松下エコシステムズ、金属微粒子の電位差を利用した除菌デバイスを開発
世界初*、金属微粒子の電位差を利用し水を除菌
高性能の除菌デバイスを開発
種々の形状基材へ応用範囲拡大
*2007年7月4日現在、当社調べ
【要旨】
松下エコシステムズ(株)(社長:平田爲茂)は、金属微粒子の電位差を利用して水を除菌[1]し、銅・亜鉛金属の持つ抗菌[2]作用により微生物の繁殖を抑制する、世界初*の除菌デバイスを開発しました。この除菌デバイスの材料は、ペースト状で自由な形状に加工でき、種々の基材に塗布することが可能です。
【効果】
水中の微生物を電気的な力で取り除いた後、銅・亜鉛金属の持つ抗菌作用で微生物の繁殖を抑えることにより、水のぬめりやにおいの発生を防ぎます。従来の抗菌剤のように微生物の死骸が水中に残存することがないため、より清潔な状態にすることができます。また除菌デバイスは、ペースト状にした除菌物質であり、これを基材に塗布して用いるため、自由な形状にすることが可能で、微生物の繁殖を抑えたい水周りの機器に広く応用が可能です。
【特長】
今回開発した除菌デバイスの特長は以下の通りです。
1.酸化還元電位[3]の異なる複数の金属の利用により、水の除菌と抗菌を実現しました。大腸菌・黄色ブドウ球菌を2時間で99%以上減少させます。
2.除菌デバイスに用いられる除菌物質はペースト状なので、平面だけでなく立体的な形状などにも塗布・加工することが可能です。
【内容】
本開発は、以下の新技術により実現しました。
1.銅や亜鉛等、酸化還元電位の異なる金属を用いて、電気的な力で水中の微生物や雑菌を取り除く除菌・抗菌技術。
2.抗菌作用を有する金属微粒子と導電性樹脂材料[4]とをペースト化するための、高分散化技術。
【従来例】
従来、水中の微生物の除菌にはろ過フィルタなどを用いていましたが、フィルタが目詰まりし、ろ過した微生物がよごれ・においの発生源になりやすいという課題がありました。また、微生物の繁殖を抑える抗菌手段として、薬剤や銀などの抗菌剤を樹脂に練りこむ方法がありましたが、接触した微生物には効果を発揮するものの、微生物を水中から取り除く除菌作用はありませんでした。
【特許】
国内7件(出願中を含む)
【備考】
第34回 日本防菌防黴学会(8月30・31日)にて発表予定
【特長の詳細説明】
(※ 関連資料を参照してください。)
【内容の詳細説明】
(※ 関連資料を参照してください。)
【用語説明】
[1]除菌:ある物質又は限られた空間より微生物を除去すること。
[2]抗菌:微生物の発生・生育・増殖を抑制すること。
[3]酸化還元電位:水中で電極を形成したときに発生する平衡電極電位のこと。金属種の組み合わせによって、電極の電位差(電圧)が決まる。
[4]導電性樹脂材料:導体と樹脂を配合した電気を通すことができる材料のこと。
[5]多孔質基材:スポンジなどに代表される物質内に多数の細孔を有する基材のこと。
(※ 特長の詳細説明、内容の詳細説明は関連資料を参照してください。)