ガートナー ジャパン、企業PCのOSを更新する目的に関して調査結果を発表
ガートナー ジャパン発表
PC OS更新目的は”安定稼働”から”安全稼働”へ
企業のビジネス・ワーカーの意識とニーズ
ガートナー ジャパン株式会社(所在地:東京都目黒区、代表取締役社長:日高 信彦)のリサーチ部門は、企業のビジネス・ワーカーがパーソナル・コンピュータ(PC)のオペレーティング・システム(基本ソフト、以下OS)を更新する目的についての調査結果を発表いたしました。
これによりますと、ビジネス・ワーカーが業務で利用するPCのOSを更新する最大の目的は、セキュリティをより高いものにして”安全稼働”を確保するためということが分かりました。
■OSに対しても”セキュリティ”
これまでPCのOSが果たす役割は、効率的なファイル管理、グラフィカルな操作性、マルチメディアの取り込み、Web技術との融合など、それぞれの時代のテクノロジとユーザー・ニーズに応じてそのテーマを変えてきましたが、今日の企業のPC利用者はOSに対してセキュリティを第1に選んでいます。
ガートナーはこのほど「OSを更新する目的/意義」についてビジネス・ワーカーを中心とするPC利用者に調査を実施しました。その結果、最も多かった回答が「セキュリティを高めるため」でした(図参照)。Winnyなどによる相次ぐ情報漏洩事件や、個人情報保護法施行以降の情報漏洩対策への意識の高まりなどから、情報セキュリティに極めて高い関心が向けられています。また、企業情報システムにあって、”PCが最大のセキュリティ・ホール”と言われて久しいこともあり、PCの基本的な性能を左右するOSに対してもセキュリティが最も重要視されていると考えられます。ほぼ同時期に企業の情報システム担当者に対しても同様の調査を実施しましたが、こちらでも「セキュリティの向上」が第1番目に重要とされています。企業におけるOSの更新の基本的な理由は、PCやOSの定期的なライフサイクルに依存してはいますが、昨今は企業のPCの管理者も利用者も安全な利用に対する意識が高く、華やかな新機能よりも地味なセキュリティに大きな関心が向けられています。
■”安定稼働”から”安全稼働”へ
先ごろ、マイクロソフトはWindows XP Home Editionのサポート期間を2014年まで延長すると発表しましたが、セキュリティ・パッチの配布などを含むOSのサポートは、PCを安全な環境で利用する上で極めて重要なサービスとなっています。仮にサポートを打ち切った場合、ホームPC利用者が多いHome Editionとはいえ、安全な利用環境の提供を放棄したと利用者から見なされることから、今日のPC利用者がOSに対して最も重視するセキュリティの確保を引き続き保証したマイクロソフトの対応は極めて妥当なものといえるでしょう。またWindows Vistaではさまざまなセキュリティ機能が提供されていますが、それらの実効性の評価がVistaへの移行にとって重要と考えられます。
なお、ガートナーが2000年に実施したWindows 2000の評価に対する調査では、最も評価された点として「OSの安定性」「ハングアップ、フリーズの解消」といったように、安定した稼働が重視されていましたが、今、OSを含むクライアント環境に求められるものは”安定稼働”から”安全稼働”に移行しているものと考えられます。
図 ビジネス・ワーカーがPCのOS更新に望むこと
添付資料をご参照ください。
本リリースに関する詳しい調査内容は「2007年ITデマンド・パーソナル調査報告」でご覧いただけます。詳細情報は弊社Webサイトをご覧ください。
http://www.gartner.co.jp/research/itdemand/personal/index.html