カネカ、米国に変成シリコーンポリマーの新工場建設で約40億円投資
変成シリコーンポリマー。
米国に新工場建設を決定、日米欧3拠点体制が確立
―設備投資額、約40億円。総能力、年産40,000トンへ―
◎株式会社カネカ(本社:大阪市。社長:大西正躬)は、変成シリコーンポリマー(シリル末端ポリエーテル樹脂、商品名:「カネカMSポリマー(R)」)の旺盛な需要に応えるため、米国子会社であるカネカテキサス(株)の敷地内に新たに工場を建設する。能力は年産10,000トン、稼働は2009(平成21)年春の予定で、設備投資額は約40億円となる。
すでに当社は高砂工業所に15,000トン、欧州子会社であるカネカベルギー(株)に15,000トンの能力を有しており、米国での新設によって合計年産40,000トンの供給体制が確立する。
日米欧に拠点を持つグローバル事業として、今後も世界の顧客ニーズに応えていくことによって、トップメーカーとしての地位をより強固なものにしていく。
◎「カネカMSポリマー(R)」は、当社が1978(昭和53)年に独自技術で世界に先駆けて開発した液状樹脂であり、副原料と混合することにより常温硬化のゴム弾性を有する建築用シーリング材になる。
このシーリング材は、シリコーン系やポリウレタン系など他のシーリング材に比して、耐久性、耐候性、低汚染性、作業性、塗装性などの物性に優れ、加工性や経済性の特徴も有していることから、高層建築用から一般建築用まで幅広く用いられ、現在まで建築用シーリング材市場における代表的な基材として飛躍的に成長してきている。
また近年、その「無溶剤」という特性が評価され、環境適合型ポリマーとしても室内用接着剤用途を中心に、欧米でも需要が着実に伸びてきている。
◎日本では20数年程前から建築用途を中心に工業用途、DIY用途、自動車用途など幅広く採用されており、1997(平成9)年カネカベルギー(株)での生産を開始して以来、欧州でも同様の用途で順調に拡大してきている。更に日本と欧州に次ぐ成長市場として米国での市場開発を積極的に進めてきた結果、建築用途、DIY用途、自動車用途などで着実に市場が拡大し、将来にわたり大幅な事業拡大が期待できると判断し、今般新たな拠点として新工場の建設を決定した。
◎新しく建設する米国工場は、独自の技術を組み込んだ設計となっており、差別化力のある優れた品質の製品を提供することができる。市場のポテンシャリティが高い米国市場において、変成シリコーンポリマー事業を大きく伸ばしていく計画である。
以上