日立、運転手と助手席に座る人を識別してカーナビ操作機能を変更できる技術を開発
運転手と助手席に座る人を識別してカーナビの操作機能を変更することができる技術を開発
株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、運転手と助手席に座る人とを識別し、操作する人によって、カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)の操作機能を変更することができる技術を開発しました。本技術は、カーナビのディスプレイの両端に取り付けたセンサを使って、操作者が左右どちらに座っている人かを検知することによって、タッチパネルの内容を変更するものです。本技術を用いることにより、走行中はカーナビの操作が制限される運転手に代わり、助手席に座る人が自由に操作を行うことができるなど、柔軟な操作機能を実現できます。今後、車の情報化、ネットワーク化が進み、車内においてカーナビが人へ情報を伝達する中心的な役割を果たすようになる中で、本技術は、運転手がより安全に車を運転し、助手席に座る人がより快適にカーナビを利用することを可能にするものです。
近年、カーナビには、経路表示ばかりでなく店舗や渋滞予測などの情報が表示されるようになってきており、さらに将来は、車の情報化、ネットワーク化に伴う総合情報表示ディスプレイとして活用されることが想定されています。これまでは、カーナビの操作は運転手が行うことを前提としてシステムが構築されてきたため、車両走行中は、安全上の問題から操作できる機能が限定されていました。しかし、カーナビを通してさまざまな情報を得るようにするためには、例えば、走行中には運転手の操作を制限し、助手席に座る人には自由な操作ができるような、新しいカーナビの技術が必要になってきます。
このような背景から、日立では、カーナビの操作者が運転手か助手席に座る人かを識別することにより、走行状態に合わせて操作機能を変更することができる技術を開発しました。開発技術の概要は以下の通りです。
1.操作画面が表示されるディスプレイの左右どちらから操作をしているかを検出し、操作している人を識別できる広角反射型赤外線距離センサを開発しました(図1)。
2.車の走行状態と操作する人にあわせてタッチパネルの内容を変更します。例えば、走行中は助手席に座る人のみが操作できるようにし、運転手が走行中にカーナビを操作しようとした場合、それを検知して操作を制限することができます。また、操作しようとした場合にだけ画面上にメニューボタンを表示するなど、画面全体を有効に利用できます(図2)。また操作する人に応じて画面文字やレイアウトを変更するなど、操作する人に適した画面表示をすることが可能になります。