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2025'01.24.Fri
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2007'10.29.Mon

富士経済、国内の粘着剤・接着剤市場調査結果を発表

― 2012年予測 ―
粘着剤・接着剤市場は104.8万トン(06年比8.7%増)、4,323億円(06年比21.3%増)
国内の粘着剤・接着剤市場の調査を実施


 総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 03-3664-5811)は、環境対応や高機能化する粘着剤・接着剤の市場を調査した。その結果を報告書「2007年 粘接着剤の用途・機能別マーケットの展望」にまとめた。

 本報告書は、粘着剤・接着剤市場を「合板・木工」、「包装・製本・紙加工」、「建築・土木」、「繊維・皮革」、「エレクトロニクス」、「自動車・車両」、「その他」の7つの"用途分野"と粘着材・接着剤28の"品目"の両側面から分析し、用途分野別では最新需要動向、品目別では市場推移や環境問題対策、用途開発動向などを明らかにした。


<調査結果の概要>
1.国内粘着剤・接着剤市場 ※数字は全てメーカー出荷ベース
 ※添付資料1をご参照ください。

 06年の国内粘着剤・接着剤市場は景気の回復を背景に緩やかに拡大している。特にエレクトロニクス分野向け需要が牽引し、数量ベースで前年比1.8%増、金額ベースでは、材料価格の高騰による製品価格の上昇で同6.1%増となった。エレクトロニクス分野では液晶TV、パソコンなどの好調を受け、反射防止フィルムやプロテクトフィルムなどの生産増に伴い、粘着剤の需要が拡大した。また、環境対応への関心が高まっており、ユリア樹脂系などのホルマリン系の接着剤や、CR系など溶剤形接着剤の需要の減少が続いている。一方、溶剤形接着剤に代わってエマルジョン形、ホットメルト形接着剤の需要が拡大している。エマルジョン形やホットメルト形接着剤の中でも、より機能性が求められており、アクリル樹脂系エマルジョン形や反応型ホットメルト形接着剤の需要が拡大している。


<注目応用分野の動向>
◎エレクトロニクス分野◎  2006年  05年比(%)  2007年見込  06年比(%)
        数量ベース  6.5万トン  126.3     8.0万トン    123.1
        金額ベース  785億円   112.3     884億円    112.6

 エレクトロニクス分野における粘着剤・接着剤はこの分野の好調を受け市場拡大している。液晶TVなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用フィルム(反射防止フィルム、プロテクトフィルム等)に使用されている粘着剤(アクリル樹脂系感圧形接着剤)の使用が最も多く、全体の90%弱を占めている。粘着剤はFPDのパネルサイズの大型化に伴い、使用されるフィルムサイズも大型化していることから使用量が増えている。
 その他にエレクトロニクス分野ではシリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤などの機能性接着剤や、ホットメルト形接着剤など、様々な接着剤が使用されているが、電子部品の小型化に伴い、部品当たりの接着剤使用量は減少している。しかし、エレクトロニクス向け接着剤は高機能品が多く、総じて高単価であることから、金額ベースの市場規模は、接着剤需要量が5倍の合板・木工分野や4倍の包装・製本・紙加工分野とほぼ同額である。

◎建築・土木分野◎   2006年  05年比(%)  2007年見込  06年比(%)
     数量ベース  12.1万トン  96.5      11.9万トン    98.3
     金額ベース   517億円  101.4      522億円     101.0

 建築・土木分野における粘着剤・接着剤は、市場そのものは僅かな伸びに止まっているが、粘着剤・接着剤への需要がVOC(揮発性有機化合物)対策対応品や高機能品へと移行している。プロファイルラッピング(内装用)や床暖フロアなどに使用されるウレタン系接着剤への需要が最も高く、数量ベースの20%(第1位)を占めている。フローリングなどの床仕上げでは弾力性や振動吸収性が要求されており、建築市場が飽和する中で、ウレタン系接着剤はエポキシ樹脂系接着剤(数量ベース全体の約13%:第3位)からの代替需要を獲得し、僅かに需要が増加している。
 ウレタン系接着剤に次いで使用されるのがアクリル樹脂系エマルジョン形接着剤(同14%:第2位)で酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤(同13%:第3位)からの移行があり、今後は僅かに需要が増加すると予測される。また、まだ量的には少ないが、需要が増えているのが反応型ホットメルト形接着剤や水性高分子―イソシアネート系接着剤、変成シリコーン系接着剤(弾性接着剤)である。これらはVOC対応品で、溶剤形接着剤からの代替需要で伸びており、今後も拡大が期待される。変成シリコーン系接着剤に関しては弾力性や耐震性を求めるニーズにも合致している。逆に、建築分野の様々な用途で採用されていたCR系をはじめとする溶剤形接着剤は近年の環境規制により需要が縮小している。


<注目粘着剤・接着剤の動向>
◆粘着材(アクリル樹脂系感圧形接着剤)◆
 ※添付資料2をご参照ください。

 粘着剤(アクリル樹脂系感圧形接着剤)はエマルジョン形と溶剤形があり、主に溶剤形の粘着剤需要の伸びに支えられて、06年の市場規模は数量ベースで前年比11.0%増の14.2万トン、金額ベースで同23.5%増の447億円となった。
 エマルジョン形粘着剤は、包装・製本・紙加工分野の需要が100%で、ラベル・シール用途などに使用される。市場は成熟しているものの、需要自体が大きく減少することもなく、今後もほぼ横這いと予測される。溶剤形粘着剤は、エレクトロニクス分野向けの市場が拡大している。特に、液晶パネルの製造工程で使用されるプロテクトフィルム向けに需要が拡大している。液晶テレビの国内生産量は当面高い伸びが予測されることから、それに伴い溶剤形粘着材の需要も拡大すると予測される。

◆アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤◆
 ※添付資料3をご参照ください。

 アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤は、溶剤形接着剤や酢酸ビニル系エマルジョン形接着剤からの代替によって需要が拡大し、06年の市場は数量ベースで前年比2.7%増の8.8万トン、金額ベースで同5.5%増の220億円となった。耐水性や耐熱性に優れ、紙のほか、フィルムやラミネート紙の接着にも優れていることから、包装・製本・紙加工分野の用途が数量ベースの42%を占めている。また、繊維・皮革分野の用途が31%を占め、建築・土木分野でもポリエチ/ウレタン/スチレンフォームなどとの張り合わせで建材を作るときに使用されている。
包装・製本・紙加工分野ではオンデマンド印刷、DTP(ディスクトップパブリッシング)の増加により、紙の接着(紙包装向け)や、熱接着フィルムラベル向け需要が拡大した。繊維・皮革分野ではアルキルフェノールエチレンオキサイドフリー、アルデヒドフリーであることから、溶剤形接着剤からの代替が進んでいる。しかし、繊維産業自体が伸び悩んでいることで、需要は横ばいとなった。また、建築・土木分野でも溶剤形接着剤からの水性化やホルムアルデヒド対策での代替は一段落しており、需要は横ばいとなった。
 紙の接着(紙包装向け)と熱接着フィルムラベル向けの需要は増加しているものの、ユーザーが海外生産シフトを進めていることや、加工品の輸入増加による需要縮小もあり、市場は横ばいが続くと予測される。

◆反応型ホットメルト形接着剤◆
 ※添付資料4をご参照ください。

 反応型ホットメルト形接着剤は、脱溶剤化の流れを受け、溶剤形接着剤に代わり需要が伸びている。また、ホットメルト形接着剤の中では耐熱性が高く、耐熱要求需要も獲得している。特に、建材分野での需要拡大が市場全体を牽引し、06年の市場は数量ベースで前年比5.5%増の2,900トン、金額ベースで同11.9%増の30億円となった。数量ベースの66%が建築・土木分野、21%が自動車・車両分野で使用されている。
 建築・土木分野(特に建築分野)では、プロファイルラッピング、ふち張り、家具の組立てなどの需要が伸びており、溶剤形接着剤からの代替も進み、需要が拡大した。一方、自動車・車両分野では、溶剤形接着剤からの代替はほぼ完了し、生産台数に連動した需要となっているが、今後、自動車の海外生産へのシフト拡大に伴い、国内需要は減少に転じる見通しである。繊維・皮革分野ではスポーツウエアの製造などに採用されているが、これも海外生産へのシフトにより減少する見通しである。その他、エレクトロニクス分野では電子部品の組み立て、包装・製本・紙加工分野では製本用途に採用されている。しかし、製本用途で反応型ホットメルトはEVA系ホットメルトに比べ価格が高く、採用は進んでいない。

◆変成シリコーン系接着剤(弾性接着剤)◆
 ※添付資料5をご参照下さい。

 変成シリコーン系接着剤は、主に建築・土木分野において戸建住宅から中層ビルの外装、また、地下鉄など振動の多い構造物に使用される。06年の市場は数量ベースで前年比6.7%増の6,500トン、金額ベースで同17.0%増の78億円となった。数量ベースの80%が建築・土木分野で使用されている。
 建築市場低迷の中、長期的な弾力性を維持するなど、優れた機能性でエポキシ系接着剤やウレタン系接着剤を代替し、建築分野を中心に市場拡大すると予測される。


<調査対象>
 ※ 関連資料参照


<調査方法>
 富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体などへの直接面接取材及び富士経済社内データベースの活用と公的データの収集と分析


<調査期間>
 2007年5月~7月


以上


資料タイトル :「2007年 粘接着剤の用途・機能別マーケットの展望」
体    裁  :A4判 311頁
価    格  :100,000円 (税込み105,000円)
          CD-ROM付価格 110,000円(税込み115,500円)
調査・編集  :富士経済 東京マーケティング本部 第三事業部
          TEL:03-3664-5821  FAX:03-3661-9514
発 行 所  :株式会社 富士経済
          〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
          TEL03-3664-5811(代) FAX 03-3661-0165
          e-mail: koho@fuji-keizai.co.jp

 この情報はホームページでもでもご覧いただけます。
  URL: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
       https://www.fuji-keizai.co.jp/

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