ファーストリテイリング、連結子会社キャビンの株式を公開買付けにより取得
株式会社キャビン株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
当社は、平成19年7月20日開催の取締役会において、株式会社キャビン(銘柄コード8164 東証第1部。以下、「対象者」、または「キャビン」といいます。)の普通株式を、完全子会社化することを目的とした友好的な公開買付けにより取得することを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.公開買付けの目的
当社は、現在、対象者の普通株式20,903,000株(発行済株式総数の50.00%)を保有し、対象者を連結子会社としておりますが、この度、対象者を完全子会社化することを目的として、対象者の全ての発行済株式(当社が既に保有している対象者の株式及び対象者が保有する自己株式を除きます。以下同じです。)の取得を目指した友好的な公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたします。
対象者は、ウィメンズカジュアルのショップとしてスタートし、製造小売業態の先駆けとして自社で企画編集したファッション性の高い婦人服と雑貨を販売する専門店の展開を行っております。婦人服ブランドでは、「ザジ」、「リアルリッシュ」、「イーエーピー」、「アンラシーネ」といったブランドをそれぞれ単独で、またはいくつかのブランドを複合化して、全国に217店舗(平成19年5月31日現在)を展開しております。しかしながら、アパレル業界では、生産・販売の両面でのグローバル化(多国籍化)が進むなか、適切に経営環境の変化に対応することは容易ではなく、また近年、対象者が事業を展開する婦人服小売業界、とくに対象者が顧客の中心としている若い女性層では、ライフスタイルの多様化に加え、商品やサービスを厳しく選択する傾向がより一層強まっており、厳しい経営環境が続いております。こうした状況のなか、市場環境の変化にいち早く対応し、今後も更なる成長を継続していく上で、有機的にファーストリテイリンググループの経営資源を活用していく必要があります。
当社と対象者は、平成18年4月21日に当社が対象者の普通株式を11,547,000株(当時の発行済株式総数の25.70%)取得し、その後平成18年7月24日から平成18年8月17日までを買付期間とする公開買付けにより対象者を連結子会社化し、平成18年10月4日に包括的な業務提携に関する合意書を締結するなど、資本関係の強化に加え、生産、出店、人材育成を通じた経営体制の強化を進めてまいりました。
しかしながら、昨今の経営環境を踏まえますと、多様化する顧客のライフスタイルへのきめ細かな対応や、提案力のある商品とサービスの安定的な提供など対処すべき課題は多く、これらの課題に迅速に対処するために、当社及び関係会社を含めたファーストリテイリンググループの協力体制の強化を目的としたダイナミックな事業体制の再構築が必要と判断しました。連結子会社化以降この1年間での取り組みを通じて、対象者の抱えている課題や保有している経営資源についての理解を明確にし、また協力関係を通じて相互の理解も十分に深まったことから、当社としましては、事業体制の再構築に向けて対象者を当社の完全子会社とすることにより、柔軟かつ機動的な経営戦略や施策等を迅速に遂行するための体制を整え、ファーストリテイリンググループのコミットメントをより明確にした事業体制への転換を図りたいと考えております。これにより、対象者の業態開発や店舗開発に向けた投資及び改革を従来以上のスピードで実行し、対象者をファーストリテイリンググループのコア事業の一つである婦人向け衣料事業に関する中核会社として、より高い競争力や収益力を追求する事業体に発展させることで、新しい婦人服チェーンの創造をより一層加速していくことを計画しています。また、対象者がより高い収益力を持つ事業体へと発展することはファーストリテイリンググループ全体の更なる企業価値の向上に大きく貢献するものと考えております。
当社は、上記の通り対象者を当社の完全子会社とする方針であり、本公開買付け及びその後の一連の手続き(以下「本完全子会社化手続」といいます。)により対象者を完全子会社化することを予定しております。本公開買付けが成立したにもかかわらず、本公開買付けで対象者の発行する全ての普通株式を取得できなかった場合には、本完全子会社化手続を実施するため、本公開買付け終了後に、対象者において、(1)対象者を会社法の規定する種類株式発行会社に変更すること、(2)対象者の発行する全ての普通株式に全部取得条項を付すこと、及び(3)当該株式の取得と引き換えに対象者の別個の対象者株式を交付すること、以上(1)ないし(3)を含む付議議案を平成19年11月開催予定の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)に上程することが予定されています。また、本完全子会社化手続を実行するに際しては、本定時株主総会において上記(1)のご承認をいただきますと、対象者は会社法の規定する種類株式発行会社となり、上記(2)について、会社法第111条第2項第1号に基づき、本定時株主総会の決議のほか、株式の内容として全部取得条項が付される対象者普通株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(以下「本種類株主総会」といいます。)の決議が必要となります。そのため、対象者においては、本定時株主総会と同日に本種類株主総会を開催することが予定されており、かかる決議が付議されるべき本種類株主総会において権利を行使することができる株主を定めるため、平成19年8月31日を基準日と定め、同日最終の株主名簿及び実質株主名簿に記載又は記録された株主をもって、平成19年11月開催予定の本種類株主総会における権利を行使することができる株主と定める旨の公告を平成19年7月23日付けで行う予定です。なお、全部取得条項が付されることが予定されている株式は、本日現在において対象者が発行している全ての株式であることから、基準日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主全てが、対象者普通株式の種類株主を構成員とする本種類株主総会招集のための基準日設定の公告の対象となります。
本公開買付けが成立した場合には当社は対象者の総議決権の66.70%以上を保有することになる予定であり、上記の本定時株主総会及び本種類株主総会において上記各議案に賛成する予定です。この場合、対象者の発行する全ての普通株式には全部取得条項が付された上で、全て対象者に取得されることとなり、対象者の株主には当該取得の対価として対象者の別個の対象者株式が交付されることになりますが、対象者の株主で対価として交付されるべき別個の対象者株式の数が1株に満たない端数となる株主に対しては、法令の手続きに従い、当該端数の合計数を売却すること(対象者がその全部又は一部を買い取ることを含みます。)によって得られる金銭が交付されることになります。なお、当該端数の合計数の売却金額については、本公開買付けの買付価格を基準として算定される予定ですが、この金額が本公開買付けの買付価格と異なることがあり得ます。また、全部取得条項が付された対象者の普通株式の取得対価として交付する対象者株式の数は本日現在未定ですが、当社が対象者の発行済全株式(自己株式を除きます。)を保有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社以外の対象者の株主に対し交付しなければならない対象者株式の数が1株に満たない端数となるよう決定される予定です。
上記(1)ないし(3)の手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、(i)上記(2)の普通株式に全部取得条項を付す旨の定款変更を行うに際しては、会社法第116条及び第117条その他の関係法令の定めに従って、株主がその有する株式の買取請求を行うことができる旨が定められており、また、(ii)上記(3)の全部取得条項が付された株式の全部取得が株主総会において決議された場合には、会社法第172条その他の関係法令の定めに従って、当該株式の取得の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、これらの(i)又は(ii)の方法による1株当たりの買取価格及び取得価格は、最終的には裁判所が判断することになるため、本公開買付けの買付価格と異なることがあり得ます。これらの方法による請求又は申立てを行うにあたっては、その手続等に関しては株主各位において自らの責任にて確認され、ご判断いただくこととなります。
なお、(1)対象者を会社法の規定する種類株式発行会社に変更すること、(2)対象者の発行する全ての普通株式に全部取得条項を付すこと、及び(3)当該株式の取得と引き換えに対象者の別個の対象者株式を交付するという上記方法については、関連法令についての当局の解釈等の状況並びに本公開買付け後の公開買付者の株式所有割合及び公開買付者以外の対象者株主の対象者の株式の保有状況等によって、それと同等の効果を有する他の方法を実施する可能性があります。ただし、その場合でも、公開買付者以外の対象者の株主に対しては、最終的に現金を交付する方法の採用を予定しております。
この場合における当該対象者株主に交付する金銭の額についても、本公開買付けの買付価格を基準として算定される予定ですが、算定の時期が異なることから、この金額が本公開買付けの買付価格と異なることがあり得ます。
なお、本公開買付け、本完全子会社化手続の実行に関連する税務上の取扱いについては、各自の税務アドバイザーにご確認頂きますよう、お願いいたします。
当社は、本公開買付けにおける対象者株式の買付価格の公正性を担保するため、買付価格を決定するに当たり、当社及び対象者とは独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)より株式価値算定書(以下「株式価値算定書」といいます。)を取得し、その意見を参考としています。買付価格である1株当たり710円は、かかる野村證券による株式価値算定書及び意見を参考にしつつ、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けの事例において公開買付価格決定の際に付与されたプレミアムの実例を踏まえ検討を進めました。更に、対象者による本公開買付けへの賛同の可否、当社が対象者の普通株式を対象として平成18年7月24日~平成18年8月17日を買付期間として実施した公開買付けの買付価格(740円)、対象者株式の市場株価の動向、本公開買付けの見通し等を勘案し、かつ、対象者との協議・交渉の結果も踏まえ、当社が決定したものです。なお、本公開買付けにおける買付価格710円は、平成19年7月19日までの過去1ヶ月間の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部における対象者株式の終値の単純平均値543円(小数点以下四捨五入)に対して30.76%(小数点以下第三位四捨五入)のプレミアムを加えた金額であり、平成19年7月19日までの過去3ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値の単純平均値532円(小数点以下四捨五入)に対して33.46%(小数点以下第三位四捨五入)のプレミアムを加えた金額になります。
対象者は、平成19年7月20日開催の取締役会において、本公開買付けに関する諸条件について慎重に検討した結果、本公開買付けが対象者の経営基盤の強化、事業体制の再構築及び今後の展開に寄与するものであるとともに、本公開買付けの諸条件は妥当であり、対象者株主の皆様に対して合理的な価格により対象者株式の売却機会を提供するものであると判断し、本公開買付けに賛同する旨の決議をしております。かかる賛同決議にあたっては、対象者の取締役会は当社及び対象者とは独立した第三者算定機関である株式会社KPMG FAS(以下「KPMG FAS」といいます。)より対象者の株式価値算定書を取得し、また、買付手続きの適法性や対象者取締役会の現時点での経営判断の当否等に関して外部の法律事務所の助言を得て、それらの内容を参考としております。なお、当社の代表取締役会長兼社長である柳井正は、対象者の代表取締役会長を兼任しており、特別利害関係人であるため、賛同表明にかかる決議には参加しておりません。また、当社の常務執行役員である大笘直樹は、対象者の社外取締役を兼務しており、賛同表明にかかる決議には参加しておりません。さらに対象者の監査役は、当社の取締役であるため意見を述べなかった松下正を除き、いずれも対象者取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明することに賛成する旨の意見を述べております。
なお、本公開買付けの終了後に予定している本完全子会社化手続の実施についても、対象者の当該取締役会の賛同を得ております。
当社は、本公開買付けにおいて買付けを行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は流動性等にかかる東京証券取引所の株券上場廃止基準に従い、所定の手続きを経て上場廃止となる可能性があります。また、当該基準に該当しない場合でも、当社は、本公開買付け終了後に、適用ある法令に従い、対象者を完全子会社化することを予定しておりますので、その場合には対象者株式は上場廃止になります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所において取引することができません。
※以下、詳細は添付資料をご参照下さい。