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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2024'09.22.Sun
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2008'01.25.Fri

日立と群馬大、離れた場所からも計測できる地震加速度計測システムを開発

建物や橋梁などの構造物や地盤に容易に設置可能な地震加速度計測システムを開発

計測データの無線送信や電池での駆動が可能な小型な計測システム


 国立大学法人群馬大学(学長:鈴木 守/以下、群馬大学)と株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、地震が建物や橋梁などの構造物や地盤に与える力を、離れた場所からでも計測できる、地震加速度計測システムを開発しました。このシステムは、センサネットと呼ばれる日立が開発したセンサネット情報システム「日立AirSense」を応用したもので、センサ、無線通信機能、駆動電源を備えたセンサノードで構成される小型端末を測定対象に設置し、センサによって測定したデータを無線ネットワークで配信・データ管理を行うものです。具体的には、地震に伴う振動の激しさを示す加速度を、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した三次元加速度センサで計測して、その計測データを無線で基地局に送信、インターネット等を介して遠隔のデータセンタに送信してデータの管理を行います。本システムは、地震波を自動検知して加速度の計測を開始・データ送信する仕組みで、低消費電力での無線送信が可能なセンサネットを使用していることから、電池での駆動が可能です。また、装置全体も小型でかつ経済性に優れたシステムであることから、様々な計測対象に容易に設置して、高密度で計測することができます。地震災害発生メカニズムの解析や、構造物の被災状況の診断など、今後の地震防災分野での応用が期待できるシステムです。

 これまで、地震が建物や橋梁などの構造物や地盤に与える力を解析する方法として、主にシミュレーションを用いた解析が行われています。また、主要な建物などの構造物には、地震計が設置されるなど、地震が与える力の計測が進められています。しかしながら、地震防災の高度化や災害復旧の迅速化のためには、広範囲に設置した計測データを用いた解析が有効であることから、様々な計測対象に容易に設置でき、かつ迅速に解析できる技術の開発が求められていました。

 このような背景のもと、群馬大学と日立は、小型で電池駆動が可能でかつ無線通信で計測データを配信できる、地震加速度計測システムを開発しました。
 開発した地震加速度計測システムは、地震に伴う振動の激しさを示す加速度を計測する三次元加速度センサと、その計測データを無線送信するセンサノードで構成しています。計測の方法は、まず、地震発生時の地震波を自動検知して、三次元加速度センサが加速度の計測を開始し、メモリにデータを保存します。計測終了後、計測データを無線で基地局に送信し、インターネット等を介して遠隔のデータセンタに送信します。データセンタでは、計測データを蓄積するとともに、あらかじめ指定されたネットワークへ再配信することも可能であることから、遠隔地からのデータ確認が可能です。

 今回開発したシステムの特徴は、以下の通りです。

1.MEMS技術を応用した三次元加速度センサを採用
 今回、加速度を計測するセンサとして、MEMS技術を応用した三次元加速度センサを採用しました。センサは縦2.9mm×横2.9mm×高さ0.92mmの小型・低消費電力型のもので、地震発生時には1秒間に100回の加速度計測を行うことが出来ます。

2.計測システムの小型化、無線通信化、電池駆動により、様々な計測対象に設置可能
 計測システムは、地震波を自動検知して加速度の計測を開始・データ送信する仕組みで、あわせて、低消費電力での無線送信が可能なセンサネットを使用していることから、電池での駆動が可能です。そのほか、計測データの送信は無線で行うこと、装置本体も小型(縦45mm×横60mm×高さ25mm)であることから、新たな配線が不要で、様々な計測対象に容易に設置することが可能です。
 また、屋外での設置を想定した防水仕様や、地盤の加速度を測定するため、三次元加速度センサのみを地中に埋設する地中埋設型センサも、あわせて開発しました。

3.遠隔地からの計測が可能
 計測したデータは、無線で基地局に送信し、インターネット等を介して遠隔のデータセンタに送信してデータセンタに送信し、管理します。データセンタでは、計測データを蓄積するとともに、あらかじめ指定されたネットワークへ再配信することも可能であることから、遠隔地からのデータ確認が可能です。また、計測システムの無線状態や電池の消耗度などのデータもデータセンタに送信していることから、計測システムの保守も遠隔から行うことが出来るなど、効率的な運用が可能です。

 今回開発した計測システムは、遠隔地から計測データを確認することが容易なことから、これまで計測を行うことが困難であった場所や、広範囲で計測を行う必要があった場所への設置が容易になります。具体的には、山の斜面、ビル、橋梁、道路、鉄道、トンネル、高架道路などへの設置により、地震発生時の被災モニタリングや耐震性能劣化モニタリング、地震災害発生メカニズム解析などへの活用が期待できます。また、日立AirSenseを応用したシステムであることから、従来の高精度計測器に比べ経済性に優れているなど、センサを高密度で設置することが可能となり、より詳細なデータ計測を実現するシステムであると期待しています。
 本件は、財団法人科学技術振興機構の支援を受けて進めているプロジェクトで、2007年3月より、群馬県高崎市の地すべり防止区域、群馬大工学部棟など3箇所に本計測システムを設置して、遠隔からの地震時の挙動計測実験を開始しています。
 また本件は、8月28日から三重県四日市市で開催される社団法人日本地すべり学会主催の研究発表会にて発表する予定です。


以上

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