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2025'02.08.Sat
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2007'07.19.Thu

富士経済、養液栽培・生物農薬など新展開のアグリビジネス市場調査結果を発表

植物工場は、参入企業の急増で、2012年度に06年度の1.7倍、22億円に
養液栽培、生物農薬など新展開のアグリビジネス市場を調査


 総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、今年4月から6月にかけて、食の安全・安心、食料自給率向上、環境保全などから注目され市場が拡大している、養液栽培関連施設5品目、養液栽培装置・機器・資材5品目、環境保全型アグリ資材4品目について調査を実施した。また異業種企業による栽培事業の最新動向や、アグリバイオ技術や養液栽培施設エンジニアリング技術の開発動向なども取り上げ、その結果を報告書「2007年版 アグリビジネスの最前線と将来予測」にまとめた。
 この調査は、アグリビジネスを「食料自給率の向上」「食の安全・安心」「効率的・安定的な作物生産」「アグリバイオ技術」「施設栽培エンジニアリング」「エネルギー作物」の観点から精査して今後の方向性を明らかにすることを目的とした。


1.注目市場

■植物工場(光源に人工光のみを用いた完全閉鎖型を対象)
 2006年度 13億円   2012年度予測 22億円(12/06年度比169.2%)
 06年度はコスモプラントが受注したオリエンタルランドの子会社、舞浜ビジネスサービスの実績や、コンテナ型小型植物工場の販売を開始したメーカーの実績もあり受注件数が多かったことにより金額ベースで前年度比17%増となった。07年度はコスモプラントの事業停止の影響が懸念されるものの、新たに植物工場の販売を手掛ける企業も増加し、現在建設中の植物工場もあるため、一定の市場拡大が予測される。
 06年度は、コスモプラントがシェア70%を占めて、ラプランタ、M式水耕研究所、などが続いているが、参入企業には、鹿島建設、清水建設、大成建設など大手建設会社も名を連ねている。
 養液、温湿度、光、二酸化炭素濃度などの栽培環境がすべてコンピュータで制御されるため、天候や季節に左右されずに周年安定生産が可能である。高度に自動化された環境制御により、栽培管理の人手を軽減でき、生産工程の省力化を図ることができる。さらに化学農薬の使用を抑えた安全な農作物の生産が可能という点などから注目度が高まっている。
 完人工光のみを使用する全閉鎖型植物工場では、その人工光の電力コストが生産される農作物の高価格化を招いている。一般的に植物工場の野菜は高価格であるが、無農薬で栄養価が高く、えぐみが少ないなど、露地物に比べて付加価値は高いとされている。今後はこの付加価値を維持しつついかに価格を下げるかが課題であり、そのためには、イニシャル、ランニングの両コストを低減出来る人工光の開発が必要である。
 現在、日本の食料自給率はカロリーベースで40%と先進国の中で最も低く、自給率向上に向け様々な取り組みがなされている。海外からの輸入農作物への依存度が高い食品加工工場では、「食の安全・安心」の観点から少々高価でも国産の農作物に切り換えようとする動きが出始めており、植物工場の需要拡大が期待される。
 植物工場では、現在葉菜類の栽培が主流となっているが、今後はより高付加価値の農作物の新品種開発を進めて植物工場の需要拡大につなげることも必要と考えられる。

■植物育成用光源
 2006年度 7億円   2012年度予測 12億円(12/06年度比171.4%)
 対象としたのは、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、LED、蛍光ランプの4品目である。
 高圧ナトリウムランプはエネルギーから光への交換効率が良く長寿命化が進んでおり、植物工場では最も多く採用されている。岩崎電気が90%以上のシェアを占める。
 LEDは、蛍光灯や高圧ナトリウムランプと比べて発光スペクトルの幅が狭く波長選択が可能である。発光体が小さいため明るさをコントロールし易く、植物栽培に最適な光質を作り出すことができる。また作物に対して近接照射が可能で、空間を無駄なく利用することができる多段式の栽培棚での利用が進んでおり、今後も堅調に伸びると期待される。現在シーシーエスが研究機関に納入している程度ながら、将来有望な光源である。
 蛍光ランプは、省エネ、長寿命化が進んで他の照明と比較して低価格である。高圧ナトリウムランプやメタルハライドランプに比べて熱放射が少なく、作物に近接して設置することができるため、多段式栽培棚での採用が拡大している。今後、苗生産や葉菜類などの栽培・育成施設を中心に市場が拡大するとみられる。

■マルハナバチ
 2006年度 15億円   2012年度予測 20億円(12/06年度比133.3%)
 マルハナバチは作物の授粉を担う昆虫の一種であり、外来種のセイヨウオオマルハナバチと在来種のクロマルハナバチの2種が現在日本で広く利用されている。
 現在、プラント栽培トマトの60~70%がマルハナバチを利用して生産されており、最近ではイチゴ、ナス、キュウリ、モモ、ナシ、リンゴなどへの利用も広がり始めている。マルハナバチによる自然授粉は、ホルモン剤を直接塗布する農家の人工授粉作業の負担を軽減できることに加え、作物の重量、糖度やビタミンCなどの成分含有量の増加、収量増加や秀品率の向上をもたらす。
 市場は拡大し続けており、12年度には06年度比で約1.3倍に成長すると予測される。養液栽培事業への企業参入や大規模施設栽培を行う農事組合の増加などにより需要が高まっている。
 外来種のセイヨウオオマルハナバチの利用は急速に減少しており、クロマルハナバチの需要が増加している。12年度予測では、約80%がクロマルハナバチに逆転する。06年9月に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」でセイヨウオオマルハナバチは特定外来生物に指定され、飼養(飼育、保管、運搬)が原則として禁止されたためである。

■固形培地栽培プラント
 2006年度 33億円   2012年度予測 46億円(12/06年度比139.4%)
 養液栽培の方式は、大きく水耕栽培方式と固形培地栽培方式に分類され、固形培地方式はロックウール・パーライトなどの無機培地と、ヤシ殻・ピートモスなどの有機培地に分けられる。
 現在は、ロックウールを採用した無機培地が最も多いが、最近、ヤシ殻培地やヤシ殻とパーライトを混ぜた混合培地式のプラントの増加が顕著になっている。ロックウール培地は通気性に優れ、わずかなカルシウムやマグネシウムの溶出やリンの吸着はあるものの、培養液の組成にほとんど影響を与えないため、肥培管理がし易く、収量や品質も安定する。しかし、使用後に培地を自家処理できず産廃処理を委託しなければならない点がネックになっている。ヤシ殻培地は有機物であるため使用後の処理が容易で環境にも優しく、有機培地を採用するケースも見られる。ただ有機培地は無機培地に比べ品質が不安定で、腐敗するため長期保存ができず在庫調整が難しいといった問題もあり、品質改良が求められている。
 固形培地栽培プラントは、誠和やカネコ種苗など上位メーカーが好調であったことから市場が拡大している。06年度の実績は73万m2、33億円となっており、前年度比で10%伸びている。その要因の一つに異業種企業の参入増加が挙げられ、非農業生産法人への売上が30%程度を占めるメーカーもある。また最近は"脱サラ農業"の拡がりも見られ30~40代の農業未経験者からの引き合いも増えている。
 現在、国が食料自給率の向上を政策に掲げており、その一環として「農業の担い手政策」として農業の法人経営、集落営農経営に力を入れるという目標を揚げている。今後、こうした国策により農業生産者の養液栽培に対する注目がいっそう高まり、養液栽培プラント・装置の市場の拡大にも結びついていくと考えられる。


2.調査結果の概要

 調査対象としたアグリ関連ビジネス市場は、06年度183億6,600万円。内訳は、養液栽培関連プラント市場が90億8,000万円、養液栽培関連装置・機器・資材市場が37億6,600万円、環境保全型アグリ資材市場が55億2,000万円である。どの市場も、年々拡大しており、12年度には全体で241億4,900万円の規模になると予測される。
 養液栽培関連プラントおよび養液栽培関連装置・機器・資材の市場は、近年の異業種企業の参入増加や、個人農家による経営の効率化を目指す農事組合法人化の動きが広がりつつあり、今後も伸びると予測される。国が食料自給率の向上を目的に"強い農業"の育成を目指して効率的な農業経営を行う生産者に重点を置いて支援する政策を採っていることも市場拡大の要因である。最近では人工照明を用いた植物工場で養液栽培を行う農業経営者の事例も増えており、高効率、高付加価値農作物生産への注目度が一層高まっている。
 環境保全型アグリ資材市場も拡大傾向にある。昨今の産地偽装や残留農薬問題等の食品のトラブルによる食品の安全・安心に対する社会的ニーズの高まりや減農薬・有機栽培を志向する農家の増加などがその背景となっている。日本は欧米諸国に比べ害虫防除基準が高い為、生物農薬で全てを防除することは難しい。しかし近年化学農薬・肥料の使用量を少しでも減らして、環境に優しい資材を積極的に採用する動きが全国農業協同組合連合会や各地域のJA、農業試験場などを中心に見られ始めている。今後さらに環境保全型のアグリ資材市場を拡大するには、資材メーカー、農業試験場、JAが共同して化学農薬に匹敵する資材を開発し、農業生産者に使用ノウハウをきめ細かく指導するサービスへの取り組みがポイントとなる。

(1)養液栽培プラント
 2006年度 91億円   2012年度予測 115億円(12/06年度比126.4%)
 水耕、土耕栽培向けの養液栽培関連プラントおよびガラスハウスを対象としている。06年度の市場は91億円、前年度に比べ5.4%の増加である。方式別では、固形培地栽培プラント市場が最も大きく33億円となっており、次いで植物工場、そして湛液栽培プラント、NFT栽培プラントの順となっている。
 固形培地栽培プラントは、これまで主流であったロックウール培地栽培プラントに代わり、ヤシ殻など有機培地を利用した栽培プラントが飛躍的に伸びており、今後は有機培地が主流になっていくと予測される。植物工場は05年度比17%と高い伸びを示したものの、07年4月に植物工場のトップメーカー、コスモプラントが事業停止した。しかし市場は活性化しており拡大すると予測される。ガラスハウスは高機能硬質フィルムハウスにリプレイスが進んで今後も減少していくと予測する。

(2)養液栽培関連装置・機器・資材
 2006年度 38億円   2012年度予測 50億円(12/06年度比131.6%)
 養液栽培プラントに組み込まれる装置・機器・資材の市場であり養液栽培プラントの需要動向に左右され易い。06年度の全体市場は38億円、前年度比2.5%と微増であった。養液栽培関連装置・機器は、オランダなど海外製品の導入も進んでいる。品目別では、培地市場が最も大きく06年度19億円と全体市場の50%を占めており、売上の70%はリプレイス需要となっている。種類別では、ロックウールが大半を占めているが近年はヤシ殻などの有機培地の需要が急増しており、今後は有機培地の市場シェアが高まっていくと予測される。
 植物育成用光源は06年度で7億円となっており、前年度に比べ微増で推移している。次世代の栽培プラントとして拡大が期待されている植物工場の照明として注目のLEDは、高圧ナトリウムランプや蛍光ランプに比べて高額であり、生産コストの削減や耐久性向上が普及拡大のポイントとなる。

(3)環境保全型アグリ資材
 2006年度 55億円   2012年度予測 77億円(12/06年度比140.0%)
 環境負荷低減に貢献する資材4品目を対象とした。
 06年度は、55億円と前年度比8.7%の伸長が見られた。近年の食の安全・安心への社会的ニーズの高まり、輸入農作物の残留農薬問題のクローズアップ、減農薬栽培や有機栽培を志向する農家の急増などにより、環境保全型アグリ資材への注目度が高まりつつある。また欧米諸国では既に取り入れられているIPM(総合的害虫管理)手法を日本でも採用する動きが高まっており、各地域の農業試験場やJAが主体となって、農家への啓発活動に取り組んでいる。天敵農薬や微生物農薬などの生物農薬をすべて化学農薬に置き換えていくことは困難であるが、生物的防除で対応できるところは生物農薬を用いることで、化学農薬使用量を削減していこうという考え方が徐々に広がりつつある。このような社会的要請から、いずれの品目も今後市場が拡大すると予測されるが、生物的防除は、化学的防除に比べ、使い方や使用条件によって効果の表れ方が異なったり、効果の持続性に難点がある為、事業リスクが大きいと考えるユーザーもいる。今後の拡大を目指すにはユーザーに対してきめ細やかな使用ノウハウの提供やコンサルティングなどのサービスを充実させることが求められる


3.アグリビジネス参入企業の方向性

 企業の農業参入に関する規制は、段階的に緩和されつつあるが、まだ農地を自由に取得できない、まとまった面積のリース借り入れが困難といった障壁が存在している。更なる法改正で農業への参入規制を緩和し、大規模施設の栽培事業が期待される資金力豊富な民間企業が参入しやすい環境を整備することが求められる。
 一般企業による栽培事業の規模は06年度で約130億円に達していると見られる。最も大きなシェアを占めているのが食品・飲料系の企業である。その多くは自社商品の原料を安定調達することを目的としているが、カゴメ、キユーピー、ドールのように農作物を自社消費するのではなく、農産物を販売して事業収益の確保や、国内農業発展に寄与することを目的に掲げる企業もある。次いで多いのが建設会社で、特に地方の建設会社による栽培事業参入が活発化しており、参入件数では最も多い。特区制度を活用して栽培事業を展開している建設会社の数は、05年度から06年度で約30社増加した。
 サイゼリヤやワタミ、モスフードサービスのように外食産業による栽培事業の参入事例も増加傾向にあり、主に自社チェーンで提供するメニューの原料を安定調達することを目的としている。また、オリエンタルランドのようなレジャー施設を運営する企業も自社パーク内の飲食施設メニューの原料を安定調達することを目的としている。
 "食"と関わりのない企業も本業への間接的な利益が見込まれることから栽培事業に参入している。大塚化学グループは化学農薬、化学薬品などの自社製品の需要促進を目的に参入しており、JFEライフ、中部電力、西部ガスなどは自社工場内の遊休地(工業地)を有効活用してそこにプラントを建設して施設栽培事業を行っている。電力・ガス等のエネルギー会社は、施設栽培の普及に伴う電力やガスの需要増も期待している。また人材派遣大手のパソナは栽培事業による、ハイテク技術を用いた農業をアピールすることで農業関連の雇用創出を図っている。


<調査対象>
 一般の露地栽培関連装置・機器、汎用性の高い農薬、肥料、ハウス栽培関連施設は対象外とする。
(1)養液栽培関連施設市場  
 湛液栽培プラント、NFT(水耕栽培の一種)栽培プラント、固形培地栽培プラント、植物工場、ガラスハウス
(2)養液栽培用関連装置・機器・資材市場  
 植物育成用光源、給液管理装置、複合環境制御装置、養液栽培用殺菌装置、培地
(3)環境保全型アグリ資材   
 天敵農薬、微生物農薬、フェロモン剤、マルハナバチ

<調査方法>
 弊社専門調査員による関係企業、研究機関、官公庁等への面接取材を基本に、電話、文献調査により補完

<調査期間> 
 2007年4月~6月


以 上


資料タイトル: 「2007年版 アグリビジネスの最前線と将来予測」
体 裁:     A4判  223頁
価 格:     97,000円(税込み101,850円)
調査・編集:  富士経済 大阪マーケティング本部 第四事業部アグリ・プロジェクト
TEL:      06-6228-2020(代) FAX:06-6228-2030
発行所:     株式会社 富士経済
          〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
          TEL03-3664-5811(代)  FAX 03-3661-0165  e-mail:koho@fuji-keizai.co.jp

*この情報はホームページでもご覧いただけます。
 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ URL:https://www.fuji-keizai.co.jp/

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