東レ、しつこい襟汚れを洗濯で簡単に落としやすくした新素材「ステインオフ(stainoff)」を発売
しつこい襟汚れを洗濯で簡単に落としやすくした新素材
“ステインオフ(stainoff)”の発売について
東レ(株)はこの度、しつこい襟汚れを洗濯で簡単に落としやすくした新素材“ステインオフ”を開発しました。2008年秋冬向けのスポーツウェア用途を中心に販売を開始し、その後、レディスおよびメンズのファッション衣料用途やユニフォーム用途などへも展開を拡大、販売量は初年度50万m、3年後には200万mを計画しています。
“ステインオフ”は、皮脂やタンパク質、大気中の浮遊物など複数の汚れ成分が、物理的に擦り込まれることで大変落としにくくなる襟汚れに対し、家庭洗濯、工業洗濯、ドライクリーニングのいずれでも簡単に落としやすくした、ポリエステル・ナイロンおよび各種天然繊維混を含む織・編物の新素材です。
本素材は、洗濯する際の洗浄液(水や溶剤など)となじみやすく、襟汚れをはじきやすい特殊な汚れ除去剤(SR剤)を使用しています。洗濯時には、このSR剤が洗浄液を吸って膨らむことで、襟に付いた汚れを押し上げ、繊維から離れやすくします。また、このSR剤は、東レ独自のナノスケール加工技術“ナノマトリックス”によって、繊維を構成する単繊維の一本一本に薄さ数十nmの均一な被膜(洗液膨潤型特殊SR被膜)を作るように付着させています。これにより、従来の生地表面に塗布する加工法に比べ、付着ムラによる機能発揮のバラツキや剤の脱落が起こりにくく、高い効果が長続きします。
さらに、本技術は、ポリエステルなどの合成繊維だけでなく、綿などの天然繊維にも加工が可能であるため、日常的に洗濯を繰り返すシャツはもちろん、通常1シーズンに1度クリーニングに出す程度のダウンジャケットなどにも幅広く機能を付与することができます。加えて、襟汚れと同様に皮脂を含む化粧品汚れに対しても効果を発揮します。
襟汚れは衣服を着用する以上避けられないものであり、この汚れを簡単に落とすことは、一般的に関心の高いテーマと言えます。これまで、着用前にスプレーなどでケアする方法や、洗濯前に特別な洗剤を使って部分洗いするなど、様々な対処方法がメディアや口コミで紹介されてきましたが、それらはいずれも余計な手間を必要とするものであり、面倒なことでした。またこれまでは、洗濯耐久性などの問題から、襟汚れに対応する素材は少ないのが実状でした。
東レは、中期経営課題“プロジェクト Innovation TORAY 2010”(略称 IT-2010)において、“5つのInnovation、8つの全社プロジェクト”を推進しています。今回の新素材は、襟汚れへの対策という「お客様」のニーズに対し、ナノテクノロジーという当社のコア技術で応えるという意味で、「営業力革新」および「研究・技術力革新」の2つのプロジェクトを体現するものです。
東レは今後も、当社の技術力を駆使して、社会のニーズを実現する優れた機能素材を開発し、“Innovation(革新と創造)”による新しい価値の創造に努めて参ります。
“ステインオフ”の詳細は関連資料のとおりです。