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2025'02.02.Sun
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2007'08.29.Wed

ファンケル、米ジョージア医科大と発芽玄米の糖尿病合併症抑制効果を確認

発芽玄米が糖尿病の合併症を抑制

神経障害を改善、動脈硬化予防も

ファンケルとジョージア医科大が米国糖尿病学会で発表


 株式会社ファンケル(本社:横浜市中区、代表取締役社長執行役員:宮島和美)は、ジョージア州立医科大学(所在地:米国ジョージア州オーガスタ市)との共同研究を通じ、発芽玄米が糖尿病の合併症である神経障害の予防と改善に有効であることをラットによる実験で確認しました。そのメカニズムとして、発芽玄米に豊富に含まれる食物繊維が血糖値を低下させるほか、独自の脂質成分が血中の抗酸化酵素を活性化していることも明らかになりました。この結果は、先進国で問題となっているメタボリックシンドロームや動脈硬化の予防・改善効果も示唆するものです。当社では、本研究成果を本年6月22-26日にシカゴで開催された世界で最大の糖尿病に関する研究報告の場である「第67回米国糖尿病学会」で発表致しました。また今後、糖尿病患者での臨床試験を予定しており、発芽玄米の持つ高い機能性を解明し、主食を通じた生活習慣病の予防に貢献してゆく考えです。

■ 研究の経緯
 発芽玄米は、玄米を水に浸してほんの少し発芽させたお米です。発芽によって眠っていた酵素が活性化し、新芽の成長に必要な栄養素が増加する特徴があり、白米に比べて「γ-アミノ酪酸(ギャバ)」や抗酸化成分などを豊富に含みます。
 当社では、これまでも発芽玄米の機能性を科学的に解明すべく、さまざまな研究を行っており、特に2004年には、日本大学との共同研究で継続的に発芽玄米を含む飼料を糖尿病モデルラットに与えたところ、「糖尿病に起因する動脈硬化を引き起こす血液凝固因子PAI-1の増加を抑える」ことを報告しております。今回は、これら知見に基づいて、神経障害の研究における世界的な権威であるジョージア州立医科大学のRobert K. Yu 博士及び臼杵靖剛博士と共同で研究を行い、糖尿病の三大合併症のひとつである糖尿病性神経障害に対する効果について詳細に研究したものです。

■ 研究の方法と結果
 今回の研究では、主要な炭水化物源である発芽玄米、玄米、白米の継続的な摂取が糖尿病の病態に及ぼす影響を比較するため、「正常ラット」と「糖尿病を誘発した糖尿病ラット」について比較実験を行いました。

 その結果、糖尿病に合併する末梢神経障害の程度が、発芽玄米を摂取しているグループでは、白米を摂取しているグループよりも有意に改善していることが分かりました(図1A;発芽玄米摂取グループは神経伝達速度が速い, 1B;発芽玄米を摂取しているグループは神経細胞のNa,K-ATP アーゼ活性が高く維持)。
 また、血中の抗酸化酵素として知られているパラオキソナーゼ活性及びHT アーゼ活性を評価したところ、神経障害が抑制されていた発芽玄米摂取グループでは、特にHT アーゼ活性が正常レベルに維持されていることが分かりました(図2)。

 上記結果に関与する有効性成分を検討するため、発芽玄米由来の脂溶性成分(TLp)及び玄米由来の脂溶性成分(TLb)について、神経細胞由来のNa, K-ATP アーゼ活性を比較したところ、TLpがNa, K-ATP アーゼを酸化障害から守り、その活性を高く維持することが分かりました。一方、HDL と結合しているHT アーゼ活性についても評価を実施したところ、TLpはTLb よりも有意にHT アーゼの酵素活性を上昇させることが分かりました。

 以上の研究から、発芽玄米は糖尿病神経障害の悪化を抑制する効果が玄米、白米よりも優れており、その作用メカニズムのひとつとして発芽玄米の脂溶性成分による血中のHT アーゼ活性亢進作用などの関与が示されました。

■ 研究発表と今後の予定
 本研究は、2004年に科学誌に発表した糖尿病に動脈硬化を発芽玄米が予防する可能性があることを見出した研究(Biosci Biotechnol Biochem 2004, 68: 444-447)に基づいたものです。ジョージア州立医科大学との研究により、発芽玄米が糖尿病性神経障害の予防と改善に有用であることを明らかにし、玄米よりも優れた機能性を初めて見出しました。
 発芽玄米で見出されたHT アーゼ活性を高める効果は、社会問題となっているメタボリックシンドロームとも密接に関連しており、動脈硬化予防に重要な意味を持ちます。今後は、メタボリックシンドロームに対する直接的な有用性も含めて、さらに詳細な作用機構を解明してゆく予定です。

 これら一連の研究に加え、当社では発芽米の価格を今年4月から20%値下げして、よりお求めやすい形でご提供しております。今後は、通販やスーパーなど一般流通ルートのほか、中食や外食、さらに社食、学校給食などへの発芽玄米の提案を強化していく予定です。また、今後も生活習慣病の予防効果などに関する発芽玄米の機能性を科学的に解明すべく、継続的に研究を進め、発芽玄米の普及・発展に努めて参ります。


[キーワード]

糖尿病性神経障害とは?
 糖尿病の3大慢性合併症のひとつ。大きく末梢神経障害と自律神経障害に分けられる。代表的な症状としては、手足の先にしびれや痛みをきたす。神経の障害は、血糖値の管理がうまくおこなわれていないことに関係して発病する可能性が高くなる。

Na、K-ATP アーゼとは?
 ATP アーゼは、イオンを細胞膜の内外に、能動輸送させる輸送たんぱく質。糖尿病で高血糖になると、Na、K-ATP アーゼ活性が低下し、神経細胞の電気的刺激伝導を遅延させ、糖尿病性神経障害が起こる。

HTアーゼとは?
 ホモシステインチオラクトンという悪玉物質を分解する酵素のこと。ホモシステインチオラクトンは血液中にあるLDL(コレステロールを運ぶたんぱく質のひとつ. 含有するコレステロールは悪玉コレステロールと称される)を酸化し、悪玉に変性させ、動脈硬化を促進させると考えられている。
 HTアーゼは、何種類かあるパラオキソナーゼという酵素に属する。近年HDL(コレステロールを運ぶたんぱく質のひとつ. 含有するコレステロールは善玉コレステロールと称される)に結合して存在するパラオキソナーゼ(=HT アーゼ)が抗酸化的に働き、脂質の酸化を防いでいることが報告されている。糖尿病やメタボリックシンドロームの患者においては、パラオキソナーゼ活性が低下する。
 神経障害を合併した糖尿病患者においてパラオキソナーゼ活性が低下していることから、その病態との関連性も提言されている。(パラオキソナーゼは、従来、神経ガスや有機リン系殺虫剤などを加水分解する解毒酵素としても知られている。)


 糖尿病性神経障害は糖尿病の合併症の中でも発症する可能性が高く、手足の痺れ、麻痺、最終的には壊死(腐る)にも繋がる非常に恐ろしい症状として知られています。今回私たちは神経障害研究の世界的権威であるYu 博士、臼杵博士のお力を借りて、発芽玄米の神経障害に対する有用な効果を発見することができました。また、この研究では、発芽玄米が動脈硬化予防(抗酸化)や解毒酵素としても知られているHT アーゼの活性を高めることも発見しました。
 世界最大規模の米国糖尿病学会の発表でも、多くの方々が今回の研究に関心を示してくださり、世界的にも注目度の高い研究であることを実感しました。一人でも多くの方に、病気におびえることのない楽しい人生を提供する。これが私たちの使命であると考えています。今後も研究を続け、日本だけではなく世界に向けて発芽玄米の情報を発信していきたいと思います。

 株式会社ファンケル
 総合研究所・加工食品開発グループ
 森川桂子

 1979年7月6日山梨県生まれ
 2004年東京大学大学院理学系研究科修了後、同年株式会社ファンケル入社。以来、一貫して発芽玄米の機能性研究に従事。

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