シャープ、「容積40m3(約10畳)空間におけるセラチア菌の除去効果」を検証
容積40m3(約10畳)空間にて効果を実証
プラズマクラスターイオン(※1)によるセラチア菌の除去効果を
ハーバード大学公衆衛生大学院 メルビン・ファースト名誉教授と検証
シャープは、公衆衛生学(※2)の権威である米国ハーバード大学公衆衛生大学院 名誉教授メルビン・ファースト博士の浮遊微生物評価技術(※3)をもとに、空気中にプラスとマイナスのイオンを放出し、浮遊有害物質を除去する独自の空中浄化方式「プラズマクラスターイオン技術」について浮遊菌評価技術を共同で開発、「容積40m3(約10畳)空間におけるセラチア菌(浮遊病原性細菌(※4)の一種)の除去効果」を検証しました。
セラチア菌は、病院で問題となっている院内感染菌の一種であり、一般家庭でも洗面台や風呂場などの湿度の高い環境に存在します。菌を含んだ水滴などの飛沫を体力の弱った人が吸引すると感染し、肺炎などの病気を発症させる微生物として知られています。今回、通常は実験するのが難しい細菌・ウイルスを専門に取り扱うバイオセーフティーレベル3(※5)の容積40m3(約10畳)の施設で、セラチア菌を空間に浮遊させて、プラズマクラスターイオンを放出した場合の浮遊セラチア菌濃度の変化を調べ、38分で99%の除去効果を確認できました(図1)。当社は、これまでに世界各地の学術機関と共同で、プラズマクラスターイオンが浮遊する細菌、真菌、ウイルスおよびアレルゲン物質など有害物質の除去効果を実証しており、今回で27種類目となります。今後、健康的な環境を創出できるようさらに技術開発を進めてまいります。
また今回得られた検証結果をもとに、当社は「すべての空間をプラズマクラスターイオン空間に」のコンセプトで北米、欧州、アセアンなどグローバルな事業展開へ積極的に取り組んでまいります。
(※1) プラズマクラスター、プラズマクラスターイオンおよびPlasmaclusterはシャープ株式会社の商標です。
(※2) 人間を取り巻く自然的・社会的環境要因と健康との関連を考究し、疾病予防、早期発見および健康の維持増進に役立てる学問。
(※3) 容積40m3空間において空気中の病原性細菌・ウイルスを採取・分析する技術。バイオテロ対策の開発に応用。
(※4) 空気中に浮遊して人間の呼吸により体内に侵入し、疾病の原因となる細菌。
(※5) 細菌・ウイルスなどの病原体を取り扱う設備の分類。世界保健機構(WHO)が制定したLaboratory biosafety manualに基づき、各国で基準を定めている。レベル3は有効な治療法、予防法は確立しているが、ヒト或いは動物に重篤な病気を起こす病原体(結核菌、SARSウイルス、トリインフルエンザウイルスなど)を取り扱い可能な設備。