丸紅、アラブ首長国連邦のフジャイラ2発電造水事業に参画
アラブ首長国連邦(UAE)、フジャイラ2発電造水事業への参画について
丸紅株式会社(以下「丸紅」)はアラブ首長国連邦(UAE)、フジャイラ首長国において、20年間の大型発電造水プロジェクトの事業権を獲得、8月1日、同国に於いてアブダビ水電力庁(Abu Dhabi Water&Electricity Authority、以下「ADWEA」)と売電売水契約を含む主要契約の調印を致しました。
本件は本年4月にADWEAにより事業権を競う国際入札が実施され、当社は英国インターナショナル・パワー社(International Power plc、以下「IP社」)と共同で応札し、優先交渉権を獲得、その後ADWEAと交渉を行ってきたものです。総事業費は発電造水プラント建設費他を含め約28億ドルで、同国における、新設発電・造水事業(IWPP)としては過去最大の案件となります。本契約調印後、丸紅・IP社連合が4割、ADWEAが6割を出資して事業主体を設立、融資契約等の交渉・締結を進め、本年12月に着工、2010年に商業運転を開始する予定です。
総事業費のうち約22億ドルについては事業からの将来のキャッシュフローを担保とし、出資者に返済を求めないプロジェクトファイナンスにて調達を予定しており、現在、国際商業銀行団(三井住友銀行、カリヨン銀行(仏)、シティバンクN.A.(米))との交渉を行っております。又、本融資に関しては国際協力銀行よりの支援を仰ぐ事も検討しております。
本事業はアラブ首長国連邦、フジャイラ首長国、キドファ地区に発電容量200万キロワット(仏/スイス、アルストム社製)、造水容量59万トン(仏、シデム社製)の同国最大の新鋭発電造水プラントを建設、アブダビ水電力庁との20年間の長期引き取り契約に基づき、売電・売水を行う事業で、同プラントの保守・運転も丸紅・IP社にて実施いたします。尚、本設備には熱効率も高く、ガス消費量・CO2等の排出レベルの極めて低い最新鋭の複合火力設備、蒸発法、逆浸透膜法を組み合わせたハイブリッド型造水設備を導入する事により環境への配慮も図ります。
アラビア半島の南東部、アラビア海沿岸に位置するフジャイラ首長国は、ホルムズ海峡を経由しない原油の積み出し基地として注目されており、今後の産業発展が見込まれる地域です。本プラントにて生産される電力・水はADWEAを通じ、フジャイラ、アブダビ、ドバイ等アラブ首長国連邦の主要地域に配給される予定です。
本事業権獲得に当たっては、国際競争入札での提示売電売水価格に競争力があった事に加え、当社の海外での豊富なI(W)PP事業者としての実績、及び、同国における当社のプレゼンス等が総合的に高い評価を得ました。尚、当社は2004年以来湾岸地域に於いては大型発電造水プロジェクトの事業権を連続して獲得しており、本件は同地域での4番目の大規模事業案件となります。
アラブ首長国連邦は原油埋蔵量では世界第3位、天然ガス埋蔵量では世界第5位(主たる輸出先は日本)の世界有数の資源国で、高い投資格付け(Moody’s Aa2)を保持しています。同国は90年代より民活事業を積極的に推進しており、外資導入による発電・造水事業は湾岸地域における民営化・効率化のモデルケースとなっています。同地域では産業の多角化に伴う、旺盛な電力・水需要の伸びに対応する為、今後も同様の民活方式による発電造水事業が数多く計画されています。当社はかかる案件の中でも長期引取り契約、確実な履行保証に裏づけられた優良案件を選別し、今後も事業規模を拡大していく予定です。
また、当社は同地域のみならず、アジア、米州に於いても発電事業の拡大を図っており、本件を含む、発電規模は1,750万キロワット(総量)、578万キロワット(出資持分換算)となります。
以 上
<インターナショナル・パワー社概要>
所在地:英国
設立:1989年4月
事業内容:発電事業
ホームページ:http://www.ipplc.com/