IRジャパン、マルチフェーズ電源向けチップ・セットをサンプル出荷
インターナショナル・レクティファイアー
マルチフェーズ電源向けのチップ・セットをサンプル出荷
~ 最新マイクロプロセッサの電源向け、IR社独自のXPhaseアーキテクチャ ~
パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は25日、マルチフェーズ方式(*1)DC-DCコンバータ向けアーキテクチャ「XPhase(R)」を採用したチップ・セットのサンプル出荷を開始しました。XPhaseは、相(フェーズ)の数を変えられるのが特徴です。
このチップ・セットは、コントロールIC「IR3500」とフェーズIC「IR3505」で構成されます。Intel(R)社やAMD(R)社の高性能マイクロプロセッサ(MPU)向けのマルチフェーズ電源に最適です。IR3500は、6ビット・データで出力電圧を設定できます。パッケージは、IR3500が面積5mm×5mmの32ピンMLPQ、IR3505が面積3mm×3mmの16ピンMLPQです。
最新のXPhaseチップ・セットは、スイッチング周波数が高く、外付け部品点数を25%削減できます。前世代の製品と比べて、5相構成の設計時に実装面積を45%削減できます。IR社独自のDirectFET(R)パッケージを採用したパワーMOSFETであるIRF6622とIRF6628と組み合わせて構成すると、さらに効率を改善できます。このチップ・セットは、電圧識別(VID)のスルー・レートやオフセットを設定可能で、負荷への出力インピーダンスも設定できます。瞬断電流保護や、トリガの誤りを避けるための遅延、正しく動作していることを示すパワー・グッド信号出力を備えています。
サンプル価格は、IR3500が530円、IR3505が450円(いずれも税込み)の予定です。2品種とも鉛フリー品で、欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ(www.irf-japan.com)から入手できます。
<XPhase(R)について>
XPhaseは、IR社独自の分散型マルチフェーズ電源アーキテクチャです。コントロールICとフェーズICで構成されます。各IC間は、シンプルな6線式バスを使って接続されます。基本設計を変えることなく、フェーズ(相)の数を増減することができます。6線式バスは、3本のデジタル位相タイミング・バス、平均電流、誤差アンプ出力、VID電圧で構成されます。このバスの採用によって、コントロールICとフェーズICとの間を1対1で配線する必要がなくなります。従って、相互接続の距離が短くなり、寄生インダクタンスや雑音を低減できます。プリント回路基板のレイアウトが簡素化されるので、設計が容易になります。
<用語説明>
*1)マルチフェーズ(multiphase)方式:複数の電源モジュール(DC-DCコンバータ)を並列に動作させ、その出力位相をずらして加算してからマイクロプロセッサ(MPU)に電力を供給する方法です。並列にしたDC-DCコンバータの数が相(フェーズ)です。各フェーズICをコントロールICで制御します。抵抗などによる損失を低減でき、各電源回路の負荷も軽減できます。100A程度の大電流が必要なMPUで採用される回路構成です。
<インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。
注:IR(R)、XPhase(R)、DirectFET(R)は、International Rectifier Corporationの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。
(※ 参考画像は関連資料を参照してください。)