バイエル薬品、低悪性度リンパ腫治療の経口抗がん剤「フルダラ錠10mg」を発売
バイエル薬品:フルダラ(R)錠10mgを新発売
・ 再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫・マントル細胞リンパ腫に
・ 経済的負担の軽減および外来治療を可能にする経口抗がん剤
バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、社長:ジャン-リュック・ロビンスキー)は、7月12日、再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫の治療を目的として、経口プリン誘導体製剤「フルダラ(R)錠10mg」を新発売いたします。
フルダラ(R)(一般名:リン酸フルダラビン)製剤としては、注射剤が1999年に、貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病を適応症として厚生労働省より製造販売承認を受けており、すでに国内で販売されております。今回、新発売する「フルダラ(R)錠10mg」は、注射剤が有しない適応症での使用となります。両製剤とも、旧・日本シエーリング株式会社により開発・申請が成されたもので、7月1日のバイエル薬品との統合に伴い、今後、「製造販売元:バイエル薬品」で販売いたします。
悪性リンパ腫は、病理組織学的所見により、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、日本では約90%が非ホジキンリンパ腫に分類されます。また、がん化したリンパ球の種類によりB細胞性とT細胞性があり、日本では、非ホジキンリンパ腫の約70%がB細胞性です。比較的進行の遅い、低悪性度リンパ腫は、女性より男性にやや多く、55-60歳が発病年齢の中間値です。マントル細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の中でも特殊なもので、最も難治性のリンパ腫のひとつと位置付けられています。
悪性リンパ腫につきまして、詳細は国立がんセンターのサイト( http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/malignant_lymhoma.html )を御参照ください。
低悪性度の非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫は、細胞分裂があまり盛んでないため、化学療法剤が効きにくく、かつては完全寛解することが難しいとされていました。2001年に、抗CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブが登場し、CHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニンの併用)との併用(R-CHOP)により治療成績が向上しました。しかしながら、R-CHOP療法があまり奏効しない例もあり、それに代わる治療法が待ち望まれてきました。フルダラ錠は、国内第II相臨床試験で、46例の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫のうち65%に奏効(完全寛解:14例、部分寛解:16例)し、また、6例のマントル細胞リンパ腫でも、1例の部分寛解を示しました。顕著な副作用として、白血球または好中球の減少が、これまで90%以上の発現率で観察されており、感染症への注意が必要です。
フルダラ錠は、世界初の経口プリン誘導体製剤で、病状に問題がなければ医師の判断の下、第2クールから外来診療を受けることが可能です。また、1錠3,688円20銭という薬価ゆえ、月当たりの個人負担(健康保険適用による3割負担)は、約3万円(体表面積により変動)*となります。
*月あたり5日間の連日投与で計算。投与量は患者さんにより異なる。
バイエル薬品について
バイエル薬品株式会社は、本社を大阪に置き、バイエル・シエーリング・ファーマ(医療用医薬品)、コンシューマーケア(一般用医薬品)、ダイアベティスケア(糖尿病ケア製品)の3事業からなるヘルスケア企業です。2007年7月1日にバイエル薬品内に設立されたバイエル・シエーリング・ファーマ事業本部は、診断薬、血栓止血領域、オンコロジー、プライマリーケア、専門治療薬、ウイメンズヘルスケアの6 領域に注力しています。バイエル薬品株式会社は、その革新的な製品で、日本のスペシャリティ医薬品市場におけるリーディングポジションを目指しています。そして、新しい発想と高い専門性を持つ人材を活かして医療の進歩に貢献し、人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に努めます。
URL: http://www.bayer.co.jp/byl
将来に関するステートメント
本ニュースリリースは、バイエル・グループの経営幹部による現時点での想定と将来予測に基づき将来に関するステートメントを包含していますが、未知・既知の種々のリスク、不確実要因、ならびにその他の要因により、当社の実際の将来業績、財務状況、推移や業績と、本ニュースリリースの予測との間に乖離が生じる可能性があります。フランクフルト証券取引所、および米国証券取引委員会(Form20-Fを含む)に提出した当社の公開報告書に説明されているものもこれらの要因に含まれます。当社は将来の出来事あるいは推移に順じてこの将来に関するステートメントを更新したり、あるいは適合させたりする責任を一切負いません。