STマイクロ、コンフィギュラブルなシステム・オン・チップであるSPEArファミリーを発表
STマイクロエレクトロニクスは、SPEAr(TM) ファミリの新製品として
2種類のコンフィギュラブルなシステム・オン・チップを発表
カスタマイズ可能なデュアル コア・チップにより、
ASIC開発費の大幅な削減と製品化までの時間短縮を実現
システム・オン・チップ(SOC)テクノロジーの世界的リーダーの1社であるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、http://www.st-japan.co.jp/、以下ST)は、コンフィギュラブルなSOCのSPEAr(TM)(Structured Processor Enhanced Architecture)ファミリの新製品を発表しました。
デュアルコアのSPEAr Plus600、およびシングルコアのSPEAr Head600は、市場でも類のないソリューションです。プリンタ、ファックス、POS(point-of-sale)などの複雑で柔軟なデジタル・エンジンの開発を、フル・カスタム設計に必要な時間とコストの数分の1で実現します。さらに、同一のアーキテクチャと基板占有面積で、シングル・プロセッサとデュアル・プロセッサのデバイスの選択が可能であるため、同じマーケット・セグメントにあるハイエンド、ローエンド・モデルへの対応等、多様なアプリケーションに適用できます。
STのコンピュータ周辺機器グループ、コンピュータ・システム部門ジェネラル・マネージャのVittorio Pedutoは、次のように述べています。「STのSPEArチップが提供する柔軟性とカスタマイズ性は、低い投資コストと短期間でのタイム・ツー・マーケットを実現する製品であり、この市場では他に類を見ないものです。これらの製品により、STは今までにない高性能なコンピューティング・パワー、接続性および機能セットをお客様に提供し、同じアーキテクチャとソフトウェア・スタックを使用して、ハイエンドからローエンドやミッドレンジのモデルまで、市場全体をカバーできるようにします。」
90nmプロセス・テクノロジーで製造されるSTの新しいSPEAr SoCには、333MHz(ワースト・ケース条件)で動作する16Kバイト(データ)+16Kバイト(命令)のキャッシュ・メモリと60万ゲート(ユーザブルゲート換算)の組込みコンフィギュラブル・ロジックを備え、シングルまたはデュアルの先進的なARM926プロセッサ・コアに加えて、DDR/DDR2メモリをサポートするメモリ・インタフェースおよび高性能なデータ通信用IP(知的財産)ポートフォリオが集積化されています。
DDR/DDR2メモリ・インタフェースはDDR2-666(333MHz)メモリと互換性があり、同一の端子でDDRまたはDDR2メモリを駆動することができます。データ通信用IPには、Fast IrDAをサポートするIrDAインタフェース、Gigabit Ethernet MAC、および3つのUSB2.0ポート(デバイス×1、ホスト×2)が含まれています。
新しい機能セットには、トゥルー・カラー(24bit)で最大1024×768ピクセルの解像度をサポートするXGA LCDコントローラとJPEGコーデックも含まれています。
さらに、STは、設計の際にEMC(電磁環境適合性)に特別な配慮を行い、周波数とジッタのプログラムが可能なジッタードPLLを採用しています。
そして最大600MHzで動作する高速な通信リンクをLVDS I/Oを使用して実現しています。また、コンフィギュラブル・ロジックに組み込むためのIPライブラリとハードウェア・アクセラレータが用意されており、このロジック部分の周辺には136 KバイトSRAMと32 KバイトROMが内蔵されており、お客様のアプリケーションで完全に利用可能です。
デュアルコアのSPEAr Plus600を使用すると、同一チップ上で2種類の異なるOSを稼働させることが可能です。これにより、たとえば多機能プリンタやコピー機が持つ典型的な機能を単一チップに統合することが可能になります。
つまり、Linux(またはそれに類する高機能なOS)が1つのプロセッサ上で動作し、データ通信とシステム管理を実行する一方で、第2のプロセッサ上のRTOS(リアルタイム・オペレーティング・システム)が、モータ制御やタイミングが重視されるインタフェース制御など、各種の制御機能を実行するという仕組みです。この柔軟性を活用すれば、描画性能が重視される画像処理のアクセラレータ・コプロセッサとしての機能を片方のプロセッサに実行させることも可能です。デュアルコア・ソリューションは、共通ソフトウェア・スタックを使用して1つのプロセッサ上で開発を行い、第2のプロセッサ上でアップグレードや追加機能を実装するという設計も可能にします。
SPEAr Plus600とSpearHead600は、ともに最小限の時間とリソースでお客様のシステムの開発とテストを可能にする専用の開発ボードを準備しています。
SoC内部のコンフィギュラブル・ロジック・ブロックの回路を開発するための外付けのFPGAを使用することで、設計者は最終的な検証を待たずにソフトウェアやハードウェアの開発を進めることができます。
お客様のユーザ・ロジック部分の機能検証が終わり、最終RTLが利用可能になってから8週間でフル生産を立上げることが可能です。
両デバイスとも、大量OEM向けのサンプル出荷を2007年3月末までに開始します。
価格は2万個購入時で、SPEAr Plus600が12ドル、SPEAr Head 600が10ドルです。
この製品の詳細情報は、以下のアドレスからご覧いただけます。
http://www.st-japan.co.jp/data/press/p2142p.html
SPEArは、STの登録商標です。
■STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
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