大日本印刷、色調確認までの校正ができるリモートプルーフシステムを開発
大日本印刷 色調確認が可能なリモートプルーフシステムを開発
カラーマッチングシステムとプリンター保守により、本番印刷物に近い色調再現を保証
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、富士フイルムグラフィックシステムズ株式会社(本社:東京 社長:吉田整 資本金:8億円 以下:FFGS)の協力のもと、顧客企業に設置したプリンターで、DNPが作成した印刷物の校正用データを出力し、色調確認までの校正が可能なシステム『CMSリモートプルーフシステム』を開発しました。DNPは、校正作業を効率化するサービスの一環として、出版社を中心とする顧客企業へ7月5日より提供を開始します。
【 背 景 】
DNPは、顧客企業との印刷物の校正作業を効率化するために、2000年頃より、リモートプルーフシステムの開発に取り組んできました。しかし、顧客企業に設置されているプリンターでは、本番の印刷物と同等の色を安定して再現することが困難であり、微妙な色調の確認が必要な出版分野においては、導入が進んでいませんでした。
今回、DNPは、校正業務を通じて培ったノウハウを活かして、本番印刷機用の色調データをプリンター用の色調データに置き換えるカラーマッチングシステムを開発しました。このシステムと、FFGSのインクジェットプリンター、保守サービスを組み合わせることにより、本番印刷物と同等の色調を安定して再現する『CMSリモートプルーフシステム』を開発しました。
【 システムの概要 】
『CMSリモートプルーフシステム』は、校正用データを受信ならびにプリントアウトする出版社側システムと、校正用データを作成ならびに送信するDNP側システムで、構成されています。
1.出版社側システム
●インクジェットプリンターFFGS製「PRIMOJET(プリモジェット)」
本番印刷物の網点に似た出力方式により、従来のインクジェットプリンターを使った校正出力の問題点である「文字が太る」「モアレが確認できない」などの問題点を解消しました。保守作業は、FFGSのグループ会社である株式会社FFGSテクノサービスが、月次で実施します。
●出力制御装置
校正用データを受信しプリンターへ出力指示を流すと同時に、プリンターの、「出力終了」、「紙切れ」などの進捗状況を、DNP側システムに送信します。
2.DNP側システム
●カラーマッチングシステム
DNPの本番印刷機とFFGSのプリモジェット、それぞれの発色の特性をデータ化したうえで、その違いを計算し、本番印刷機の色調データをプリモジェットの色調データへ置き換えます。
●送信進捗管理システム
カラーマッチング処理済みの校正用データを出版社側システムへ送信します。送信履歴、および、出版社側での出力進捗状況の監視も行います。
【 システム利用によるメリット 】
●色調確認が行えるリモートプルーフにより、校正作業の効率化を図ることができます。
●FFGSテクノサービスが提供するインクジェットプリンターの保守作業により、出力物の品質が安定するとともに、出版社は、自ら保守作業を行う必要がなく、編集業務に専念することができます。
●進捗管理機能により、出版社とDNPが、校正履歴をデータで共有することができます。
【 今後の取り組み 】
今後、DNPは、出版社を中心とする得意先に対して、本システムを提供していきます。将来的には、オンライン入稿との連動を図り、デザインから校了までの出版印刷の前工程全体のデジタル化へつなげていきます。
なお、2007年7月5日から8日に、東京ビッグサイト西1・2ホールで開催される「第14回東京国際ブックフェア」のDNPブースで、本サービスを紹介します。