日本TI、高精度計測用途向けデルタ・シグマADコンバーターを発表
日本TI、優れた直流精度と交流性能を併せ持ち
振動解析や医療機器などの高精度計測用途に最適な
24ビット128kSPS、4/8回路同時サンプリング、
デルタ・シグマADコンバータを発表
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、デルタ・シグマADコンバータとしては他に例のない、優れた直流精度と交流性能の両方を併せ持ち、コスト効率も同時に提供するマルチ・チャネル、24ビットの工業向けADコンバータ二品種を発表しました。これらの新製品、『ADS1274』(4回路内蔵)および『ADS1278』(8回路内蔵)は、振動解析、医療用のモニタ装置、工業用および電気、ガスなどのエネルギー積算機器をはじめとする高精度を要求するマルチ・チャネルのシグナル・アクイジション・アプリケーション向けに、デルタ・シグマ型の同時サンプリング測定システムを提供します。本件の詳細に関しては http://www.tij.co.jp/ads1274 (日本語)から参照できます。
今回発表された『ADS1274』および『ADS1278』は62kHz(キロヘルツ)の帯域幅、0.8μV/℃(マイクロボルト/℃)のオフセット・ドリフト、最高111dB(デシベル)のSNR(信号-雑音比)などの特長を備えています。用途に応じてHigh Speed(高速)、High Resolution(高分解能)、 Low power(低電力)、Low speed(低速)の4種類の動作モードを有し、それぞれ128kSPS(キロサンプル/秒)のサンプル・レートのHigh Speed、111dBのSNRを52KSPSで提供するHigh Resolution、52KSPSを維持しつつ高精度モードの半分の消費電力を実現するLow Power、そして変換速度を10KSPSにすることで7mW/チャネル(ミリワット/チャネル)の消費電力を実現するLow Speed の各要求条件に最適化されています。
これまで、良好なドリフト性能を持つ工業用のデルタ・シグマADコンバータの信号通過帯域は急峻な下降特性を持っていたことから信号帯域幅が限られ、これらのADコンバータが適していたのはほとんど直流に近い信号の測定のみでした。またオーディオ・アプリケーション向けの高分解能ADコンバータはより大きな使用可能な帯域幅を備えていますが、オフセットおよびドリフトの仕様は工業用ADコンバータと比較して大幅に低いか、あるいは規定そのものがない場合がありました。『ADS1274』および『ADS1278』は、これら二種類のコンバータを組み合わせ、高精度工業計測用途において、優れた直流および交流性能を同時に提供することが可能です。
高次のチョッパ型変調器は、直流からナイキスト周波数までの信号帯域幅において非常に低いドリフト特性および低雑音特性を実現します。オンチップのデシメーション・フィルタによって変調器および帯域外のノイズを抑え、0.005dB未満のリップルで、最大でナイキスト周波数の90%までの使用可能信号帯域幅を提供します。
フレーム同期とSPIを選択できるシリアル・インターフェイスはDSP、FPGA、マイクロコントローラとの間のインターフェイスに役立ちます。両方のインターフェイスともにデイジー・チェーン接続をサポートしており、最大で106チャネルまで対応可能です。そのため、多数のチャネルを持つシステムにおいて複数の『ADS1274』および『ADS1278』のデータの読み取りを簡素化できます。『ADS1274』は-40℃~+125℃、『ADS1278』は-40℃~+105℃の拡張工業用温度範囲で特性が規定されています。
『ADS1274』および『ADS1278』はTIの『TMS320(TM)』高性能DSPプラットフォームとともに動作するよう最適化されています。また、TIではこれらのADコンバータ製品との組み合わせに最適で、最高の性能を実現する『OPA1632』および『OPA350』をはじめとするアンプ製品のポートフォリオも用意しています。
■ 『ADS1274』および『ADS1278』の特性表
* 関連資料 参照
■ 供給と価格について
『ADS1274』および『ADS1278』は現在供給中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは64ピンHTQFPです。1,000個受注時の単価(参考価格)は『ADS1274』が13.95ドル、『ADS1278』が23.95ドルで、評価モジュールも供給されます。
ハイパフォーマンス・アナログ製品に関する情報は、インターネットでも発信しています。( http://www.tij.co.jp/analog )
※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、教育関連テクノロジーを展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は217億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。TIに関する情報はインターネットでも発信しています。
読者向けお問い合わせ先
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