住友化学、米HWと炭素ナノ素材「カーボンナノスフィア」の研究開発などで提携
新規炭素ナノ素材「カーボンナノスフィア」に関する提携について
住友化学は、このほど、米国ヘッドウォーターズ社(以下、HW社)と、新規炭素ナノ素材である「カーボンナノスフィア」に関する研究開発ならびにその事業化について、両社共同で進めていくことで合意いたしました。
「カーボンナノスフィア」(carbon nanospheres)は、球状の新しいタイプの炭素ナノ素材で、HW社が開発したcarbon nanospheres(以下、CNS)は、典型的なサイズが外径100nm以下で、中空構造になっております。その特徴的な構造から、「カーボンナノチューブ」(*1)(carbon nanotubes:以下、CNT)や「高性能カーボンブラック」(*2)(high performance carbon black:以下、HPCB)といった他の炭素ナノ素材と比べ、数々の優れた特長を有しています。
1.高い導電性
CNSはグラファイト化(*3)された独特の球状多層構造を持つことから、高い導電性を有します。このため、プラスチックの帯電防止用フィラー(*4)などへの応用が期待されます。また、導電性の高さから、従来のHPCBに比べ添加量が格段に少なくて済むため、プラスチック本来の強度を生かすことができます。
2.強度を損なわずに表面修飾が可能
CNTとは異なり、基本構造を崩さずに、強度や導電性を損なうことなく表面の修飾が可能です。これにより、各種のプラスチックに対する親和性を増すことができ、均一な組成のCNS含有プラスチックを容易に得ることができます。
3.製造プロセスがシンプル
製造プロセスが複雑なCNTに比べ、シンプルなプロセスで効率的に製造することが可能です。
CNSは、このような特長を有することから、これまでHPCBやCNTでは実現できなかった新しい用途に道を開くものと考えております。
住友化学は、今後、HW社と協力し、CNSの特徴を生かしたさまざまな用途開発研究を行っていきます。さらに、その成果を元にCNSに関する事業化を、HW社と共同で早期に実現していく考えです。
以 上
※米国ヘッドウォーターズ社が、同様の内容を現地にて公表しております。
※添付資料あり。