住友電工、光通信用LDデバイス累積出荷数が1,000万個を突破
光通信用LDデバイス累積出荷数が1,000万個を突破
住友電気工業株式会社は、1991年に光通信用半導体レーザ(LD)デバイスの出荷を開始し、このたび累積出荷数が1,000万個を突破しました。
当社は、長年培った化合物半導体材料技術とパッケージ材料技術をベースに、1991年より光通信用LD(*1)デバイスの製造・販売を開始しました。現在では、半導体ウエハから光通信用LDチップ、LDデバイス、さらには送受信モジュールまで社内で一貫生産しています。
当社の光通信用LDデバイスは、公衆通信系のメトロ・アクセス通信網、FTTH(*2)、LAN、SAN(*3)及び光CATV、携帯電話基地局間の光通信網などで使用されています。当社はこれまで、広い温度範囲で安定した動作とコストパフォーマンスが求められるこれらの市場向けに、伝送距離数kmの比較的短距離で使用されるファブリ・ペロ型LDデバイス、単一波長発振することで数十kmの長距離伝送が可能なDFB(*4)型LDデバイスを供給しており、2006年12月に累積出荷数1,000万個を達成しました。
当社の光通信用LDデバイス事業は、競合他社と比較してDFB型LDデバイスの出荷比率が高く、その中でも超低消費電力、高い発光効率の無温調タイプDFB型LDデバイスの比率が高いという特長があります。当社は、光通信で使用される1200nm~1600nm帯で20nm波長間隔の無温調タイプDFB型LDデバイスをラインアップし、高いシェアを獲得しており、2007年第2四半期には、DFB型LDデバイス単独でも累積出荷数500万個を達成する見込みです。
当社は、これまで光通信用LDデバイスの品質保証体系の構築に注力し、製品化当初よりBellcore(現Telcordia)規格に準拠した信頼性試験を導入し、1994年には品質保証管理基準であるISO9001、2002年にはISO9001:2000の認定を取得しました。これら品質管理体制の維持・運営により、当社の光通信用LDデバイスの品質への信頼性は極めて高く、市場で高い評価を受けています。
また、当社は、ITバブルが崩壊し、需要が急減した2002年から2003年にかけて徹底的な生産の効率化を図り、2003年1月には、デバイス組立工程を中国深セン市に展開し、低コスト化を図ってきました。これにより2002年下期の出荷数を底にして出荷数量が回復し、2005年下期には、期別出荷数がITバブルピーク時(2000年下期)出荷数の2倍を超え、現在では3倍程度にまで達しています。
今後も当社は、これまでの高い信頼性を維持した製品開発を進め、市場及び顧客ニーズに合致した製品の製造、販売に注力してまいります。
以 上
*1 LD:Laser Diode
*2 FTTH:Fiber To The Home
*3 SAN:Storage Area Network サーバと記憶装置(ストレージ)を結ぶネットワーク
*4 DFB:Distributed FeedBack