三菱重工パーキング、レイアウトの自由度が高い新しい機械式地下駐車場を開発
建築レイアウトの自由度が高い新タイプの機械式地下駐車場
待ち時間を短縮し、ランニングコストの削減にも貢献
三菱重工パーキング株式会社(社長:脇 憲市、本社:神奈川県横浜市中区、三菱重工業が100%出資)は、建築費を抑制しながら地下空間の高度利用を可能にした新タイプの機械式地下駐車場「セルパーク(Cell Park)」を開発、営業活動を開始する。車を載せたパレットを水平に循環させるシフトパーク(水平循環式駐車場)の次世代機で、建物の柱位置などに影響を受けることなく、地下空間に合わせたフレキシブルな配置を実現したのが特徴。価格は車40台規模で200万~250万円/台。初年度約5億円の受注を目指す。
新型駐車場セルパークは、階高を十分にとれない小規模スペース向きで、適正車数は10~40台。ビル地下において碁盤状に配置された駐車スペースがそれぞれパレット搬送機構を持ち、細胞(cell)のように独自の動きをするのがポイントで、上部乗入階から乗り入れた車をパレットごと地下へ搬送し、空き駐車スペースに格納する。
入出庫においても、従来方式では、1平面全体のパレットが順番に循環するため、出庫の車の位置によっては、連続出庫で相当の待ち時間が発生することがあったが、今回のセルパークでは、機械が自動的に最短出庫ルートを計算し必要なパレットだけが移動するため、待ち時間を約20%短縮(当社従来機種比)するだけでなく、ランニングコストの削減にも貢献する。
セルパークの主な特徴は、以下の通り。
1.駐車場内に柱、壁、エレベーターピットなどの割り込みができるなど、建築レイアウトの自由度が高い。乗降室(リフト)も駐車場の端部、中間部のいずれにも設置可能。
2.収容効率が高く、必要な空間(高さ、幅、長さ)がコンパクトで済むため、建築費の抑制が可能。機械設備も架構外辺内に収容でき、スペースを有効に利用できる。
3.リフトを運転中でも、パレットの循環運転が可能。
4.リフト・旋回装置を高速化し、入出庫時間の短縮を実現。
三菱重工の立体駐車場事業の歴史は、1961年の垂直循環式初号機の納入以来、半世紀を迎えようとしているが、三菱重工パーキングは、その事業を承継する立体駐車場専業会社として2005年10月、三菱重工パーキング建設(三菱重工100%出資子会社)を母体(承継会社)に発足した。立体駐車場の開発・設計・製作・据付け・販売からアフターサービス・運営管理・コンサルティングまでを手掛ける会社で、今回のセルパークは、発足後初の本格投入製品となる。
三菱重工パーキングは、今回のセルパークを市場の新たな変化に対応した主力製品として育成していく方針で、従来の中軸製品であるエレベーター方式駐車場(リフトパーク)、平面往復・パレット方式駐車場(プレストパーク)、平面往復・コンベア方式駐車場(IPS)などともに積極的な営業を展開していく。