東レ、中国での研究開発強化で現地の「ＴＦＲＣ」に約１８億円を投資
中国での研究開発を強化
－基盤材料研究を大幅増強しながら、先端材料研究領域・機能を拡大－
東レ株式会社はこの度、中国での研究開発を更に強化・促進するため、東麗繊維研究所（中国）有限公司（略称：ＴＦＲＣ、所在地：江蘇省南通市、董事長：佐藤卓治）に、約１．２億人民元（約１８億円）を投じ、繊維、樹脂をはじめとする基盤事業での研究開発を強化するとともに、戦略的拡大・育成事業と位置付ける電子情報材料分野や医薬分野にも研究領域を拡げ、機能の拡大と研究戦力の強化を行います。
東レは、市場成長力があり人材の豊富な中国での研究開発推進を重視しており、２００２年に外資企業では初めてとなる繊維の研究所会社ＴＦＲＣを江蘇省南通市に創設し、活動を進めてきました。２００４年１０月には、ナノテクノロジーを駆使した高分子材料および機能性高分子膜を利用した水処理の研究・開発を推進するための上海分公司研究所を設立、続いて２００５年５月には、南通本社研究所において重合・製糸・テキスタイルに関する最新の一貫研究設備を備えた重合製糸棟・高次加工棟を完成させ、成果を挙げつつあります。
そしてこの度の設備増強において、繊維の先端材料研究では、衣料用および産業用の新機能・高機能繊維研究を充実させるため、南通本社研究所に産業資材棟の新設や重合製糸棟の拡張を行ない、人工気象室「テクノラマ」等新規評価設備の導入や、その他試作設備の設置・拡充を実施します。
一方、その他事業の先端材料研究では研究領域と機能の拡大のため、上海分公司研究所において、これまでの高分子材料研究所、水処理研究所の設備の新設・拡充に加え、隣接する敷地に研究棟を新設し、クリーンルーム等の電子情報材料研究設備や新規創薬等の医薬研究設備、そのベースとなる有機合成装置等を導入し、２００７年１０月からの稼働開始を目指します。
今回の南通・上海両拠点での大幅な研究機能拡大を機に、南通本社研究所では、東レＧの繊維研究開発の重要拠点として日本国内の研究開発部署との協同体制を更に推し進め、グローバル市場への新製品投入を加速していきます。一方、上海分公司研究所では、国内の研究所と一体となった運営により、研究技術開発の効率性と機動性を確保すると同時に、中国の大学・研究機関・企業との連携をより強化した研究開発を推進することで、基礎研究分野においても先進的な研究成果を生み出し、東レグループ全体の事業展開の基盤を強化して参ります。
また、世界的に事業を展開している東レグループにとって、中国は最も事業拡大の成長力がある重要な地域と位置付けており、繊維、樹脂等の基盤事業の更なる収益力強化はもちろん、当社の先進的な高分子技術に基づく各種先端材料製品の新規事業拡大を推進して参ります。これらの事業拡大を研究技術開発面から総合的に支えるためにも、ＴＦＲＣは、南通・上海の２拠点で積極的に活動を展開して参ります。
これら南通・上海における研究所では、研究戦力として中国の優秀な人材を採用・育成し、東レＧの技術人材として確保することはもちろんのこと、将来、他国でも活用できるグローバル人材の育成拠点として位置付けて参ります。２００２年創設時には１０名の研究員でスタートしましたが、現在では約２１０名の体制となっており、２００７年度中には約２６０名、２００８年度には約３５０名にまで拡大していく計画です。日本や欧米、中国で優れた研究実績のある経験豊かな研究者も採用し、若手中国人研究・技術者の指導・育成を図り、早期戦力化を目指して参ります。
＜ご参考：ＴＦＲＣの概要＞
１．社名：東麗繊維研究所（中国）有限公司
Ｔｏｒａｙ Ｆｉｂｅｒｓ ＆ Ｔｅｘｔｉｌｅｓ Ｒｅｓｅａｒｃｈ Ｌａｂｏｒａｔｏｒｉｅｓ （Ｃｈｉｎａ） Ｃｏ．， Ｌｔｄ．（ＴＦＲＣ）
２．事業内容：繊維・高分子・水処理の研究技術開発
３．所在地：（本社研究所） 中国江蘇省南通市（分公司研究所） 中国上海市
４．設立：２００２年３月
５．資本金：３，２５０万ドル（２００７年６月末）
６．株主：東レ ９０％、東麗（中国）投資有限公司 １０％
７．代表者：董事長 兼 総経理 佐藤 卓治（さとう たくじ）
以 上