事業法に基づく相互接続を申し込み、両社間で本件相互接続に関する協議を行ってまいりました。しかしながら、提示された期限内に合意することができなかったため、本日、電気通信事業法第35条第3項の規定に基づき、総務大臣による裁定を求める申請を行ったものです。
2.当社の考え方
当社は、2001年10月から、株式会社ウィルコムからPHS通信を調達し、日本初のMVNO(注1)としてデータ通信サービスの提供を開始し、今日に至っております。PHSは、無線のデータ通信において中心的役割を担っているものの、より高速な3Gへのニーズが高まりつつある中、当社は3G通信網を有する携帯電話事業者各社と、その3G通信の調達について協議を行っています。ドコモとは、2006年8月以来、協議を重ねてまいりました。
MVNO事業に関する当社の主張は以下の通りです。
(1)MVNOがサービス内容を決定できること
MVNOには、既存の携帯電話事業者がこれまで実施してこなかった、多様な電気通信サービスを独自に開発し、提供することが求められています。従って、顧客に提供するサービス内容は、MVNOが自ら決定する権利を有すると考えています。
(2)MVNOがサービスの料金を設定できること
MVNOが顧客にサービスを提供する以上、当該サービスの料金をMVNOが設定できることも、MVNOが当然の権利として有すると考えています。
(3)接続料金がエンドエンド料金として提供されること
顧客にとっては、当該サービスを受けるために結局いくらの料金がかかるのかが極めて重要です。従って、合計でいくらという料金を設定するためにも、接続料金はエンドエンド料金とするべきだと考えています。(携帯電話事業者の接続約款には、音声通話についてはエンドエンド料金の接続料金が規定されていますが、パケット通信については規定されておりません。)
(4)接続料金は帯域幅課金(注2)とすること
データ通信においては帯域幅課金が一般的であり、周波数の有効利用促進の観点等からも、接続料金は帯域幅課金とすることが適切であると考えています。
(5)接続に必要な開発費用及び開発期間が、合理的に適正な水準であること
データ通信においてはIPネットワークが標準となっている今日、当社が独自のIPネットワーク・サービスを提供したり、またIP以外のネットワークを提供したりするためには、IP(第3層)よりも低位の第2層での接続が必要です。第2層での接続は、規格化された標準の一つであり、従って、その実現のための開発費用及び開発期間には、合理的に妥当な水準があるものと考えています。
当社はこれまで、上記の主張にもとづいてドコモとの協議を進めてまいりました。
しかしながら、提示された期限内に、上記の細目について合意点が見出せなかったことから、本日、総務大臣の裁定を申請いたしました。
本裁定の申請後の状況および結果について、開示すべき事項が発生した場合には、適宜、お知らせいたします。
3.今後の業績に与える影響
本裁定申請による当事業年度の売上高および利益に与える影響は、現段階ではありません。
以上
(注1)「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」とは、既存の移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)の無線ネットワークを活用して多様なサービスを提供する仮想移動体通信事業者をいう(総務省「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン(平成19年2月13日改正)」参照)。
(注2)「帯域幅課金」とは、相互接続点における通信回線の帯域幅に応じて、電気通信事業者間の精算金額を設定する課金方式をいう。
<日本通信株式会社会社概要>
社名: 日本通信株式会社(大証ヘラクレス市場:9424)
代表者: 三田聖二(代表取締役社長)
資本金: 2,273百万円(2007年6月30日現在)
設立: 1996年5月24日
事業内容:
●日本初のMVNO(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)
●「インフィニティ・ケア」をサービスコンセプトにしたEnd to Endのワイヤレス・データ通信サービスを法人向けに提供
●「どこでもインターネット通信電池」をコンセプトにしたワイヤレス・インターネット接続商品をコンシューマ向けに提供
●ユビキタス社会を実現する「通信電池」を提供、また、新しい通信サービスを各企業と共同で開発
*b-mobile、InfinityCare及び通信電池は日本通信株式会社の登録商標です。
*文中の社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。