インターブランド、ブランドランキング「Best Global Brands 2007」を発表
Interbrand“Best Global Brands 2007”を発表
~Google、Nintendoが躍進!~
国際的なブランドコンサルティングファームであるインターブランドは、“Best Global Brands 2007”をBusinessWeek誌と共同で発表します。本ランキングは今年で7回目となります。
<Best Global Brands 2007 ハイライト>
トップ10ブランドの顔ぶれは、昨年度と同じものとなりましたが、携帯電話市場でのリーダーシップを確固たるものとしたNokia(5位、前年比12%増)、環境対応で他のブランドに抜きん出たToyota(6位、前年比15%増)、グローバルでの健康的なメニュー拡充が消費者に受け入れられたMcDonald’s(8位、前年比7%増)がそれぞれ一つずつ順位を上げました。一方、競争激化により価格優位が危うくなりつつあるIntel(7位、前年比4%減)が2つランクダウンし、Disney(9位、前年比5%増)がグローバル化に注力しブランド価値は向上したのですが、1つ順位を落しました。BMW(13位)は、顧客とのあらゆる接点をブランドと整合させ、グローバルで統一したイメージ浸透に成功することでブランド価値を向上させ続けており、本年も前年比10%増となりました。
本年度のランキングにおいて最も価値が向上したブランドは、Google(20位)であり、前年比44%増、ランクイン3年目にしてトップ20入りを果たしました。Googleは、単なる検索エンジンのブランドから、ニュース、映像、地図、財務情報などサービスを拡大し、IT産業を代表するブランドと認識されるまでになっています。
一方、最も価値が減少したブランドは、Ford(41位)であり、前年比19%減となり、価値の減少に歯止めがかからない状況となっています。かつて、”Made in America”の象徴であったFordも、多くの外国車が米国内で生産されることで、そのポジショニングがあいまいになっており、燃料高による消費者の大型車離れに拍車がかかる状況の中で、Fordらしさを早急に再定義する必要に迫られています。
<アジアブランド ハイライト>
Nintendo(44位)は、ゲームの概念を変えるインパクトをもったWiiがグローバルでローンチを成功させ、また今までの顧客層を拡大し誰でもどこでも楽しめる機会を提供したDSが引き続き好調に推移していることから、前年比18%と大幅な増加となりました。WiiやDSは、顧客のニーズを自ら生み出すというNintendoの本来の強みを再確認させるものであり、また市場導入時おいてグローバルで統一された商品、WEB、イベント等を展開し、非常に効率的にブランドを浸透させたことが今回の結果につながりました。
Toyota(6位)のブランド価値が前年比15%増となり、3年連続で世界の自動車ブランドの中でトップの地位を維持しつつ、更に順位を上げました。トヨタ自動車は、本年の見込ベースでは、販売台数でGMを除き世界最大の自動車メーカーとなる可能性がありますが、その多くをToyotaブランドで展開しており、ブランド価値も順調に向上しています。その原動力の一つとなっているのが、グローバルでもトップレベルの環境社会への取り組みです。プリウスに乗ることは、地球環境を意識していることを表現する代名詞にまでになっています。
また、昨年度ランキング入りを果たしたLexus(92位)は、米国では引き続き圧倒的な強さを見せ前年比9%増となっていますが、欧州および日本では、BMW(13位、前年比10%増)やメルセデス(10位、前年比8%増)に並ぶ存在になるまでには至っていません。
米国での環境対応に対する高い評価を背景にHonda(19位)も前年比6%増となりました。
一方、Nissan(98位)は、燃費の低いSUVが製品ラインナップで高い比重をしめていることが、昨今の燃料高に悩まされた米国消費者の嗜好と逆行し、前年比1%減となりました。また、Hyundai(72位)は、欧米での品質イメージが向上し、前年比9%増となりました。
精密・電機メーカーでは、Samsung(21位)が、薄型TVで成功しているものの、携帯電話で伸び悩んだことにより、これまでの勢いは薄れ前年比4%の増加にとどまりました。
また、SONY(25位)は、Braviaやその他家電製品の成功により、リチウムイオン電池問題を払拭し、プレミアムイメージ維持にも成功したことで、前年比10%増となりました。
Canon(36位)は、昨年に引き続きデジタルカメラ市場における存在感を更に高め、技術力に裏打ちされた利便性の高い製品により、デジタルイメージ市場におけるグローバルリーダーとしての立場を維持し、前年比6%増となりました。
Panasonic(78位)は、引き続きプラズマTVでの圧倒的なポジションを維持し、前年比4%増となりました。
LG(97位)は、昨年までの増加を牽引した携帯電話が伸び悩みましたが、同社の様々な家電製品は、各地域において存在感を増しており、前年比3%増となりました。
なお、ビジネスウィークの特集記事“The 100 Top Global Brands”はhttp://www.businessweek.comにて閲覧できます。
<Best Global Brands 2007のブランド価値評価について>
ブランドは、単なるイメージではなく、企業の最も重要な資産として位置づけられており、そのブランド価値をマーケティング、財務といったあらゆる観点から測定し、それに基づいてブランド価値を向上させることは、企業価値向上へつながる最も重要な経営のテーマとなっています。
本ランキングにおけるブランド価値は、インターブランドが約20年前に世界に先駆けて開発した手法を用いて算出されたものです。当社はこの手法でこれまでに5,000以上のブランドを評価してきました。
本ランキングのブランド価値は、評価対象ブランドが将来生み出すと予測される経済的利益の正味現在価値として計算されています。評価にあたっては、最低でも30億ドルのブランド価値があること、グローバルに事業展開していること、マーケティングおよび財務データが公表されていること、そして、特定の顧客だけでなく、広く一般に認知されていることなどの条件が考慮されています。
<Interbrandについて>
インターブランドは、1974年に設立され、世界24カ国、34拠点のオフィスを通じ、世界の有名企業をはじめ、あらゆる企業や政府・公共団体をクライアントに、ブランド価値評価を含めブランディングに関する様々なサービスを提供しています。戦略的な視点とクリエイティブの視点の両方を併せ持ち、ブランドを創り、その価値を高め、維持し、評価するという一連のサービスを通じてクライアントの最も価値ある資産であるブランドの価値向上をサポートしています。インターブランドについてのさらに詳しい情報については、http://www.Interbrand.comをご覧ください。
以 上
※詳細は添付資料をご参照ください。