セイコーNPC、通過帯域周波数調整機能など内蔵の3チャンネルビデオバッファを出荷開始
通過帯域周波数調整機能内蔵、HD広帯域信号に対応した
3チャンネルビデオバッファ「SM5309AV/BV」量産出荷開始
セイコーNPC株式会社(略称:NPC、本社:東京都中央区日本橋兜町15番6号、代表取締役社長:五味 佳文)は、通過帯域周波数調整機能を内蔵し、SD~HD信号までに対応したローパスフィルタ内蔵3チャンネルビデオバッファ「SM5309AV/BV」を開発し、量産出荷を開始しました。
近年、液晶(LCD)、プラズマ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)などディスプレイの多種多様化に加え、HD(高精細)対応映像機器の普及が急速に進んでいます。一方で、テレビ、DVDをはじめとする映像機器の価格競争も激化しています。そのため、セットでは基板数の削減、電子部品では部品点数の削減やICの1チップ化などの小型化、集約化が急務となっています。
この度リリースしました「SM5309AV/BV」は、LCD TV、PDP TVのアナログ映像信号入力フィルタとして、数多く採用実績のある弊社従来品SM5302ASシリーズの後継機種になります。通過帯域周波数調整機能の内蔵によるSD~HDまでの幅広い信号帯域への対応はもちろんのこと、VSOP-24を採用し、従来品に比べパッケージサイズを1/2以下にしました。加えて、消費電力につきましても、従来品に比べSM5309AVでは30%、SM5309BVでは20%削減しました。これにより、アナログ信号処理ブロックにおける一層の基板面積縮小、低消費電力化が実現できます。
「SM5309AV/BV」はアナログ映像入力信号(RGB、YPbPr)に対し、入力プレフィルタ(アンチエリアシングフィルタ)として機能します。本製品を使用することにより、AD変換時に発生する折り返しノイズの原因となる高周波成分を除去することができます。フィルタの通過帯域周波数は、4MHz~40MHzまで256通りの設定が可能です。また、ICの各種設定をI2C-bus(*1)によりコントロールし、3種類のスレーブアドレスが用意されているため、同一バスライン上で同時に最大3個の本製品を使用することができます。
「SM5309AV/BV」は、駆動可能な負荷抵抗が異なる2バージョンを用意しており、お客さまの使用目的に合わせ選択することが可能です。
セイコーNPCでは、今後も多様なアプリケーションに対応する、お客さまのニーズに合った製品展開をめざして行きます。
(*1)I2C-busは、NXP B.V.の登録商標です。
【 新製品概要 】
製品名:SM5309AV
SM5309BV
サンプル価格:200円/個
《税込価格》《210円/個》
量産出荷時期:量産出荷中
量産予定数量:50万個/月
■新製品の主な特長
・通過帯域周波数を256通り調整可能なローパスフィルタ機能(CH-1~CH-3)
通過帯域周波数範囲:4MHz~40MHz
・SXGAまでの解像度に対応したフィルタバイパスモード機能(CH-1~CH-3)
通過帯域:80MHz(typ)
・コンポーネント信号(YPbPr)に適したハーフfcモード(Pb,Pr信号の通過帯域幅をY信号の1/2にする)への切換え可能(CH-2、CH-3)
・2系統入力マルチプレクサ機能(I2C-busまたはMUXSEL端子で切換え可能)
・映像入力端子のカップリング方式は、ボトムクランプ/ACカップリング/DC直結をチャンネルごとに選択可能(CH-1~CH-3)
・負荷抵抗を300Ω(Aバージョン)/75Ω(Bバージョン)まで駆動可能
・入出力ゲイン:0dB
・パワーダウン機能
・I2C-bus(*1)によるコントロール
・電源電圧
アナログ:4.75V~5.25V
デジタル:3.0V~5.5V
・動作周囲温度:0℃~70℃
・パッケージ:VSOP-24
(*1)I2C-busは、NXP B.V.の登録商標です。