日立とクラリオン、高耐久性と通信機能を備えた業務車両向けカーナビを共同開発
高耐久性と業務用通信機能を備えた
業務用車両向けカーナビゲーション「Solid Navi」を発売
日立とクラリオンの共同開発製品第1弾
日立製作所(執行役社長:古川一夫/以下、日立)とクラリオン株式会社(取締役社長:泉龍彦/以下、クラリオン)は、業務用車両向けカーナビゲーション「Solid Navi」(CQ-8000)を共同開発し、本年7月23日より販売を開始します。本製品は、2008年1月より出荷開始予定です。
両社が共同開発した「Solid Navi」は、クラリオンが製造および製品化を担当し、日立およびクラリオン両社が各販売チャネルを通じて販売します。
本製品は、一般車両に比べて長時間の使用が想定される業務用車両での使用環境を考慮し、地図情報などの記録メディアにフラッシュメモリを採用したほか、DVDやファンなどの可動部品をなくすことにより、高耐久性を実現しました。また、変圧器なしにトラックやバスなどの24V車にも適用可能とするため、電源を12V車・24V車両用としました。さらに、業務システムとの連動を想定し、業務で使用する各種通信モジュールを接続するための標準インターフェースを備えました。
今日、自動車市場全体へのカーナビゲーション端末の普及に伴い、特に、物流・輸送業界において業務効率化を目的とした業務用途向けカーナビゲーションの需要が増加しています。しかし、従来の業務用途向けカーナビゲーションは、ほとんどが一般向け市販品を利用したものであったため、車両稼働時間の長いタクシー、トラック、バスなど業務用車両での使用においては耐久性に課題がありました。
そこで、昨年実施したクラリオンの子会社化により、一層の連携強化を進めてきた日立とクラリオンは、今回、日立の持つ車載情報システムソリューションのノウハウとクラリオンの持つ車載情報端末および業務車両への搭載ノウハウとを生かし、その成果として、これらの課題を解消し、業務のサポート機能を強化したカーナビゲーションを開発しました。本製品は、(1)高耐久性を備えることで、長時間使用される業務用途に適用可能、(2)通信機能を備え、多種多様な業務に適用可能、(3)ナビ本体への入力電圧が普通車両向けの12Vに加え、トラックやバスなど向けの24Vにも対応することで変圧器が不要、という特長を持っています。
日立およびクラリオンは、今後も両社の強みを生かした連携を継続し、運行管理などのシステム開発、業務ソリューション及び製品開発を展開する予定です。大規模から中規模向けタクシー配車管理システムのカーナビゲーション端末をはじめとし、順次、トラック、バスなど業務用車両の事業者向けに営業展開し、初年度で10,000台の販売を目標にします。
業務用車両向けカーナビゲーション「Solid Navi」の特長、仕様は以下の通りです。
◆製品特長
1.可動部品を持たず、高耐久性を実現
記録メディアに8GBのフラッシュメモリを採用し、DVDやファンなどの可動部品をなくす事で高耐久性を実現しています。
2.通信機能を標準装備
通信機能を標準装備し、一般公衆網や、業務用無線を利用することにより、搭載車両の位置情報等をリアルタイムに取得することができます。また、車両管理側であるセンターから目的地等の指示情報を送信することが可能です。
▽通信機能概要
(1)位置情報送信機能:緯度、経度、高度、速度、進行方向を車両管理側が指定した間隔に従い、継続して送信する。
(2)ルート探索機能:車両管理側が指定した緯度経度に対して、ルート探索を行う。
(3)指定位置画面表示機能:車両管理側が指定した緯度経度の地図画面を表示する。
(4)表示画面取得機能:ナビ画面上に表示された地図の位置情報を車両管理側に送信する。
(5)設定ルート取得機能:ナビ端末に設定されたルートの目的地、中継点の地点情報を車両管理側に送信する。
(6)メッセージ表示・応答機能:車両管理側から送信されるメッセージを表示し、メッセージに対する応答を返信する。
(7)地点登録・削除機能:車両管理側から任意の地点を登録・削除する。
3.12V車/24V車両用
普通車両向けの12Vに加え、トラックやバスなど向けの24Vにも対応し、変圧器が不要です。
4.外部インターフェース、通信機器など周辺機器との連携機能
外部から目的地設定やメッセージの送受信可能なタクシーデジタル無線や公衆網を利用した各種通信モジュール接続のための標準通信インターフェースRS232Cを1チャネル、内部アプリケーションなど、ソフト書き換えのためのUSB1.1インターフェースを1チャネル備え、業務に必要な各種周辺機器との連携が可能です。
5.本体はコンパクトな1DINサイズ(縦50mm×横178mm)で、省スペース化を実現
タクシー、トラックなどの業務用車両のスペースにフィットするコンパクトな1DINサイズで、業務車両への取り付けの省スペース化を実現しました。
6.大型モニターで、取り扱い易さ、操作性が向上
ダッシュボード設置型の大型7インチQVGA*モニターにタッチパネルと大型ハードキーを採用することにより、業務用としての取り扱い易さや操作性を向上させています。
*320×240ピクセルの解像度のこと。
7.モニターは車載カメラと連動可能
モニターは、運転時の安全向上のために、バックアイカメラなどの車載カメラとの連動が可能で、カメラ用電源も内蔵しています。
8.業務用途に適した高精度な位置情報取得
8GBのフラッシュメモリを採用することにより、高精度な1/1000市街化地図の収録を可能とし、さらに、加速度センサー、ジャイロ*を搭載し、高精度な位値情報の取得を可能としています。
*磁気を感知し東西南北で自車の向きを補正する装置
9.オープンプラットホームのOS「Microsoft Windows Automotive 5.0」を採用
顧客ごとのアプリケーションのカスタマイズが可能です。
◆新製品の価格・販売開始時期
製品名:業務用車両向けカーナビゲーション「Solid Navi」
型 番:CQ-8000
価 格:オープン価格
販売開始:2007年7月
◆仕 様
○モニタ部
LCDパネル:7.0inch QVGA+タッチパネル
外形寸法:W172mm×H125mm×D36mm
音声案内用スピーカー:小型・薄型スピーカー内蔵
取り付けブラケット:ダッシュボード貼り付けタイプ
○本 体
フラッシュメモリ:8Gbyteフラッシュメモリ
外形寸法:W178mm×H50mm×D170mm(1DINサイズ)
通信インターフェース:RS-232C
入力電源:12V/24V電源対応
地 図:1/1000縮尺市街地図
○VICS(FM多重)
GPSアンテナ
受信方式:12チャンネルマルチチャンネル受信方式