株式会社アッシュ 平成16年3月11日 株式会社アッシュは中堅編集プロダクションとして活動しているが、その得意分野に米国パラマウントピクチャーズの人気TVシリーズ「スタートレック」の関連書籍がある。一方徳川システムはデータハウスビーグルのブランドでCD-ROMやDVD-ROMメディアのマルチメディア・タイトル制作・販売を主に活動し、同じく「スタートレック」タイトルを多数発売してきたことから、両社は共同で書籍編集を行う関係となっていた。その後デアゴスティーニジャパンが平成15年2月に創刊した「週刊スタートレック ファクトファイル」の制作をアッシュが受託した際も、徳川システムを編集パートナーに作業を開始した。 しかし、2社のジョイント体制による作業の中で、札幌と東京という離れた2社間のデザインデータの送付や印刷物の校正といった問題点がクローズアップされてきた。DTPのデザインデータは出版業界の慣習としてMO(光磁気ディスク)で物理的に輸送しており、また校正は印刷したものを赤ペンで指定するというやり方であった。こうした物理的な輸送手段が介在するため、週刊誌のような発行サイクルが短い定期刊行物を2社が協同で編集・制作するにおいて遠距離であるということが大きな障害となった。そのため当初の制作体制としては、札幌の徳川システムがテキスト/写真等のコンテンツの作成と監修を行い、それより先のレイアウトから校正までを東京のアッシュが担当するといった分業体制を取らざるをえなかった。 アッシュはこうした不便さを解消すべく効率的な編集手法を模索していたが、もともとITが専門業務である徳川システムより高速インターネット回線でアクセス可能なサーバーを核として、デザインデータを含む各種データを一元管理するシステムを導入することで解決できるのではないかという提案があった。IT化が進みコンテンツ産業の地域分散化が進む中、書籍編集が東京近郊に一極集中していることに疑問を感じていた岡本社長はこの提案を受け入れ、アッシュが出版編集に関わるノウハウの提供とシステムの監修を行い、徳川システムがシステムを設計・制作するという体制で実験を開始した。また、その過程で徳川システムはこのスキームを「地方都市における全国向け定期刊行誌の制作システムの開発運用」として経済産業省のが平成15年度の中小企業支援事業「IT活用型経営革新モデル事業」に応募したが、同省中小企業局が策定した事業主旨とあったため採択に至り、システム開発の後押しとなって実用化が早まった。 開発したシステムは高速インターネット回線でアクセス可能なサーバーを核として、デザインデータを含む関連のデータの全てを電子化し、一元管理するというもの。札幌と東京と離れていてもサーバー上で同じファイルの参照や更新が可能であり、アッシュと徳川システムは同じオフィスの別室で作業をしている感覚で書籍制作が可能となった。色校正はプリンタ出力したものを確認するが、それぞれのシステムの色空間の調整を重ねることで、紙原稿の確認を行うのと変わらないレベルの精度を実現している。このシステムの導入により、東京のアッシュからの指示で札幌においてリアルタイムの変更・修正が可能となり、距離を感じずに編集を行える体制となった。 本システム使用以前、「週刊スタートレック ファクトファイル」の創刊号から54号までは徳川システムとアッシュによる従来通りの分業体制で制作していたが、3月16日に発売される55号以降は、東京のアッシュの監督の下、札幌でレイアウトから校正までも含む全行程を行うこととした。読者が手にする本自体に違いは無いが、編集から校正までのタイムラグが減ったことで、より高品質の本が提供できるという副次効果も生まれている。 アッシュは本システムを活用し、今後も徳川システムをビジネスパートナーとして全国向けの書籍編集・制作業務の受注拡大を目指す他、地方で書籍制作を行う人材の発掘を目標としている。 このリリースに関するお問い合わせ |